|
廃墟とウサギのミスマッチ。
瀬戸内海に野生のウサギが700羽以上住んでいる島があるという。
ウサギはのら動物としてはめずらしい部類に入ると思うのだけれど、どうしてそんなにたくさんいるのだろうか。 ウサギにまみれてきました。 ウサギ島までの道のりウサギがたくさんいるのは広島県にある大久野島。島へは忠海(ただのうみ)駅という駅近くから出るフェリーに乗って10分ほどで渡ることができる。
と書くと手軽に聞こえるが、実際はこの忠海駅まで行くのがなかなかハードだった。僕は移動が好きなのでどちらかというと楽しく過ごせたが、せっかちな人なら途中で怒り出すんじゃないかというほどのんびりとした鉄道なのである。道中寝て、起きてメールチェックして朝ごはん食べて、また寝た(そのあと起きてもまだ着いていなかった)。 駅近くのコンビニには島に渡る人用にウサギの餌が売られていた。
フェリーに乗ってしまえば10分ちょっとで着きます。
到着。
フェリーを降りると5秒でウサギ大久野島のフェリー桟橋に降りて対岸を望むと、いたるところに茶色い丸いのが動いているのが見える。
すでに大量のウサギたちに出迎えられているのだ。島に上陸すると待ってましたとばかりにウサギが駆け寄ってくる。 人を見るとこんなかんじで突進してくる。
一瞬でこう。
動物園のふれあいコーナーでもこうはいかないだろう。
島に降りたての観光客は餌を持っていると知っているのか、フェリー乗り場周辺のウサギたちは遠慮がない。人の行く手を封じる勢いで間を詰めてくる。 わかった、わかったから、ちょっと落ち着いて。
この島のウサギたちは野生とはいえ、ものすごく積極的なので動物好きじゃないと若干ひくかもしれない。猫みたいにローテンションでゴロゴロしている感じではない。
しかしこちらから触ろうとすると巧みに人の手をよける。そのあたりの押し引きをよく理解しているのだ。たぶんこうして人とのやりとりを毎日こなしているのだろう。そういう意味でここのウサギは、野生でありながらかなり人に寄った生活をしているといえる。 大久野島についても少しだけ。
島には周囲をめぐる道が整備されていて、歩いて1時間ほどで一周することができる。島の真ん中に小高い山があって麓には立派な国民休暇村と観光用の施設がいくつか。それ以外は特に何もない。民家もない。 かわりにウサギがいる。 ほんとにたくさんいる。
住民がウサギに変えられちゃったんじゃないかと思うほど。
ウサギは猫や犬と違って鳴かないので(鳴く種類もいるらしいが、この島にいるウサギは鳴かない)カサコソと静かに寄ってきては静かに人に群がる。群がる理由はたぶん餌が欲しいからである。
なので何ももらえないとわかると次の瞬間そっぽを向く。これがなんとなく腹立つけど可愛い。 さっきまでこの勢いだったウサギたちが
こいつ何も持ってないな、とわかると急にそっぽを向くのだ。
その割り切り方がクール。
こうやって書くとまるで僕がウサギを好きじゃないみたいだが、そうではないのだ。僕は毛の生えた動物が全般的に好きなのだけれど、なんというか、数が多すぎるのである。たぶん今日家に帰っても「野生のウサギ見た!」とは話さないだろう。山の中で一羽だけ見たのならば、ぜったいに興奮してみんなに自慢するところなのに。
「ウサギ=鳩」説ところでここのウサギたちの「音もなく近づいてくる」「何ももらえないとわかるとそっぽを向く」「特に逃げない、でも一定の距離は保っている」。
この習性、何かに似ていないだろうか。 そう 鳩である。
ここのウサギは鳩扱いなのだ。
鳩。
この島にしか当てはまらないかもしれないけれど、増えすぎた野生のウサギは鳩と同じ扱いになる。ああいるなー、くらいの存在感。
1時間くらい島を歩きまわっただけでたぶん300羽くらいのウサギに会えるので、これはもういちいち「可愛いー」って興奮していると体がもたないのだ。ウサギの数え方は伝統的に「何羽」と数えると思うが、あれ、鳩みたいだからじゃないのか。 次のページではこの島のウサギ以外の見どころを紹介します。
|
|
▲デイリーポータルZトップへ |