ロシアのプーチン大統領が10日、ロシア産天然ガスを輸入している欧州各国の首脳あてに書簡を出し、ウクライナのガス代金未払いが原因で欧州へのガス供給が困難になりつつあると警告した。近くウクライナ経由のガス供給を止める可能性もあるとみられる。

 ペスコフ大統領報道官によると、プーチン氏は書簡で、ウクライナの未払い問題でロシアからのガス供給に懸念が生じているという認識を示した。ロシア側によると、ウクライナはガス代金20億ドル(約2千億円)以上を滞納している。

 欧州連合(EU)全体で天然ガスの約25%をロシアからの輸入に依存。中東欧の多くの国がウクライナ経由のパイプラインで輸入している。ロシアは2006年と09年にも代金未払いを理由にウクライナ向けのガス供給を止め、パイプライン下流の欧州各国に影響が広がった。(モスクワ=駒木明義)