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小保方氏 敏腕弁護士とタッグで“反撃”

不服申立書の説明をする小保方氏の代理人の三木秀夫弁護士(撮影・鈴木絢子)
不服申立書の説明をする小保方氏の代理人の三木秀夫弁護士(撮影・鈴木絢子)

 「STAP細胞」論文問題で、理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子研究ユニットリーダー(30)は8日、理研調査委の「不正」と断じた最終報告書に不服申し立てを行った。心身の不調から大阪府内の病院に入院中だが、今日9日の会見に病院から直行し、論文に「悪意」はなく「不正」ではないと訴える。8日朝には代理人の弁護士に「支えてほしい」と声を震わせて電話してきたという。船場吉兆、食品・食材偽装を担当した敏腕弁護士とタッグを組んで“反撃”に出る。

 理研調査委の最終報告書に不服申し立てを行った小保方氏だが、心身は依然不安定のようだ。代理人弁護士の三木秀夫氏によると、この日朝に入院中の病院から「不安な気持ちでいっぱいです。支えてください」と声を震わせて電話をかけてきたという。

 昼にも話した三木氏は「会見が近づくにつれ、不安感が増しているようだ」と懸念。病名や入院期間は非公表だが、医師からは会見出席によって、入院が長引く可能性も示された。同時に医師は会見欠席による社会的バッシングの拡大も心配したという。三木氏は「もともと気が強いのだろう。元気に振る舞っているが、心労と不安が大きい」と現状を明かした。ドクターストップで会見が中止になる可能性もある。

 一方、今日9日の会見で「自分の口から説明したい」という意思も強い。病院では、分かりやすく説明しようと主張を整理しているという。当日は病院から会見場に向かい、終了後に再び入院生活に戻る予定。会場費用は、小保方氏が自腹で負担する。

 弁護団はこの日、不服申し立て後に会見した。代理人弁護士の1人、室谷和彦氏は約1時間かけて、約20ページの申立書の内容を説明。小保方氏は自分のミスから騒動を招いたことを謝罪する意向だが、疑問視されているSTAP細胞の存在については「何度も見た」「いくつも作っている。たまたま出来た訳ではない」(室谷氏)と訴える。三木氏も「誰がなんと言おうと(存在は)揺るがないと思っているのでは」とした。

 また、調査委から「捏造(ねつぞう)に当たる」と指摘された画像を「誤って取り違えた」と主張。小保方氏もデータ整理が不十分だった点などを反省しているが、あくまで「悪意のない過失」であり「研究不正にはあたらない」と強調した。小保方氏に行った聞き取り調査にも不満を述べた。三木弁護士は「イエスかノーで答えを求められた。説明しようとすると遮られ、言いたいことを言えなかった」と代弁し、調査委とは別の外部委員による再調査を求めた。

 理研は、不服申し立てを受け「内容を調査委にて確認し、規定にのっとって対応する」とコメントした。

 心身の不安を抱えながら、理研の組織決定にいかに立ち向かうのか。説得力のある説明ができるのか。小保方氏の発言が注目される。

 [2014年4月9日9時7分 紙面から]

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