2014年4月10日23時43分
日本野球機構(NPB)は10日、プロ野球の公式戦で使用している今季の統一球の反発係数が、NPBの定める基準値を上回り、飛びやすくなっていると発表した。NPBは「統一球の仕様は昨季から変更していない」としており、反発係数の数値が上がった原因は不明という。NPBは同日、統一球を製造するミズノ社に対して速やかに原因を究明するように指示。再検査の手続きをとった。
反発係数の検査は毎年3~5回行っている。1回目の今回は3月29日の使用球を、6球場から各1ダース抽出。日本車両検査協会に委託して反発係数を計測した。NPBは統一球の反発係数を0・4034~0・4234と定めているが、検査結果では5球場のボールの平均値がNPBの上限値を上回った。最も数値が高かったのは東京ドームの0・428で、最も低かった西武ドームでも上限ぎりぎりの0・423だった。
開幕から各球団が10試合を終えた時点での総本塁打数は、昨季が78本だったが、今季は95本と増えている。
プロ野球では2011年から使用球をミズノ社製に統一し、反発係数を抑えた「飛びにくいボール」を導入した。しかし、反発係数が下ぶれしすぎたため、昨季、公表しないまま統一球を飛びやすく仕様変更。これが表面化して問題となり、加藤良三コミッショナーが辞任する事態となった。こうした反省からNPBは今季から検査結果の公表を始めたばかりだった。
「飛びやすくなった」と言われた昨年の統一球でさえ、4月の検査の数値は0・409~0・420。今季はさらに数値が上がり、統一球導入前年の10年5月に行った検査結果(0・412~0・428)に近いレベルとなっている。NPBの井原敦事務局長は「結果に驚いている。ミズノ社の調査を待ちたい」と話している。
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