いい機会だから言っておきたい事がある。
STAP細胞の件で科学的なことを扱う世界の相場や慣例を知らないマス「ゴ」ミ関係者が多く、そのことに対して違和感を抱かない「愚」民が多いことはよくわかった。
結局、偉大な発明や手間をかけた研究のことなんか見てなくて、それを作為的に見ることしか興味が無いクズがたくさんいることが僕は今回の件でよくわかった。
わからないことにでも平然とした顔で踏み込んで、知らぬことを知らないという教養がないバカが居ることがよくわかった!
僕はそのことに頭に来てる。別にSTAP細胞がなんだとか、原発の原理を知らないとかそういうことで人をバカ呼ばわりするつもりはない。僕だって知らん。
論文や学術的な世界では…なんて話は僕以外の人も多くしているから僕からは言わない。
ただ、言いたいことは「科学的な考え方/言い方を少しは身につけてくれよ」という話だ。
「結論ばかりに飛びついて、その結論や事実関係から感情的に相手を決めつけるのは、こと科学の世界ではバカのすることだ」という話だ。
- 都市伝説でこんな話があるそうです。
「大手ハンバーガーショップでは牛肉ではなく、ネズミ肉を混ぜて使ってる」という都市伝説があり、科学者の友人が激怒してたことがある。
彼が否定する前に僕なりに考えてみたのは
「そもそもネズミの肉ってウマいの?ハンバーガーショップで使えるなら一般のお店にも流通していたり、珍味として食べる国や地域の話を聞いたことあるはずだ。ハンバーガーショップで使うだけの量となれば、莫大なのだから安いからと言ってどこのネズミの骨ともわからないものを使ってることに許可なんか出るの?」
ということ。でも、そんな話を聞いたことがないので多分嘘だと思ってた。
友人の主張はもっと明確だった。
「本当にネズミの肉を使ったら、高すぎる。」
そりゃそうだ。肉を解体する人手が増え、それでいて肉になる部位も少ないのだからカネがかかってるに決まってる。「経済動物」として考えている人らしい発想だ。
そもそも、なんでこんなデタラメな話が出てきたんだろう?その謎を解き明かすために、別の事例も見てみよう。
ファーストフード・ネイションという映画の中で、学生が筋違いな「運動」を映画のラストで行うシーンがある。
ハンバーガーショップで使う大量の牛が出すフンが環境汚染を出すだとか、牛がかわいそうだとか…あれこれ会議した結果、科学的根拠に見ればなんの解決もならない行動に打って出ることになった。
それが「牛を牧場から街に解き放つために農場の柵を壊しに行く」という事。
…結果は牛が街に向かって走りだしてくれなくて失敗するのだが、牛に対して「自由になりたくないの?」「狭い牧場から出たくないの?」と話しかけるアメリカ人を見て、呆れた。
ツッコミどころ満載過ぎて、それほど詳しくない僕だって箇条書きにできるだけのツッコミができる。
1.まず、牛は狭い土地で飼えるもんじゃなく、街中なんぞに出なくても十分、放し飼いの状態になってるなら牛は快適。むしろ、街中に出る方が食べるものや道路などの関係で快適とは言いがたい。
2.「野生の牛」は中世には滅びていて、牛は野生化できない。野生化したとしても、食われるか簡単に捕獲されて簡単に死ぬ。「家畜だから不自由」じゃなくて、家畜の方がむしろ安全に生きられる(バッファローは水牛。水牛と牛は別物)
3.牛を街に放つことに成功しても、牛のフンが街中にあふれるだけなので、ほんとうに困るのは学生自身であることを彼らは気づいてない。むしろ、農場という汚物を処理・リサイクルできる場所ではなく、処理できない街中に持ってきたらそれこそ公害問題。
…鯨の保護を謳うシー・シェパードさんもクジラだけを保護して「海で生きる生物の食物連鎖を崩してる」という意味では、環境保護どころか「環境破壊」団体。
ついでに、僕がそろそろキレそうな脱原発の皆さんも含めて、みんな主張や行動の動機が同じ。
「〇〇がかわいそう」(ただし、〇〇については調べない)
「××が許せない/に騙されてる/搾取されてる/は野蛮」(××に言いがかるだけ)
脱原発の例がわかりやすい。本気で、長期的な視野・管理体制への懐疑として脱原発を訴える1割の人間を除けば動機は
「子どもが、福島がかわいそう」で「東電が許せない/自民党に騙されてる」だ。
へ?原発や放射能に対する危険/研究に対してノンタッチで感情論なのかい?
哲学っぽく言えば、なんで調べもしないのに「神様気取り」で人を批判したり、不当とも言える要求を突きつけられるの?あの人達は。
今回のSTAP細胞への手のひら返しの理由も科学的な反証をしたごく一部の連中以外は「世紀の大発見を偽装した悪女」みたいなレッテル貼りだけ。発表した時も研究の実用性や可能性ではなく、小学校時代の作文を取り出したり、美人研究員だとか全然科学関係ない話ばっかり!感情的な共感か、反感を煽るだけ。
調べた事実やデータを「演出」かけて盛ってる程度ならわからんでもないけど、そういう噛み砕いた説明さえ放棄している番組や報道姿勢だったじゃないか!
感情的な動機で無茶苦茶な行動、言いがかりを付ける前にそれがどの程度事実なのか、相手が何を考えてそんな不愉快だと感じることをしてるのか?については調べないまま。
ネズミの肉がどうしたと言った人も同じこと。本当にネズミの肉を使ってるか検証する気もないし、見つけたわけでもなく単に「マクド許すまじ」「バーガーキングくたばれ」って言いたいだけじゃないのかい?
そういうルサンチマンでしか物が言えない人、頭に血が上って議論ができないバカ/上った振りをして言いたいことだけ言い放つ姑息なヤツが一番有害だよ。
しかも、その手の人が語る「正義/正論」とやらが社会を覆ってしまった日にはその先にあるものは「愚」だけ。
事実関係や相手の言い分/考え方を知る前から、「あいつは不愉快だ」「あいつは最高だ」と言ってる人に科学なんか語る資格はない。まして、その科学を通じて成し遂げられる政策や経済の話なんかもってのほかだ。
そんなバカを世の中にのさばらせたら、自分まで損を被りかねない。バカがバカゆえに損するのは一向に構わないが、巻き添えを食らうなんてとんでもない話だ!
だから、言いたいのですよ!
「事実関係を検証したり、相手の言い分/自分の知らない世界の相場を聞いて、問題点をはっきりさせてから文句は言いましょう」と。それからだって文句は言えるし、筋違いのことを言われるよりも的確で辛辣なツッコミの方が相手はずっと滅入るのだから!
論文なんぞ読まなくてもいいから、せめてマンガやドラマでもいいから「自分が普段見かけない/全然違う考えで生きてる人のことを気にかけて欲しい。」と感じる次第だ。