濱田の名誉毀損訴訟/ワタシが裁判長ならば
ニコ生で言いましたが,最高裁判決の争点が名誉毀損を争点としてない場合,それを知らなかったとして改めてその内容に関して提起することは可能と思いました。
そして,それを確認するために最終的に確定判決文となった東京高裁の文章を読みますと,
第1次訴訟 東京高裁-確定判決文 オリンパス社員逆転勝訴 H23.8.31判決
http://www006.upp.so-net.ne.jp/pisa/2011/pisa20110901t.pdf
このP3に,民法709条,715条,719条に基づく損害賠償請求が争点であったことが伺えます。
ちなみに,名誉毀損に関しては民法710条ですので,それと合わせて確認すると,
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民法(明治二十九年四月二十七日法律第八十九号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M29/M29HO089.html
第五章 不法行為
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
(財産以外の損害の賠償)
第七百十条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。
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この文章を読めば,709条で財産を特定できていたから,710条を加えなかったと解するのが正解ではないかと思います。
というのも,不当に低いと濱田が主張する待遇を受けるのを大勢に晒すのは,それ自体が710条違反を主張できるのは明らかだからです。
しかしその不利益は,財産に現れるものとして,709条違反として認められました。
ですから,判決文で言わなかったとしても,710条違反も包含すると解するのが妥当と思います。
710条ってあくまで709条の附則みたいな位置づけに読み取れますし。
そして,不当に低いと濱田が主張する待遇を受けたことを,会社が業務上にせよ大勢に晒すのは,それ自体が710条違反を構成したのは自明であり,仮にメールが後から出てこようとも,濱田が元から709条違反として不当に低い待遇として主張していたものの内容が,ひとつ現れたものと捉えられると思います。
そして,それに対する解決は,東京高裁の確定判決にて終了しているのですから,不当に低い待遇として改めて訴訟を提起するのは,それ自体が二重裁判と,裁判所側から思われると思います。
だって,確定判決の損害賠償を期日までに支払ってない,というのを訴えることさえ,二重裁判と言われるのですから。
そうすると,あとは裁判所は,二重裁判であることの確証を得ねばなりません。
そのために,オリンパスが現在も濱田に対してメールを基にした不当な待遇を続けているのかどうかを,確認したのだと考えたほうが自然と思います。
いやもちろん,裁判所は,濱田側に対しても,メールと現在の不当な待遇の因果関係について,あるかも知れませんので,もっと突っ込んで聞くべきと思いますが・・・・
とにかく,濱田側弁護士の言うような,
(1) オリンパス側が最高裁判決があったにもかかわらず真摯に謝らない
(2) メールを送付したことを謝らないのは最高裁判決を無視している
として,オリンパス側に対し,最高裁判決を無視するのかなどと問いただした,というのは,かなり濱田側の「あるべき論」に立脚した,恣意的な解釈と思えます。
ワタシはそのメールは,最高裁判決前のものなのですから,甘んじて受けるしかないと思います。
その上で,いくら上から仲良くしろとかどうこう言おうが,もうオリンパスの同僚らと仲良くできないのは分かっているのですから,濱田はオリンパス以外の道を目指すべきと思います。
もちろん,公益通報がキチンと実行され,公益通報をしても会社で仲良くいられる社会を作っていくのは理想です。
しかし,ワタシが裁判所から公益通報の実行責任自体を否定される判断を下されている現状,「公益通報をしても会社で仲良くいられる社会」なんてのはいつ実現できるかわからない理想論であり,自分が同じ会社に留まっていても退職するまで解決しようもない問題であることも理解していただきたいと思います。
それは,石川さんに対しても同じなのですが・・・・
日本と違って世界には,企業別ではなくて職業別に労働組合があると聞きます。
日本にも,職業別の労働組合に再編し,会社に向かって強く言えるような仕組みを作らなければ,いまの構造のままでは,企業のムラ社会からの脱却はできないと思います。
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昨日のニコ生拝見しました。ブログに「自分は人気」みたいな書き込みをなされていたので、そんなに人気なのかと思っていましたが…。
コメント全てが大西さんの批判でしたね。
人気とは違ったように思われます。それはそうと、見ていて疑問に思ったのでお聞きしたいのですが。
AKBのアイドル達が大西さんの指導でダンスや歌が上達しまている等の発言に関して、それは事実なのですか?
つい最近話題になったゴーストライター問題や、今話題の研究者の方の論文が不正だった等、事実で無い事をさも事実のようにおっしゃる方々が度々TVで取り上げられていますよね。
もし、仮に大西さんのこの発言も事実でないなら批判されて当然ではないでしょうか。頭がおかしいと言われる原因をご自分で作っている事になりますよ!
弁護士さんよりも頭がよく?法律にお詳しいようなので
事実と言う強い証拠を出して下さい。例えばアイドルの子達のブログやTV出演の際の発言、雑誌のインタビューで大西さんから指導を頂いた等。
本人達が語っているものはありますか?
もし無いならただの妄想、虚言、戯れ言ですよね。
大西さんの人間性が疑われても文句は言えませんよ。
投稿: のーヨー | 2014年4月11日 (金) 02時41分