生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
10時5分になりました。
きょうのテーマは女性の活躍と103万円と130万円の壁についてです。
政府はこの2つの壁が女性の活躍を阻んでいるとして制度の見直しに向けた検討を始めることになりました。
担当は飯野奈津子解説委員です。
まず103万円と130万円の壁どういうことでしょうか。
飯野⇒103万円と130万円というのは、パートで働く主婦の年収なんです。
この2つの壁が女性が働きたいという意欲をそぐと指摘されています。
どういうことかといいますと、年収が103万円を超えたり130万円以上になったりしますと世帯として受け取る手取り額が減ってしまうことがあります。
働いても手取り額が減ってしまうんだったら壁の範囲内で働くのをとどめておくという人たちが出てきているんです。
年末が近づくと、ことしはあと何時間働けるいくらまでに抑えておかなければいけないという話を耳にします。
少子高齢化で働き手の数がどんどん減っていきます。
そうした女性たちの力を借りなければ、日本の経済は回っていかないという危機感も広がっています。
ですから働く意欲のある女性たちが壁を気にせずに働けるように壁に関わる制度の見直しについて政府内で検討を始めようということになったんです。
具体的に見直されるのはどんな制度なんですか?税制と社会保障制度に関わるものです。
こうした制度は専業主婦世帯が多かった時代に作られたものです。
妻の内助の功を評価して妻があまり働かないときに家計を支援していこう。
働かなくても安心ですよという制度なんですけれどもそれが逆に働くと損になると今なっています。
具体的にどういう制度が見直しのポイントになっているのかといいますと1つは103万円の壁に関わる配偶者控除の見直しです。
配偶者控除は妻の年収が103万円以下のとき夫の税金を安くしてあげましょうというものです。
これを縮小、廃止できないかということです。
手助けしている部分を抑えていくということです。
もう1つ、130万円の壁に関わる社会保障に関わるものです。
年金や医療保険の保険料を払う年収の基準の引き下げで妻の年収が130万円未満のとき妻は夫の扶養家族になるので、自分で保険料を払わなくていい仕組みになっています。
その130万円の基準を引き下げられないかこれも厳しめの話です。
妻があまり働かないと助けになる制度ということは働くと助けがなくなるということですね。
それがどういうことなのか。
夫がサラリーマンで妻がパートで働く世帯の場合で見てみます。
103万円の壁と130万円の壁世帯としての手取り額がどう影響するのかを表したものです。
妻が働いて年収が103万円になったところで手取り額が下がっています。
どうしてなのか。
これは夫が働く企業から支給される配偶者手当がなくなるからなんです。
企業の6割から8割ぐらいが手当を支給しています。
妻の年収が103万円になるかどうかで支給するかどうかの基準にしているところが少なくないんです。
先ほどの税制や社会保障制度とは直接関係はないんですよね。
直接関係ないんですが、税制の103万円の影響で、妻の年収をここで定めています。
妻が103万円の壁を乗り越えて働いて、130万円のところで下がっています。
これはどうしてなのか。
先ほどの社会保障のところなんですけれども130万円よりも年収が少ない場合は、夫の扶養家族になって年金や医療保険の保険料を払わなくて済みますが、超えると自分で保険料を払わなくてはいけなくなるので手取り額が減ってしまうということです。
それからラインの傾斜を見てください。
緩やかになっていますね。
受け取る収入が減るということです。
103万円。
妻の年収が103万円になったところで妻に所得税がかかります。
税制の配偶者控除もなくなる影響です。
配偶者手当のときのように受け取る額が少なくなるわけではないんですが、減っていく影響があるということです。
手取り額に影響があるから、影響の出ない範囲で働こうということですね。
配偶者控除特に働く影響が出るのではなくほかの観点からも問題だという指摘があります。
経済的に裕福な人たちに有利ではないかという意見なんです。
給与別に配偶者控除を受けている人たちの割合です。
収入が低い人は、あまり受けていないんですが高い人はたくさん受けています。
年収が低い人たちは、若くて結婚していない人もいるかもしれませんが共働きでも経済的に苦しいと、壁の話なんか言っていられない、働かざるをえないということで控除を受けない人も結構いると思います。
税制というのは所得の高い人たちからたくさん払ってもらって所得格差を是正するというねらいもあるんですが、配偶者控除に限ると、所得格差を広げているという批判もあります。
配偶者控除も含めて制度の見直しというのは、今後進んでいくんでしょうか。
先ほど2つのポイントを挙げました。
実は10年以上前から見直しが必要だという意見もあったんですが、なかなか進んでこなかったので、今回も簡単にはいかないだろうと思います。
どうしてかといいますと専業主婦世帯が多かった時代にできたものです。
今は共働きのほうが多くなっていますが、こうした制度の対象は数多くいます。
配偶者控除のほうは1400万人、保険料を払わなくていい人は960万人います。
制度の見直しとなると、こういう人たちに税金を新たに払ってもらう保険を払ってもらうということで負担増につながります。
政府内にも負担増への懸念があります。
妻の内助の功を正しく評価するべきだという意見も根強くあります。
女性の活躍を阻む壁を取り除くというと聞こえはいいですが、結局は負担増ですから簡単には納得してもらえないと思います。
なかなか悩ましいですね。
どういうふうに考えていけばいいですか。
これから働き手の数が減ります。
社会保障制度の支え手も減りますと、女性の働く意欲をそぐようなことをしないような制度が必要になります。
103万円と130万円の壁の範囲内で働いている人たちは、子育てや介護を理由に働きたくても働けない人たちもいます。
そういう人たちへの配慮が必要となると思います。
この制度の見直しによって新たな財源が捻出されますのでその財源もそういう人たちに使うなど納得、できる財源の使い道をあわせて考えていく必要があります。
しかも税制などの制度を見直すだけでそれで女性が活躍できるかというと、なかなか環境が整っていなかったりする現実がありますね。
やっぱり安心して働ける環境作りということが何よりも大事だと思います。
具体的には保育や介護のサービス。
まだ十分ではありません。
これを充実させることも大切です。
働くときの長時間労働、女性にとっては厳しいものです。
これを見直すことです。
パートの人たちでも意欲のある人は、正社員になれるというような柔軟な働き方これをもっともっと広げておくことも必要です。
もう1つ、男性です。
男性も仕事と家庭、両立できるようにということで男性だけではなく企業全体です。
社会全体の意識改革も重要になってきます。
こうしたことができないまま負担だけ求めるというのではなかなか納得は得られないんだろうと思います。
女性の活躍が日本の将来にとって大事だというのならばこうした働きやすい制度、環境作りということもあわせて考えていってほしいなと思います。
飯野奈津子解説委員でした。
次回のテーマです。
日本の漫画アニメが新たな世界へ。
その名も2.5次元ミュージカル。
担当は中谷日出解説委員です。
ぜひ、ご覧ください。
2014/04/10(木) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「女性の活躍と103万円、130万円の壁」[字]
NHK解説委員…飯野奈津子,【司会】岩渕梢
詳細情報
出演者
【出演】NHK解説委員…飯野奈津子,【司会】岩渕梢
ジャンル :
ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:10081(0×2761)