聖母・聖美物語 #08【遠のく幸せ…流産の危機】 2014.04.10

(聖美)流産?私の赤ちゃんが…。
(弘明)いや。
まだはっきりそうと決まったわけじゃ。
様子を見ましょう。
もう1週。
(弘明)そのとき赤ちゃんの心音がちゃんと確認できれば。
(聖美)いるんですね?赤ちゃん。
おなかの中にちゃんといるんですね?弘明さん!
(弘明)黙っていてくださいこのことは。
確実な結果が出るまであなた一人の胸に。
騒ぎになって精神面で母体に影響が出る可能性だってある。
いいですね?君たちも絶対に口外しないこと。
(弘明)院内院外問わず。
もちろん院長にもだ。
(陽子)はい。
(敏江)はい。
赤ちゃん。
私の赤ちゃん。
生きていて。
お願いだから生きていて。
(波津子)聖美さん。
聖美さん。
(波津子)何ぼうっとしてるんですか?お食事中に。
すいません。
(波津子)このあえ物あなたのためにこしらえたのよ。
(波津子)食物繊維と葉酸がたっぷり。
妊婦さんにはぴったりなんだから。
あっ。
頂きます。
(波津子)あなたもしかしてつわりが始まったんじゃない?えっ?
(繁郎)つわり?
(波津子)そうなんでしょ?あっ。
いえ。
あのう。
お料理してるときから様子がおかしいと思ってたのよ。
いや。
つらいのよねぇご飯が炊けるにおいとか。
いや。
私もねつわりがひどくて。
(波津子)まあでもご飯炊かないわけにはいかないしそのたんびに吐きそうになっちゃってホントにつらかったわ。
(繁郎)困りますね白いご飯が駄目なんて。
おなかにいるあなたのために必死で我慢したのよ。
分からないのよね男にこういう感覚は。
お父さんもその筋の専門家のくせに女房のつわりなんかまるっきり人ごとみたいな顔してたわ。
大丈夫。
私が付いてますからね。
気分の悪いときは遠慮せずにすぐおっしゃい。
さてとつわりと分かったらお料理考えなくちゃ。
ああ。
いいのよいいの。
こういうことは経験者に任しておきなさい。
ホントにつわりだったらどんなに苦しくても我慢する。
ホントにつわりがきてくれたら…。
《いるんですね?赤ちゃん》《おなかの中にちゃんといるんですね?》ママのおなかにいるんならママを苦しめてよ。
吐き気でのたうち回らせてよ。
(愛美)《死んでも消えないお母さんの恨み》《よっぽど根が深いんだろうな》聖美?この…。
こんなものがあるから。
な…どうした?何があったんだよ?お母さんが邪魔しようとするのよ私の幸せを。
私を憎みながら死んでいったあの人が。
落ち着きなさい。
嫌!もう嫌なのお母さんに縛られるのは。
邪魔なんかするわけないだろ母親がわが子の幸せを。
聖美の思い過ごしだよ。
ほら。
あれだ。
つわりが始まって気持ちが不安定になって。
なっ。
赤ちゃん駄目かもしれない。
赤ちゃん育ってないって弘明さんが。
もう駄目。
もう無理。
私一人じゃ受け止めきれない。
(波津子)これでいいわ。
どうすんの?それ。
うん?早起きして飾りつけたの。
いよいよだなって感じがするじゃないこんなふうに飾っとけば。
まあ何はともあれつわりには酸っぱいものがいいと思って。
人によるんじゃない?そういう好みってさ。
私はそうだったから。
グレープフルーツにトマトでしょ。
酢の物に梅干し。
カフェインはよくないそうだからコーヒー紅茶は控えめにね。
あのね母さん。
今からあんまり期待し過ぎる…。
あっ。
おはよう。
ちょっといいかな?聖美のことなんだけど。
悪いけど今時間がないんだ。
後でまた。
(陽子)9時半からエコーね。
(看護師たち)はい。
(陽子)それでは本日もよろしくお願いいたします。
(看護師たち)お願いします。
(瑞穂)あっそこ。
ちょっと待って。
(瑞穂)弘明先生のカルテに不備があるようなんだけど。
昨日若奥さまの予約が入ってたわよね?何で記録がないのかしら?
(陽子)予約変更になったのよね?
(敏江)そうそう。
確かそうおっしゃってました。
(瑞穂)だったらいいわ。
焦った。
(敏江)先生も往生際悪いよね。
来週になれば結果出ちゃうのに。
最後の奇跡に懸けてんでしょ。
まああの分じゃ厳しいと思うんだけど…。
(瑞穂)その話詳しく聞かせていただきます。
はい。
お薬じゃあいつもどおり出しておきます。
帰り道気を付けて。
(女性)ありがとうございました。
はい。
お大事に。
えーと次は。
(看護師)次の方どうぞ。
(弘明)ハァー。
駄目かやっぱり。

