大阪市の橋下徹市長が今月、市教育委員との間で教育施策を協議するための新たな場を設けるよう、市教委側に申し入れたことがわかった。校長の権限行使など学校運営の実態、いじめや体罰への対応策のあり方などを協議したいとしている。教育行政への「首長主導」を強めていく狙いがあるとみられる。

 関係者によると、橋下市長は新たな協議の場で、「学校運営」「子どもの安全、安心と教育を受ける権利」「子ども、保護者、市民の意向の把握と反映」の3点について、具体的な議論を要求。その上で、校長が権限を発揮できているか、児童生徒や保護者による教員の授業評価がどうなっているかなどを例示したという。この意向に沿い、初回が18日に開催される運びで準備が進められている。

 現行の地方教育行政法などでは、学校運営の権限は教育委員会に委ねられている。このため、橋下市長はこれまでは市教委側への「要請」という形で意思を示してきた。

 安倍政権も今月、教委制度見直し案を閣議決定し、首長が主宰して教育委員が参加する協議機関の新設を盛り込んだ。(阪本輝昭)