(縁)《エミリ》
(縁)《はい》
(エミリ)《あっ…》《ありがとう》
(縁)《返事は今度》
(エミリ)《返事?えっちょっと縁》《あの返事って何の?》《あの…》《花言葉》《花言葉?》《スターチスは「永遠に誓う」アネモネは…》《愛することを永遠に誓う》《それってプロポーズ?》《はい》《アハハハハ…》《はっ?笑うとこ?》《「愛する」の花言葉は赤いアネモネ》《紫は意味が違うよ》《そうなの?》《縁肝心なとこ抜けてる》《じゃ紫のアネモネは?花言葉》《エミリ》《エミリ》《エミリ!》《あ〜!》・
(エレベーターの到着音)
(澄夫)あっ降ります。
すいません。
(桜子)ちょっと待ちなさいよ。
この人痴漢です!はっ?
(桜子)触ってましたよね私のお尻。
(女性)警備員さんこっち。
(警備員)ちょっちょっとすいません。
(澄夫)何かの間違いです。
俺はやってない!開き直らないでください。
見たんです私。
この人やってました。
あんた何言って…。
(警備員)はいはい警備室で聞きます。
行きましょう。
(澄夫)違うんですって!
(警備員)静かにしなさい。
(澄夫)ちょっと俺じゃないんですって。
あんた!
(警備員)静かにしなさい。
(澄夫)俺じゃないって。
ホントにやってないです。
本当にやってないなら証明しましょうか?えっ?流田縁と申します。
「科捜研」警察?いや警察では相手をしてくれないような痴漢の冤罪なんてとってもいい例です。
そういった事件を扱ってる民間の科捜研です。
私そこの営業マン。
(澄夫)えっ?えっ?えっ…?今回お初ですからねもちろん勉強します。
限界ぎりぎり価格破壊3割引き。
一十百…そんなに!?えっ高い?ちょっと考えましょうよ。
例えば痴漢裁判。
うん。
(澄夫)あっ。
世間が浴びせる家族への冷たい視線。
私がお売りするのは決定的な証拠です。
あなたが本当にやっていないなら必ず見つけます。
分かりました。
よし。
はいというわけでさっさとスカート脱いで。
えっ?悪かったなくるみ。
(くるみ)上ハラミ3人前。
1皿2,000円だぞ。
回転寿司。
1皿100円!ケチ!はい。
あっ縁の助手です。
大丈夫かよ。
それじゃ始めますか。
革か。
近い。
証拠をでっち上げられたら困るんで。
でっち上げねえ。
どうやって見破るの?顔見てれば分かります。
嘘見破るの得意なんで。
へえ怖い。
特別なドーナツ。
穴からのぞけば指紋が見える。
バカバカしい。
嘘だと思うなら見てみな。
この世界をつくってるのが自分が信じてるものだけじゃないってのが分かる。
嘘!えっ?薬品の反応が出ただけ。
(桜子)だましたの?今のは実験。
面白いことが証明された。
人は概して自分のことを分かってない。
(シャッター音)下下もうちょい。
OK。
(シャッター音)2つの指紋は不一致です。
じゃ…。
鹿戸さんは無実。
冤罪は避けられました。
あっあっよかった。
(桜子)あ〜あのあの私ホントに失礼なこと…。
(女性)何?それ。
そんなのでっち上げよ。
あっあの1つ大切なことを言い忘れました。
犯人の指紋には不思議な特徴があったんです。
見てのとおり親指の指紋だけが潰れてしまっています。
これは携帯メールつぶやきのし過ぎで親指がすり減ってしまっていると考えられます。
携帯に依存してる最近の人に多い傾向ですね。
例えばあなたのような。
冗談やめてよ。
何の言い掛かりよ。
潔白だっていうならあなたの指紋も照合しましょうよ。
スモーキング・ガン決定的証拠です。
そうよ私よ。
(女性)仕事でいらついてて。
だから困らせてやろうって。
あの俺の依頼人は?
(警備員)ああ彼なら「大切なプレゼンがある」って行きましたけど。
ちょっと話聞いてよ!私ホントにつらい目に遭ってて…。
ちょっと報酬は!?ちょっ…冗談じゃないよ!
