ロシア 欧州各国にガス供給停止と警告4月11日 6時48分
ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ経由でロシアから天然ガスを輸入しているヨーロッパ各国の首脳に対し、ウクライナがガス代金を滞納し続けるのであればガスの供給を停止すると警告しました。
ウクライナ情勢を巡り対立する欧米諸国をけん制するねらいがあるものと見られます。
プーチン大統領は10日、ウクライナ経由でロシアから天然ガスを輸入しているドイツやフランスなど18か国の首脳に対し、書簡を送りました。
この中でプーチン大統領は、ウクライナが天然ガスの代金の支払いを滞納し続けていると指摘し「ウクライナ経済を支えるためにロシア1国だけがこれ以上、ガスの値引きや未払いを免じ、重荷を負うことはできない」として、今後はウクライナに対しガス代金の前払いを求めざるを得ず、応じなければガスの供給を制限するか停止すると警告しました。
そのうえで、ヨーロッパ各国に対し、ウクライナの対外債務の問題などを話し合う場を早急に設けるよう呼びかけました。
ヨーロッパは、天然ガスのおよそ4分の1をロシアからの輸入に頼っており、そのおよそ半分をウクライナ経由で輸入しているため、2006年と2009年にロシアがウクライナ向けのガスの供給を停止した際には、大きな影響が出ました。
プーチン大統領としては、ガス資源を武器に、ウクライナ情勢を巡って対立する欧米諸国をけん制し、ロシアの孤立化を避けようといねらいがあるものと見られます。
米「エネルギーを威圧の道具に」
これについてアメリカ国務省のサキ報道官は10日の記者会見で「ロシアがウクライナを威圧するための道具としてエネルギーを使おうとしている」と述べ、ロシアを非難しました。
そのうえでサキ報道官は「アメリカは、金融支援や技術支援を通じて、ウクライナのエネルギー安全保障やエネルギー産業の改革を支えていく」と述べ、ウクライナがロシアへのエネルギーの依存度を減らせるよう支援していく考えを強調しました。
[関連ニュース] 自動検索 |
・ G7 エネルギー大臣会合でロシア依存議論へ (4月10日 4時10分) |
[関連リンク] |
|