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「かっぽう着は3年前から」やらせ否定

質疑応答で挙手する大勢の報道陣を冷静に見つめる小保方晴子氏
質疑応答で挙手する大勢の報道陣を冷静に見つめる小保方晴子氏

 理化学研究所(理研)の小保方(おぼかた)晴子研究ユニットリーダー(30)が9日、大阪市内のホテルで記者会見を開き、ベールに包まれていた71日間の様子を明かした。過熱するメディアを「恐ろしかった」と表現。自宅にこもり続けた日々で体が思うように動かず、嘔吐(おうと)したこともあり、「体調は絶不調でした」と語った。1月28日に公開した、かっぽう着姿について、パフォーマンスではなかったことを主張した。

 ドクターストップの可能性もあった中、覚悟を決めて出陣した。小保方氏は会見の朝、「清水の舞台から飛び降りるような気持ちです」と三木秀夫弁護士に電話で伝え、研究者生命を懸けた会見会場へ向かった。

 「かっぽう着姿」に「ピンク色の実験室」。センセーショナルな広報活動が目立った1月28日のSTAP論文発表会見。しかし、小保方氏自身は「みなさん、面白いところに興味を持つな~と」と意外そうな表情を見せる一方で、「予想外の報道だったので恐ろしかった」と振り返った。この広報が理研の「やらせ」との一部報道があったが、「かっぽう着は3年ほど前から着て実験をしておりました。ピンクの実験の部屋は私がユニットリーダーに着任(13年3月)して研究室を用意している段階でできたものです」と、きっぱり否定した。

 71日間のほとんどを神戸市内の自宅で過ごした。「体調は、もう、絶不調でした」。論文発表会見の直後は、実験方法などを教える活動をしていたが、騒動が大きくなると「心身ともに消耗し日常生活に支障が出た。最後の方は家でぐったりしていた」という。三木氏によるとメディアに自宅を囲まれ、外出できなかったため食事は母や親族、友人が運んでいたという。

 しかし、嘔吐や、体が動かないなどの症状が出て、3月中旬には医師から入院を勧められた。最近では涙が止まらなくなる症状も見られていたが会見後に会場で待機していた医師は「よく耐えた」と話したという。三木氏も会見後の様子を「しんどそうだった」と話した。

 一方で、三木氏との会話の中では冗談を言う元気もあったという。三木氏は「『三木先生、ネットに出てますね~』などと話してましたよ」と紹介。奔放な一面ものぞかせるエピソードだ。

 会見後は大阪府内の病院に直行し、再び入院。退院のめどは立っていないが、病名も公表しないという。心身共にボロボロになった「リケジョ(理系女子)の星」。再び、かっぽう着を着て実験をする日は来るのだろうか。【三須一紀】

 [2014年4月10日9時40分 紙面から]

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