(女性)お願いよ。
(桜子)ちょっ…。
スモーキング・ガンとは銃から硝煙が立ち上るさままさに発砲の瞬間を表すことから科学捜査においては事件を解決に導く決定的証拠を意味する
(真紀)あんたバカ?どんだけバカなのよ。
27万よ27!ハァ。
27万の鑑定料どぶに捨てたようなものよ!どういうことなのよ逃げられるって。
あり得ないあり得ないわ。
もういいかげん分かろうよ。
俺には営業は無理。
向いてないの。
ていうかだいたいさ何で俺だけ外回りなの?不公平でしょ。
(真紀)あの仏頂面じゃ客が逃げるわ。
若くて愛想がいいのがいるでしょ。
おい。
(真紀)屈託がなさ過ぎてうさんくさい。
縁自信持ちなさい。
あんたが一番向いてる。
何が?もじゃもじゃがファンキー。
もういい。
とにかく今日の27万は忘れよ。
(真紀)はあ?泣き寝入りなんて冗談じゃないわよ。
小宮山縁のバカに特徴聞いて消えた依頼人の似顔絵すぐ作成して。
・
(ハト時計の時報)
(小宮山)定時なので帰ります。
家族が待っています。
却下。
家族って何?サボテンでしょ。
田坂さん田坂さん似顔絵ができたらデパート周辺の聞き込み。
元刑事の腕前期待してる。
(田坂)あっ…。
断る!私の専門はDNA鑑定だ。
却下。
(田坂)んっ。
技官になったのいつ?つい最近でしょ。
よっど新人。
(松井)あの僕も何か手伝います。
却下。
あんたはおうちに帰りなさい。
7人の弟と妹が待ってるんでしょ。
あなたの作るあったかいお夕飯。
はい。
いやでも僕だけ帰るのは…。
(小宮山)差別です。
サボテンだって立派な家族です。
お世話になっております。
あの営業トークおんなじ人間か?
(真紀)あっぜひ伺わせていただきます。
はいでは。
縁喜びなさい。
麻布の三つ星フレンチよ。
えっ?ここが三つ星…。
(柴崎)夜の三つ星です。
ハハハ…。
ハァ〜やけ酒に変更です。
縁君僕はなぜ真紀さんに振られ続けるんだろう?よく分かんないもうホント。
分かんないのは先生。
うちの所長のどこがいいの?女には困んないでしょやり手の弁護士なんだから。
美貌に秘められた腹黒さ。
それが最高なんで〜す。
(店員)キャッ!
(女性)キャッ!好きな女の話しながら…!すいません。
他の女のケツ触んな!
(柴崎)バニーちゃん冤罪だよ。
犯人は僕だ。
ハッハハ。
(店員)えっ?あっ…すいませんでした!嘘。
えっえっ?何?知り合い?知り合い?ねえこの子今日2件目の冤罪です。
えっ?ホントにすいませんでした。
でも信じられない。
実は私もう一度会いたかったんです。
はい?
(桜子)この火事を調べ直してほしいんです。
(真紀)「1月24日西東京市の鉄工所で火災が起き経営者石巻雅夫さんが亡くなった」石巻雅夫は私の父です。
この火事何か怪しいことでも?いえ警察にも事件性はないと。
それならどうして?保険会社に「自殺だろう」って言われたんです。
当然保険金も下りませんでした。
以前から父の工場は借金まみれでした。
その上火事が起きた日銀行の融資も正式に断られたんです。
それが動機として判断されたのか。
でも母は信じているんです。
父が自殺するはずないって。
警察に頼んで調べ直してもらえないの?事件性がない場合警察は捜査しない。
それを民事不介入っていうんだよ。
常識だ。
覚えとけ。
何教えてるんですか子供相手に。
売ってくれるんですよね?決定的証拠。
母のために事故だっていう証拠見つけていただけませんか?あなた真実を知る覚悟はある?えっ?
(真紀)鑑定はもろ刃の剣よ。
望む結果が得られるとは限らない。
たとえ残酷な真実でも受け止められる?はい。
(真紀)分かったわ。
引き受ける。
ありがとうございます。
でも何で?縁を見て依頼しようなんて。
取りえはもじゃもじゃだけ。
愛想も良くないしとっつきにくい。
そんなやつに営業させんな。
(桜子)だから信用できると思って。
(真紀)えっ?愛想が良くてとっつきやすい人私嫌いなんです。
(春恵)桜子来てたの?
