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「小保方さんは未熟。データもずさん」

 STAP細胞論文の疑義について14日、都内で開かれた理化学研究所の会見。01年ノーベル化学賞受賞の野依良治理事長(75)は、研究の中心人物、小保方(おぼかた)晴子研究ユニットリーダー(30)について「未熟な研究者。データをずさんに扱った」と厳しく指摘した。今後は論文取り下げが検討され、発表時に世界の注目を浴びたSTAP細胞の成果は、白紙に戻る可能性が高くなった。

 野依氏は小保方さんについて「未熟な研究者。膨大なデータをずさんに、無責任に扱った。あってはならない。教育し直す」と明言した。画像流用や他の論文からの盗用など、多くの疑義が指摘されている。「共著者14人が4チームに分かれて、この論文を書いている。全体的な整合性を持たせる責任者が必要だった。チーム間の連携不備があった」と分析した。

 理研の調査委員会は中間報告を公表。論文の画像や記述など6点について、不正が認められるかどうかを調査した。(1)色付きの細胞部分にゆがみがあり、不自然に見える(2)胎盤の蛍光画像と他の同画像が類似している、については、データの取り扱いが不適切だが、不正と認めなかった。

 (3)電気泳動像に挿入部分が見える(4)実験方法の説明で、他の論文から盗用の疑い(5)この実験方法と実際の実験手順が異なる(6)STAP細胞を用いた画像に取り違えがあり、小保方さんの博士論文に掲載された画像と似ている、については、調査継続。(6)の指摘には「同一のデータと判断せざるを得ない」と認めた。最終結果の報告時期は未定。

 論文の取り下げには原則的に著者14人の同意が必要で、今後はチャールズ・バカンティ米ハーバード大教授らの同意を得る方針。小保方さんが所属する発生・再生科学総合研究センターの竹市雅俊センター長は「STAP細胞の真偽は、第三者に検証、再現されることが唯一の手段」と述べ、検証を外部の研究者にゆだねる考えを示した。

 200人以上の報道陣が殺到。約30台のテレビカメラが並び、会見は約4時間に及んだ。

 [2014年3月15日9時26分 紙面から]

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