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STAP細胞論文の共著者は異色の研究者

 理化学研究所のSTAP細胞論文の共著者で撤回に反対している米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授は、さまざまな人材が集まる再生医療分野でも異色の研究者だ。マウスの背中に人間の耳に似た組織を付けた「バカンティ・マウス」など変わった研究で関係者を驚かせてきた。

 ハーバード大の関係病院ブリガム・アンド・ウィメンズ病院では麻酔科長を務める。外科医の兄の影響で1980年代末に組織工学の研究を開始。軟骨再生に取り組み、90年代半ばに、耳の形をした土台に培養した牛の軟骨細胞をくっつけて定着させ、マウスに移植したバカンティ・マウスを作った。

 英BBCが取り上げて一躍話題になり、STAP論文の主著者である理研の小保方晴子研究ユニットリーダーは、このマウスを見て再生医療に興味を持ったと話している。

 バカンティ氏は組織工学の第一人者とみなされるようになったが、2001年に菌類の胞子のように休止状態を維持している微少な幹細胞が生体内に存在するとの新説を発表。この説は多くの専門家に受け入れられているわけではないが、バカンティ氏はSTAP細胞も同じ起源を持つ可能性があると主張している。

 論文撤回をめぐっては共著者の間で意見が分かれて先が見えない状況。再生医療に詳しい米カリフォルニア大デービス校のポール・ナウフラー准教授は「最終的には論文を掲載した英科学誌ネイチャーの判断に委ねられるかもしれない」とみている。(共同)

 [2014年3月15日14時4分]

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