(ドアの開く音)時間外だぞ。
ノックぐらいしてくれ…。
何が駄目なんですか?
(波津子)聖美さんのおなかの写真ね。
隠す必要もない。
どうせ見たって分からないわ。
赤ちゃんがいるならともかく何も写ってない写真なんか。
流れたんでしょ?おなかの子。
どうして…。
探らせたんですね?また婦長に。
どうしてこそこそ監視するんです。
あなたがごまかそうとするからでしょう?看護婦たちにかん口令まで敷いて。
すっかりだまされて調子に乗って浮き浮きと。
私をぬか喜びさせてがっかりするのを面白がるつもりだったんでしょ?
(弘明)ああ。
違う。
(波津子)分かってたんでしょ?聖美さんには無理だって。
不妊治療なんかしたって無駄。
どうせ産めっこないんだって。
(弘明)違う。
それは違います。
なのに人に頭を下げさせて。
このげす。
あなたは昔っからそうだった。
繁郎をやっかんで何かっていうと足引っ張って。
人のいい繁郎を利用して最後には何もかも繁郎に背負わせて後ろで舌出して。
(繁郎)《痛そう》
(弘明)《痛っ》・
(波津子)《弘明!あんた上級生を殴ったんですって?》《また親御さんに謝りに行かなきゃいけないじゃない》《あんたいったい何度私に恥をかかせれば気が済むの!》
(繁郎)《ひろ君を叱らないで》
(繁郎)《ひろ君は悪くない》《かばうことはないのよ繁郎は》《こういう子はね優しくすればするほどつけ上がるんだから!》
(波津子)生まれつき根性が曲がってんのよ。
生まれもしない赤ちゃんを生まれる生まれるって大嘘ついて。
私は医者です。
本気で命と取り組んでるんです。
まして兄さんと姉さんの子だ。
言ったでしょ?自分も父親のつもりになって受胎させたって。
偉そうなことを言うのは結果を見せてからにしてちょうだい。
まだ希望は捨てていない。
信じてるんです。
信じたいんです。
赤ん坊は無事だって私自身が。
だったらすぐに調べてちょうだいもう一度。
そう。
追っ付け瑞穂さんがここへ連れてくるわ聖美さんを。
(弘明)いや。
しかし昨日の今日じゃ…。
四の五の言わずにとにかく調べて。
私がこの目で見てる前で。
嘘もはったりも全部剥ぎ取って。
(弘明)何を言っても分かっちゃもらえないようですね。
俺はあなたをがっかりさせたいなんてこれっぽっちも思っちゃいない。
むしろ喜んでもらいたいんだ。
だからすぐに結論づけるのをためらった。
失望はさせたくなかったんです。
赤ん坊のことを姉さんの妊娠を心の底から喜んでるあなたを。
だから俺も何とか奇跡を信じたい…。
要するに留飲を下げたいってことね私に屈辱を味わわせて。
屈辱?おなかの子がちゃんと育てば私がまた大喜びしてあなたに頭を下げる。
それが狙いなんでしょ?誰が乗るもんかそんな姑息な計算に。
今後どんなことがあったって二度とあなたに頭を下げることはない。
覚えとくがいい。

