複数の人でメールを共有できる米グーグル社の「グーグルグループ」を通じ、中部空港(愛知県常滑市)と新千歳空港(北海道千歳市)の詳細な見取り図が一時、誰でも見られる状態になっていたことが11日、国土交通省などへの取材でわかった。国交省は「保安上問題がある」として、全国の空港に情報管理の徹底を指示した。

 国交省によると、見取り図には空港職員の専用通路の場所や、保安検査場を通過した後の保安区域の詳細な配置図が含まれていた。こうしたセキュリティー情報は、国際民間航空条約に基づき、第三者に公開しないよう定められている。グーグル社は自社提供の地図サービスで、空港内の地図を充実させるため、両空港と契約を結んで見取り図の提供を受けていたという。

 国交省は2011年、「グーグル社に情報提供する際は、保安上問題のある部分を非開示にするように」と全国の空港に通知していたが、両空港は見取り図をメールでそのまま提供。グーグル社内では社員が見取り図つきのメールをグーグルグループで共有していたが、設定を誰もが見られる「一般公開」にしていた。グーグルは10日夜に設定を非公開に変更した。