不明徹甲弾に不具合 昨年8月に演習場で戦車から発射
(2014年 4/10)北海道大演習場島松地区(恵庭市)で昨年8月、最新鋭の10式戦車が発射した徹甲弾22発のうち1発の着弾が確認できなかった問題で、陸自北部方面総監部(札幌市)は9日、不明になった徹甲弾の部品の一部に不具合があったと発表した。
不具合が確認されたのは、弾身に取り付けられ、弾道を安定させる役割を持つ装弾筒と呼ばれる部分。
筒は着弾するまでの間に弾身から外れる仕組みで、22発分を回収して調べたところ1発に設計図通りに削られていないことが分かった。同総監部は「正しい弾道で飛ばなかった」としている。
不具合があった弾は、ドイツのメーカーで1995年以前に製造されたもの。今後、国内メーカーがライセンス生産した同型弾を使用して再発防止を図る。
陸自では、問題の原因が判明したことを受け、6月上旬に徹甲弾を使用した射撃訓練を再開する予定だ。
徹甲弾は戦車などを破壊する弾。直径12センチ、長さ57.5センチ、重さ7.3キロ。陸自開発実験団(静岡県富士駐屯地)が試験射撃をし、22発目の行方が分からなくなっていた。