高尾山(八王子市)のふもとと中腹を結び、最大斜度31度18分と日本一の急勾配を誇るケーブルカーが11日、46年ぶりの巻き上げ機(モーター)交換工事を終えて運転を再開する。高尾登山電鉄は「生まれ変わった快適な乗り心地を楽しんで」としている。

 同電鉄のケーブルカーは、1968年から使ってきた2代目モーターの老朽化が目立ってきたため、2月5日から運休してモーター交換や運転室の制御設備の更新工事をしてきた。ケーブル交換などで数日程度の運休はあったが、長期の運休は前回のモーター交換以来という。運転再開は約2カ月ぶり。

 高尾山の登山者はかつては減少傾向にあったが、2007年にミシュラン日本版旅行ガイドで三つ星評価を受けてから急増。ケーブルカーと、並走するリフトを合わせた輸送客は、12年度には過去最高の212万人になった。ケーブルカーも近年は臨時便を運行することが多く、モーターの傷みも早まったため約6億円を投じて改修した。