路線と駅が視覚的に分かりやすく表記されている路線図。降りる駅や乗り換えの駅を確認する時などに、見る人は多いだろう。
そんな路線図の中で、間違いなく世界最大スケールと言えるものが、今海外で話題になっている。その図は、世界中の都市を地下鉄で結んだもの。つまり、日本の都市とロンドンやパリ、ニューヨークなどが繋がっている地下鉄の路線図なのだ。
・ロンドンの地下鉄マップをヒントに制作
注目の路線図を制作したのは、イギリス・ウェストヨークシャー州在住のクリス・グレイさん(47)。ウェブ開発の仕事をしている彼は、オーストラリアでクリケットの試合を見ている時に、世界を地下鉄で結ぶ構想を思いついたのだとか。
なお、この地図は1931年に作られたロンドンの地下鉄マップをヒントにして作られたらしい。
・現時点では実現不可能
しかし、実際にこれを実現するのは、今の時点では不可能なもよう。なぜなら、構想を実現するには、太平洋や大西洋を横断する地下鉄の線路を敷設しなければならない。海底には、海溝やプレートが交錯している場所などもあるからだ。
ちなみに現在では、最新の技術を駆使しても、海底トンネルは1日に30メートル掘り進めるのがやっとなのだとか。このペースでロンドン〜ニューヨーク間に海底トンネルを通すとなると、海溝やプレートに対処することを含めなくても、508年もかかる計算に!! これは確かに難しそうだ。
・将来的には多くの大陸が構造物で結ばれる!?
橋とトンネル設計技術のエキスパートであるロバート・ベイナム氏は、大西洋に巨大な海底トンネルを通す技術は存在しないと考えているようだ。また、もし計画を実現しようとするならば、膨大な予算と時間がかかるとも。
ただし、彼は「海底トンネルはいくつかの場所で不可能かもしれないが、将来的には、より多くの大陸が、物理的な構造物で結ばれるかもしれない」とも述べている。つまり、海底トンネルは無理かもしれないが、他の手段によって将来的に大陸間同士が結ばれるかもしれないというのだ。
・「ハイパーループ」システムが世界をつなぐ?
ベイナム氏が、将来的に有効になるかもしれないと考えている手段が、フローティングトンネル、すなわち海上に浮かせたトンネルと、アメリカの起業家イーロン・マスク氏が構想した超高速輸送システム「ハイパーループ」だ。
ハイパーループは、空気圧を利用した乗り物で、形状はカプセル型。最大の特徴はそのスピードで、最高時速1223kmにも及ぶのだとか。このハイパーループなら、海底や地中にトンネルを掘る必要はない。
もちろん、これらは今のところ1つの構想という段階だが、将来的には実現されるかもしれない。何とも夢のある壮大な話である。
参照元:Mail Online、Clockwork Gallery(英語)
執筆:和才雄一郎
▼海外サイト「Mail Online」でも取り上げられた世界をつなぐ地下鉄マップ
▼もちろん、日本もつながっている
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