(ノック)
(瑞穂)失礼します。
若奥さまをお連れしました。
院長先生もご一緒です。
(波津子)繁郎が?さっき出血があったそうです。
茶番は終わったようね。
早期流産による出血だね。
胎のうは見えていたんだから。
(弘明)いわゆる稽留流産。
着床しても胎のうの中で胎児がそれ以上育たない。
やっぱり私に原因が?
(弘明)いや。
この時期の流産は受精卵に問題があることがほとんどです。
たぶん染色体に異常があったんでしょう。
その受精卵をつくったのは誰?あなたが失敗したからでしょう。
あんな大見え切っときながら!やめてください。
弘明だって一生懸命…。
申し訳ありませんでした。
赤ちゃんを守ってあげられなくて。
本当に申し訳ありませんでした。
(波津子)申し訳ないってあなたそれで済むと思ってんの?あなたが守れなかったのはただの命じゃない。
柳沢家の跡取りになる大事な命なのよ。
分かってない。
みんな何にも分かってない。
母さん。
気持ちは分かるけど今一番傷ついてるのは聖美なんだから。
(波津子)あなたの責任よ繁郎。
本はっていえばあなたがこんな役立たずをうちの嫁にするから。
私だって耐えてきた。
のめないものを無理してのみ込んで自分を押し殺して。
繁郎のためにいい姑にならなきゃいけないって。
何で。
何で私がこんな…。
こんな目に。
(瑞穂)奥さま。
弘明…。

(瑞穂)本当によろしいんですか?
(波津子)全部燃やして何もかも!許せない聖美さんも繁郎も。
それに…。
《俺はあなたをがっかりさせたいなんてこれっぽっちも思っちゃいない。
むしろ喜んでもらいたいんだ》何て空々しいことを!瑞穂さん。
弘明にどっか遠くの病院へ島流しにできないかしら?もう我慢できないのよ。
あんな人にうちの病院で大きな顔をさせとくのが。
(瑞穂)それは無理です。
大奥さま。
院長先生がお許しにならないと思います。
弘明先生を信頼されていらっしゃいますから。
えっ?信頼?それ以上に仲のいいご兄弟なんです。
繁郎坊ちゃまと弘明さまはお小さいころからずっと。
大丈夫?今日は疲れたろう?私なれないのかな?ママに。
お母さんが言うみたいに一生子供が産めない女なのかな?そんなこと…。
私諦めたくない。
諦めなくていいんだよね?ねえ?体が落ち着いたらまたすぐに次の体外受精を。
すぐにはちょっと。
少し休まないか?またあらためてトライするにせよしないにせよ。
諦めるつもりなの?繁郎さん。
これっきりやめちゃうつもりなの?疲れたんだ。
正直言って。
どうして?まだたった2回じゃない。
聖美こそどうしてそんなに前向きになれるんだ?こんなにつらい思いをしてそのたびにぼろぼろになって。
人の手で命をつくりだしてその命が日の目を見ずに壊れていく。
それがしんどいんだよ僕は。
私だってしんどいよ。
悲しいよ。
でもそんなこと言ってたら前に進めない。
分かんないだろ聖美には。
病院の個室でこそこそ射精してナースに渡す男の気持ち。
あれをまたやるのかと思うと。
男はそれだけで済むじゃない。
それに比べたら女がどんなに大変か。
夫でもない人に体を明け渡して赤ちゃんのために体の全てを捧げ尽くして。
それでもやりたいって女の私が言ってるの。
逃げられないわよ繁郎さん。
あなたが言ったんだから。
私は母親になるために生まれてきた女だって。
そうよ。
あなたが言ったのよ。
私は聖母。
聖母になるの。