(桜子)うん。
バイトの前に寄っただけ。
(春恵)あんまり無理しないで。
私の心配なんかいいの。
今まで大変だったのお母さんでしょ。
今はゆ〜っくり休むこと。
そうだ。
お父さんの保険金何とかなりそうだよ。
もういいのにそんなこと。
(桜子)駄目だよ。
桜子…。
(桜子)私に任せて。
保険金必ずもらうから。
(大川)弁護士の大川正義です。
「正義」と書いてマサヨシと申します。
御影損保の代理人を務めさせていただいております。
どうかお見知りおきを。
(山路)渉外担当山路と申します。
あの覚えていらっしゃいませんか?私石巻桜子です。
母と一緒に何度かお会いしたこともあるんです。
(大川)失礼。
毎日平均33人の依頼人に会います。
正直全ては覚えていられない。
がしかし所長のような美しい方は例外です。
忘れられる気がしない。
(くしゃみ)
(真紀)失礼。
アレルギーが出るんです。
うさんくさい男に。
(山路)それで今日は?
(真紀)3カ月前の石巻雅夫さんの火災事故調べ直すことになりました。
つきましては調査報告書を拝見させていただけますか?
(山路)弊社は公正な調査を行いましたが。
自殺の根拠は3点です。
まずお父さまご自身が倉庫に鍵を掛けたこと。
次に出火原因となったベンジンをご自身で用意したこと。
最後にご遺体の様子から逃げる意思はなかったと考えられること。
状況的にみれば確かに自殺の可能性は否めない。
でも断定できるまでには至ってませんよね?
(大川)おっしゃるとおりです。
しかし少しでも自殺の可能性があるかぎり保険金は支払うことはできません。
保険は慈善事業ではありません。
ビジネスなんです。
(山路)では調査報告書は早急に送らせていただきます。
これもし事故だって証明できたら?
(大川)それは自殺の可能性を完全に否定することです。
火災からすでにもう3カ月もたってるんですよ。
いまさら覆すのは難しいと思いますが。
だからそれを証明したらって聞いてんだよ。
もちろん保険金をお支払いしますよ。
その言葉忘れないでください。
(桜子)ここです。
ここが父の工場です。
(桜子)廃材の処分は実費で負担しないといけないらしくて。
(桜子)何なんですかね銀行って。
工場はさっさと差し押さえたのにこういうことはこっちに丸投げです。
おかげで宝の山だ。
御影損保の調査報告書によると石巻雅夫が自分で鍵を掛けたと思われる根拠は消防隊の証言だ
消防隊員の話では倉庫は密室で放火の疑いはなかったという
現場にベンジンの瓶が転がっていたことから出火原因はベンジンへの引火と見なされた
近所で購入する姿も目撃された
用意したのも本人で間違いないだろう
火種は石巻雅夫の所持していたライター
遺体は入り口から離れた場所で発見され頭部がドアとは反対の方角を向いていた
この状況から石巻雅夫に逃げる意思がなかったと判断され自殺の可能性が高いと結論づけられた
・
(ドアの開閉音)
(桜子)何か分かりましたか?ドーナツ。
あっごちそうさまでした。
食った?はいさっき頂いたんで。
斬新な解釈だ。
はい?2時間だぞ2時間!行列に並んで買ったんだ!こうしてまだかなあって。
「ごちそうさま」って!冤罪の次はこれか!君は存在するだけで人に迷惑を掛ける子です!少しは自覚しろ!ドーナツくらいで。
あの燃えかす調べて何が分かるんですか?直接聞いてみたらいかがですか?無断でドーナツ食べたら怒鳴られて。
あっそれ根に持ちますよ。
ドーナツに関してはがき以下だからな。
実感してます。
(松井)
これらの焼残物は現場から採取した木材です
切り口にそれぞれALSという科学捜査専用ライトで赤外線を当てると不完全燃焼部分が白く見えます
このように焼残物の燃焼深度を調べることでそれぞれが採取された場所の火力が分かります
燃焼深度が深い焼残物が採取された場所ほど火力が強かったということになります
(真紀)おかしいわね。
確か御影損保の調査報告書では出火元は遺体の発見場所だったわよね。
ええ。
でもそこは一番火が弱い。
こんな所が出火元だなんて絶対にあり得ない。
(田坂)本当なんじゃないのか?御用鑑定人の噂。
御用鑑定人?無知が過ぎるぞ。
常識だよ!
