遍路道:朝鮮人排斥訴える貼り紙 徳島、高松の5休憩所
毎日新聞 2014年04月10日 12時23分(最終更新 04月10日 23時56分)
四国遍路の巡礼者が使う休憩所のうち、徳島県と高松市の計5カ所で、朝鮮人排斥を訴える紙が貼られていたことが10日、分かった。貼り紙は「日本の遍路道を守ろう会」との名で、「礼儀しらずな朝鮮人達が気持ち悪いシールを四国中に貼り回っています。見つけ次第、はがしましょう」などと印刷されていた。事態を受けて、徳島県は遍路道のある県内各市町村に確認を呼び掛け、徳島県警も軽犯罪法違反(はり札乱用)容疑を視野に情報収集している。
徳島県内では、徳島市の観光施設「阿波おどり会館」前の休憩所で4枚▽吉野川市の休憩所で1枚▽阿波市の休憩所で2枚−−の計7枚が見つかった。一番札所「霊山寺(りょうぜんじ)」(鳴門市)でも枚数は不明だが、発見された。
高松市一宮町の休憩所では、先月28日朝、管理人の男性(71)が貼り紙1枚を発見し、はがしたという。男性は「非常に腹立たしい。今年は四国遍路開創1200周年で、国も『おもてなし』を言っているのにこんなことするなんて」と憤った。
札所の寺院で組織する四国八十八カ所霊場会は、4度目の結願(遍路終了)をし外国人として初めて遍路道の案内役や巡拝作法を手ほどきする「先達(せんだつ)」に、韓国人女性の崔象喜(チェ・サンヒ)さん(38)=ソウル市=を昨年12月認定した。崔さんは、インターネットで遍路文化を紹介するサイトや、遍路宿や休憩所にハングルで書かれた自作のシールを貼るなど海外に遍路を紹介する活動を続けており、貼り紙は崔さんを中傷したものとみられる。【加藤美穂子、立野将弘、伊藤遥】