(峻)伯母ちゃん。
あら。
峻君。
あれ?それ幼稚園のお洋服?
(峻)うん。
カッコイイ。
よく似合ってるわ。
(愛美)お久しぶり。
役所が助成金出してくれんのありがたいんだけどさ手続きやら何やらめんどくさくてさ。
ほら。
帽子。
よかったわね峻君。
(愛美)いいの?この寒いのに庭仕事なんかして。
安定期にはまだ早いんじゃない?
(峻)僕おばあちゃんに見せてくる。
(愛美)角が生えてたらすぐ逃げてくんだよ。
(峻)うん。
平気。
(愛美)どうしたの?浮かない顔して。
まだ成仏してないみたいお母さん。
ここだけ季節外れのスズランがびっしり咲いていてその真ん中にお母さんが座ってる。
何それ?大丈夫?流産したの。
呪ってんのよお母さんがあの世で。
追っても追っても私を幸せから遠ざけようと。
ざまあ見ろって思ってんでしょあんただって。
世の中そうそう思うようにはいかないっておなかの中でせせら笑ってんでしょ?残念だったね。
あんなに望んでた赤ちゃん苦労してやっと授かったのに。
駄目だったものはしょうがない。
ものは考えようでさ子供がいなくたって幸せになる道はいくらでも…。
全てなの!今の私には赤ちゃんが全てなの。
なのにお母さんが邪魔する。
ツタみたいにするすると伸びてきたスズランが私の手足をからめ捕って引っ張って。
こんなもの!こんなものいくら植えたってあの人の呪いは解けやしない!やめなよ!やめなって!あなたいつからお母さんと会ってたの?私への不満どれだけあなたにぶつけたの?あることないことでっち上げてどれだけ私をおとしめたの?大した話は聞いてないよ。
ただ金持ちの繁郎さんと出会って結婚まで決まってた星川先生からあっさり乗り換えたってことぐらいで。
娘さんも懐いてすっかりその気になってたっていうから残酷なことするなって。
(愛美)気にしてたよ旦那もその辺のこと。
繁郎さんが?一応知らん顔しといたけどね。
星川先生と結婚するなんて一言も言ってない。
私の知らないところでお母さんが勝手に話を進めてただけよ。
そうなの?お母さん。
自分こそ先生のこと好きなんじゃないかっていうぐらい夢中になってた。
「一生面倒見てもらうんだ」「優しくしてもらうんだ」って妄想みたいに。
でもお嬢ちゃんや先生の気持ちは?先生のことが嫌いだったわけじゃない。
結花ちゃんのことだって本気でカワイイと思ってた。
でもお母さんの言いなりになってたら絶対に幸せになれない。
それが分かってたから決めたのよ。
逃げようって。
先生からもお母さんからも逃げようって。
そのために必要だったんだよね快適な逃げ場が。
だから仕組んだの?繁郎さんの気持ちを自分に向けさせるためにあれこれとわな仕掛けて。
そうなんでしょ?2014/04/10(木) 13:30〜14:00
関西テレビ1
聖母・聖美物語 #08[字][デ]【遠のく幸せ…流産の危機】

聖美(東風万智子)は、妹・愛美(三輪ひとみ)の息子の面倒を見ることを姑に認められ、繁郎(原田龍二)と本当の家族のように過ごす。さらに、待望の妊娠が判明するが…。

詳細情報
番組内容
 聖美(東風万智子)は、弘明(金子昇)から流産の危険があると聞かされ、激しく動揺する。しかし、まだそうと決まったわけでないと弘明に言われ、わずかでも望みがあるならそれを信じたい聖美だが…。
 聖美が妊娠して以来、機嫌の良い波津子(丘みつ子)は気分が晴れない聖美を見て、つわりが始まったのだと早合点する。
番組内容2
声を弾ませ喜ぶ姑を見て、一層落ち込む聖美はついに繁郎(原田龍二)に体の状況を涙ながらに打ち明けるのだった。
 聖美や繁郎だけでなく、弘明も波津子には現状を知られたくないと願うが、聖美たちが何か隠していることに婦長の瑞穂(魏涼子)が気づく。さらに真相を知った瑞穂は、波津子に告げ口してしまう。
出演者
柳沢聖美:東風万智子
森尾愛美:三輪ひとみ
柳沢繁郎:原田龍二
柳沢弘明:金子昇
柳沢波津子:丘みつ子
星川真輔:風間トオル ほか
スタッフ
企画:横田誠(東海テレビ)
原作・脚本:いずみ玲演
演出:藤木靖之
プロデュース:西本淳一(東海テレビ)
中頭千廣(TSP)
神戸將光(TSP)
齋藤頼照(TSP)
音楽:辻陽
主題歌:「炎の花」ハルカ ハミングバード(ユニバーサル ミュージック)
制作著作:TSP
制作:東海テレビ
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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