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【社会】

スクール水着も「かわいく」「個性的に」 女子中学生のアイデア 墨田区のメーカーが新商品

藤田アレンさん(左)、山脇真奈さんが企画した水着=1日、東京都墨田区のフットマークで

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 「ダサい」「体のラインが出て嫌」。紺色無地が定番のスクール水着のイメージを変えようと、静岡市の二人の女子中学生と東京都墨田区の水泳用品メーカー「フットマーク」がタッグを組み、新商品を開発した。きっかけは体験学習の企業見学。二人のものづくりへの興味が、リボン柄や蛍光カラーをあしらった「着たら気分も楽しくなる水着」を生み出した。 (奥野斐)

 静岡大教育学部付属静岡中三年の藤田アレンさん、山脇真奈さん=ともに(14)=が同社を訪れたのは昨年二月。藤田さんは家族でトライアスロンに励み、競泳歴十年以上。「水着はどんなふうにできるのだろう」と、見学できる企業をインターネットで探した。フットマークの社名は知らなかったが、愛用の外国製の競泳水着は偶然にも同社が販売していた。

 案内したのは三瓶芳(さんべかおる)社長(56)。「熱心に質問し、自分の意見も持っている。彼女たちと水着を作ってみたいと思った」。二人のものづくりへの興味や姿勢に感心し、後日、学校を通じて水着開発への協力を打診した。二人は昨年五月から月二回ほど静岡と東京を行き来し、企画やマーケティング、着用試験などに取り組んだ。

 学校でアンケートも実施。特に女子から「着にくい、脱ぎにくい」「体のラインがはっきり分かる」などの不満や「かわいい水着がほしい」との要望が聞かれた。三瓶社長は「正直、中学生がこんなに体形を気にしているなんて考えもしなかった」と話す。

 二人はそれぞれ一点ずつ企画した。山脇さんは全体にリボンとドット柄をあしらい、お腹周りが目立たないよう、しわが寄る加工に。セパレート型の上着はすそを長めにし、めくれたり、座ったときに肌が見えたりしない。「学校で使うので派手にはできないが、よく見たら女の子らしくかわいいのが理想」

 藤田さんは肩ひもをオレンジや黄色の蛍光カラーにした。胸元にはゴールドのアルファベットをプリントできる。「イニシャルで個性を」とのこだわりだ。

 予算の都合でアンケートの声を反映できない部分もあったが、色違いを含め、計四種類が完成。三瓶社長は「中学生の声が詰まった、驚くほどいい商品」と胸を張る。

 一日に同社で開かれた発表会で、山脇さんは「水着の企画の締め切りとテストが重なった時はきつかった」と振り返った。思いを形にするものづくりの大変さを実感し、「学生がどれだけ幸せか分かった」と会場の笑いを誘った。同社はこれを機に、二人に続いて水着開発に取り組む中学生の募集を決めた。

 二人が企画した水着は十四日から、同社のネットショップで販売される。価格は一着四千九百六十八円。

 

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