(松井)どんな常識っすか。
普通に知ってる方が怖いでしょ。
御用鑑定人は保険会社に都合のいい報告書を作る鑑定人です。
そういう人間を雇って保険金を出し渋る。
(桜子)ひどい。
(松井)出火元が違うということは火種がライターじゃない可能性もありますね。
火種も火元も不明。
謎が増えただけか。
じゃ何が分かれば事故だって証明できるんですか?意思だよ。
君のお父さんは自殺なんてしようとしてなかった生きようとしてたその意思。
人の気持ちを科学で証明するんですか?そういうこと。
そんなことどうやって。
・
(ドアの開く音)・
(くるみ)ただいま。
(真紀)うんおかえり。
(くるみ)あれ?準備してないの?水曜日だよ。
(真紀)バカねえ。
ゆうべのうちに仕込みは完璧。
水曜日何かあるんですか?ジャイアンリサイタルです。
(桜子)はい?水曜は毎週上の階の所長んちで飲み会やるんすよ。
ねっ。
(くるみ)あっ!お姉ちゃんも一緒にどう?
(桜子)えっ?
(真紀)はいお待たせ。
熱いよほら縁。
はい。
松井座った?食べ切るまで帰れません。
いただきます。
(くるみ・松井)いただきま〜す!
(縁・桜子)いただきます。
(松井)うん。
えっ?ちょっちょっとこんなには…。
私の料理が食べられないっていうの?うっ…はいいただきます。
んっおいしい。
やめろ。
「おいしい」は禁句。
出ました!おいしい。
イェ〜イ。
ではゲストのために出血大サービス。
これからパスタとピザも作るわ。
くるみ行くよ。
うん。
(桜子)ちょっ大丈夫えっ?
(小宮山)「おいしい」って言うと料理が増えるの。
強制参加の自己満足で迷惑以外の何物でもない。
常識だ。
覚えとけ。
(松井)どんな常識ですか。
タダで食べ放題っすよ。
何が不満なんすか?喜んでんのはこのバカだけだ。
だからジャイアンリサイタル?
(くるみ)で次が俺さまポーズ。
(松井)俺さまポーズ?
(くるみ)こう先にこうしてでこうして…。
(真紀)ホントに証明できんのかな〜。
あっ…。
(真紀)心配ないわ。
うちのスタッフは優秀よ。
こんな…こんな振りでしたっけ?そうよ。
(くるみ)次いくよ。
次は?ごめん。
あの姿は忘れて。
はい。
フフフ…。
民間の科捜研があるなんて知りませんでした。
何で始めたんですか?弱い立場の人間が泣き寝入りしないため。
青臭いでしょ。
でもそんな場所があったら世の中も捨てたもんじゃないってそう思えない?そうですね。
それと今日はありがとね。
(桜子)えっ?あなたもいてくるみ喜んでた。
いつも以上に。
(桜子)もしかして今日の会ってくるみちゃんのため?まあね。
仕事仕事でどこにも連れてってやれないから。
くるみちゃん幸せですねすてきなお母さんで。
まあホントの親子じゃないけどね。
えっ?
(真紀)養子よ。
妹の忘れ形見。
(桜子)あっ…。
くるみも知ってる。
ロマンチストは嫌い。
実の親子じゃないから理解し合うためには努力が必要。
そう思ってた方がうまくいくわ。
実の親子でも分かり合えない人はいます。
平気で家族を捨てるような人もいるんです。
ほら帰るよ。
家族が心配しますよ。
はい。
(くるみ)早く早く。
(小宮山)サボテンが人の心配なんてするか!はいはいよしよし…いいよいいよ。
元木さんは石巻雅夫さんのご友人でもあり保険契約の窓口もされてたんですよね?
(元木)ええ御影損保の営業には厳しいノルマがあるんです。
契約を取るためなら同級生にも頭を下げた。
まあそれで私散々迷惑がられて。
でも石ちゃん…あっ君のお父さんだけは快く契約してくれた。
でも少したって噂を聞いた。
石ちゃんホントはえらい借金背負ってるって。
すぐに連絡した。
そしたらあいつ笑って言ったんだ。
「心配ない大丈夫だ」って。
昔からそういうやつだった。
他に何かあるんじゃないですか?
