工藤隆治
2014年4月11日05時05分
航空会社スカイマークの新制服が、波紋を広げている。客室乗務員(CA)に着用させるのは、ひざ上15センチのミニスカート。荷物の上げ下ろし時、太ももがあらわになる。CAの労働組合の一つは「業務に支障があり、セクハラの観点からも問題だ」と国に指導を求めた。
新制服は、5月に導入する中型機エアバスA330のキャンペーン。同機が就航する羽田―福岡線など3路線で半年ずつ、来月から順次着用させる。スカイブルーのワンピースで、体の線がはっきり出る。年数回は飛行機に乗るという公務員男性(36)は「男としては興味がある。乗ってみたいし、見てみたい」。
なぜミニなのか。同社の説明は「機内の快適性を知っていただく一環で、目新しい服にした」。ただ、快適性とスカートの丈とは「特段関連していない」。今月1日には別の新路線の就航記念に1日限定で採用。那覇―石垣線では7日まで着用させた。「着用は同意したCAだけ」と強調するが、同意しなければA330に乗務できず、他の機種に乗ることになる。
これに対し、日本航空など他社のCA約1千人でつくる労組「客室乗務員連絡会」が国土交通省と厚生労働省に指導を求めた。「CAの保安業務に支障を生じさせる。女性を商品として扱うセクハラの観点からも見過ごせない」。国交省は客室乗務員が、緊急時の避難誘導や消火などの保安業務に従事すると通達する。
太田昭宏国交相は会見で「適切に保安業務を行う必要がある」としつつ、これまでの監査で問題は出ていないと様子見の構え。田村憲久厚労相は社の考えを確認するため、報告を求める考えを明らかにしている。
当事者はどうなのか。夜間乗務を終えたスカイマークの20代のCA2人が、羽田空港のターミナルビルを歩きながら、ずり上がる裾を、手でしきりに押さえている。感想を尋ねたが、「申し訳ありません……」と足早に立ち去った。
おすすめコンテンツ
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞社会部
PR比べてお得!