インターネット上でメールを共有できるグーグルの無料サービス「グーグルグループ」で、中部国際空港(愛知県常滑市)と新千歳空港(北海道千歳市)の平面図などが一時、誰でも閲覧できる状態になっていたことが、11日分かった。
同社日本法人(東京・港)の社員らが、各空港会社の文書を含むメールを誤って公開状態で送信した。国土交通省は、空港の保安上問題があるとして調査を進めている。
国交省によると、社員らはマップ上に建物内の施設を示すサービスを更新する業務の際に、空港会社から提供を受けていた平面図を利用。グーグルグループを使ってメールのやり取りをしていたが、メールの閲覧範囲をネット上で誰でも見られる状態に設定していた。
平面図には空港会社の職員通路のほか、搭乗口近くの保安区域に通じるドアの位置など、通常の利用客では分からない内容も含まれていた。10日夕から、一般には閲覧できない設定に修正した。国交省は「保安区域に入るドアは厳重に管理されており、問題は確認されていない」としている。
太田昭宏国土交通相は11日の閣議後の記者会見で「保安に関わる情報は重要」と指摘。空港会社に情報管理の徹底を指導するとともに、同様の事例が他にもないか調査を進める考えを示した。
グーグルグループを巡っては、昨年7月にも環境省など中央官庁の職員らが送信した国際会議に関する内部情報などが、一時公開状態となっていたことが発覚している。
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