息子を装って現金100万円を詐取したとして、警視庁は、茨城県内の私立通信制高校3年の男子生徒(17)=東京都調布市=を詐欺の疑いで逮捕し、10日発表した。「全然知らない」と容疑を否認しているという。同庁は、この生徒が、振り込め詐欺の詐取金をATM(現金自動出入機)から引き出すグループのリーダーとみている。

 同庁は別の詐欺容疑で逮捕したグループメンバーの高校生2人の自宅から、他人名義のキャッシュカード約550枚を押収。このうち、約160口座から被害金約4億円が引き出されているのを確認したという。

 捜査2課によると、生徒の逮捕容疑は昨年8月下旬、仲間と共謀のうえ、東京都国分寺市の男性(64)宅に息子を装って電話。「女性を妊娠させてトラブルになった。示談は成立したが、弁護士費用が必要だ」などとうそをつき、100万円を銀行口座に振り込ませてだまし取ったというもの。生徒の報酬は詐取額の3%だったという。

 同課は、詐取金を引き出すグループのほかにも電話をかけるグループや、全体を取り仕切る中心グループが存在し、4億円の大半はこうしたグループに流れたとみて調べている。