OECDの発表によると、女性の就業率が80%を超えるスウェーデン。女性議員の比率も45.0%と、日本の衆議院における女性議員の比率11.3%を大きく上回っています。女性が広く活躍するスウェーデンで40年近く暮らす筆者。現地での経験を生かし、日本の生活がさらに豊かになるためのヒントを、日本の女性からの質問に答える形で、一緒に考えます。
質問
来春に出産予定で、海外の出産後のケアについて興味を持ちました。日本ではおよそ5日間は入院するのですが、欧米ではその期間が短いと聞きました。スウェーデンも同様ですか? スウェーデンの出産直後のケアについて、教えてください。(30歳、専業主婦)
■産後の早期帰宅
スウェーデンでは、1989年以来、安産で産後、母親も赤ちゃんも健康であれば、一般的には72時間(3日)以内に退院することになっています。そのかわり早期帰宅をしても問題がないように、帰宅後の母子に対するアフターケアのプログラムがしっかり構築されています。
産後に夫婦が泊る病院のホテルのレストラン
医師が母子の診断をして問題がなければ、産後6時間後に帰宅しても良いという自治体もあります。その場合も、帰宅をしてからも再度病院を訪問し、血液検査や、体重や授乳のアドバイスを受けることができます。
日本では、産後1週間くらい入院するのが一般的です。スウェーデンがなぜこんなに産後の入院日数が少ないのでょうか。その理由は、近年、税金で支えている医療費を節約する必要性があるからです。
スウェーデンには私立の病院はありません。全ての病院が、ランステイングという広域行政区の管轄になっており、税金でまかなわれています。ですから、出産までの定期検診から出産と産後の入院費は全て無料です。
日本と同様、85歳以上の超高齢者が増えてきており、高齢者の医療費も増えてきています。本当に医療が必要な人に医療費をかけ、出産のように病気ではなく、安産で母子ともに健康な場合、早期帰宅をしてもらい医療費を節約しようというのが国の考え方です。そのかわり退院後の子どものケアを充実させてきています。
■娘が2人目を出産
娘が2011年11月11日に第2子を出産しました。出産予定日より3週間早かったので、赤ちゃんの様子を見るという理由で、3日間病院で入院をしてから帰宅しました。
もし、予定通りで安産だったら、彼女が出産したストックホルム県のダンデリュード病院では、病院内にある患者用のホテルに泊まることになります。写真は、そのホテルのレストランの様子です。
帰宅後3日経って、このホテルの診察室で、看護師さんに赤ちゃんの生後1週間の健康診断をしてもらいました。普通のホテルと何も変わらず、設備が新しく、デザインも素敵でした。
家族そろって赤ちゃんといっしょにホテルの部屋で泊れるのは、とても快適です。娘は、もし3人目を産んだら、今度はホテルに泊れるかしら?と冗談を言っていました。
ホテルでは夫も赤ちゃんの世話をするので、看護師のケアが少なくてすみ、病院としてもコストが安くなり、患者にも喜ばれるしくみです。
スウェーデン、赤ちゃん、病院、出産、妊娠
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