私は東京が好きだ。私の中では、1時間ほどで都心まで出られる場所は全て東京みたいなものなので神奈川・千葉・埼玉のある程度までが含まれる。
小学5年生くらいの頃、私は芸能人になりたいと密かに思っていた。あの頃(80年代後半)テレビでは、ドラマのNGシーンを放送する特番が定期的に放送されていて、私はそれを楽しみにしていた。
もちろん俳優達のNGシーンにも興味はあるのだけれど、それよりもテレビカメラやスタッフ、セットなどを見て「こんな風になっているのか」と、私はテレビの裏側を見てドキドキしていた。
その頃、東京へ引っ越しをした同級生がいて、東京暮らしが羨ましくて仕方なかった私はその子と文通を始めた。私の元に届く手紙の封筒には"東京都目黒区…"という住所が書かれていて「知ってる!目黒区って聞いたことある!」と興奮したものだ。
その後、地元の友人が進学の為に上京。私は18歳の時に初めて東京に遊びに行った。初めて見た渋谷の街はあまりの人の多さに「え?今日何かの祭り?」と素で思ったし、エスカレーターに乗る時には片側を空けるという事も友人に教えてもらい初めて知った(地元は人が多くないので、空けるという習慣が無い)。
原宿に行った時には密かに「スカウトされないかな…」と思ったが、されるわけがない。クラブと呼ばれる踊るお店にも行ったが、持っている荷物をどうすればいいのか分からず、肩からダサいショルダーバッグを下げて踊っている人達の中に入っていった。
【スポンサード リンク】
そして今、私は東京に住んでいる(ちょっと郊外だけれど)。
何年か住んでみて思った事は「子育てをするなら地元だな」という事。私の出身地は大きなイオンがあるような街。車社会なので、殆どの人が高校卒業と同時に免許を取り、だいたい1人1台車を所有している。
東京のある駅で、真夏に子供を3人連れたママさんを見かけた。子供たちはプールに行くようだった。うだるような暑さの中、すでに膨らませてある浮き輪を持ちはしゃぎ回る子供達を連れ、電車を乗り継いでプールに行くのは本当に大変だなぁと思った。
それに比べて地元なら車という足がある(維持費など金銭的な問題はあるが)。
有名デパートは無いけれど大型ショッピングセンターには、丸井やルミネなどと同じショップが入っているので、売っているものは東京と何も変わらない(セレクトショップなどのお洒落な物の事はよく分からないが)。レストランやフードコートもあるし、敷地内に映画館やボーリング場、家電店があったりして便利だ。
東京は病院などの選択肢が多いというメリットがあるのかもしれないけれど、やはり子育てするならのんびりとした地方がいいなと個人的には思う。
けれど、独身の今は東京がいい。私は毎週休日に都心に遊びに出掛けるような暮らしではないので、渋谷なんてもう何年も行っていないし、六本木なんかも夜歩くだけでドキドキする。
東京に住んでいても地元に住んでいても同じような暮らしだし、満員電車には乗りたくないけれど、それでもこの土地がいい。
それはやはり子供の頃からの東京への想いが抜けていないという事もあるし、憧れの人と近い土地に住んでいるというだけでも嬉しい。それに時々お笑いライブにも行くので、芝居やライブなど独身者が1人で楽しめる場所があるというのも、都会のメリットかなと思う。
(なんかこんな話あったな…)
そんなわけで私は、出来ればずっとこの土地で暮らしたいなと思っているのだけれど、それでもやはり両親の事は気掛かりなので、数年以内には地元に戻る事になると思う。
今まで散々自由にしてきたのだから、今後は両親の世話をしながら地元で暮らしてもいいかな…と思う。一応、本心でそう思っている。両親を放っておいてまで東京で暮らす理由は…無い。
それでもやはり私は東京が好きだ。
読んでいただきありがとうございました。