(元木)言いにくいな。
大丈夫です。
いまさら何を聞いても驚きません。
石ちゃんが死ぬ前奥さんから連絡があった。
母から?生命保険のこと聞かれたんだ。
死んだらどのぐらいの金額が入るのか。
どんなとき入らないのか。
(元木)その翌日石ちゃんが死んだ。
今日元木さんに会った。
知ってるよね?保険会社の人。
お母さん話したことあるよね?お父さんの保険金のこと。
いい…やっぱいい。
忘れて。
追い詰めた。
お父さんのこと。
必死だった。
お父さんの借金返すために。
知ってる。
限界だった。
元木さんに色々聞いた後会ったわお父さんに。
私そのとき言ったの。
「一緒に死のう」って。
でもお父さん「大丈夫だ心配するな」って。
いつもとおんなじ笑顔で。
(春恵)火事の少し前お父さんがくれたメール。
(春恵)嫌な予感がして電話したわ。
でもつながらなくって。
何度かけても。
(春恵)次の日火事のこと知ったの。
私が押したの。
お父さんの背中。
(真紀)これが遺書?
(桜子)母はずっと負い目に感じてたそうです。
父を追い込んだこと。
だから事故だったって信じたかった。
調査はもうやめようと思います。
(桜子)父の口癖は「心配ない」と「大丈夫」でした。
自分が苦しいときも強がって愛想よく振る舞う。
工場の経営が厳しくなっても変わりませんでした。
外づらだけ良くって何でも背負いこむ。
そのしわ寄せは全部家族に来たんです。
母を捨てたんです。
私のことも。
あんな死に方までして。
もしかして初めから自殺だと思ってた?正直どっちでもよかったんです。
事故だと証明できれば。
父の命を金に換えてやる。
母のためにそう思ってきたんです。
でも母の傷をこじあけるようなことはもう…。
すいません。
まあいいんじゃない。
えっ?つらい過去は忘れるに限る。
失ったものは取り戻せない。
早く新しい一歩踏み出した方がいい。
あとは時間が解決する。
人間は忘れる生き物だ。
(松井)いいね。
(男の子)大盛りだ〜。
兄ちゃん半額だよ。
(松井)半額?おっでかした。
あっいいねこれにしよう。
試食発見!
(松井)試食?
(男の子)行くぞ。
(男の子)試食だ。
(6人)1個下さい。
1個下さい…。
(くるみ)う〜ん…うっ…。
・
(ドアの開く音)
(田坂)またイジイジしてたのか。
別に。
(田坂)元刑事を侮るなよ。
写真見てたろ。
分かってて聞くなよ。
陰湿だわ。
(田坂)クッ。
で少しは何か思い出したのか?何にも。
俺何かやましいことでもあるんすかね。
もう3年ですよ。
犯人も分からないまま。
新しい一歩か。
んっ?簡単に踏み出せるなら世話ないな。
・
(物音)あっどうしたの?通り掛かってたまたま。
あなたこそ何で?見てのとおり。
「調査はやめる」って言いましたよね。
でも気になる。
やめてください。
後で調査費とか請求されても困ります。
そんなの請求しないよ。
遺書のこと話しましたよね。
本当に自殺ならその証拠を見つける。
はっ?どういうつもりですか?母と私がどんな気持ちになるか何で分かんないんですか?君たちの気持ちは興味ない。
はっ?俺はただ知りたいだけ。
君の親父さんがなぜ死ななければいけなかったのか。
その真相を確かめたい。
いいかげんにしてよ!父は自殺だった。
それでいいの。
あんたが言ったんでしょ。
「嫌なことは忘れた方がいい」って。
だから決めたのそうするって!言ってることとやってることあんた全然違うじゃん!あの保険屋と一緒だな。
はっ?勝手な真実自分の都合でつくっちゃう。
俺が親父さんなら許せない。
いいよ。
いいよいいよ。
忘れたければ忘れればいい。
ちょっ…何?俺には関係ない。
ねえ…。
あ〜。
ちょっと!何なのもじゃもじゃ!ふざけんな!痛っ。
何なの。
勝手にしろ!雨。
出火原因の目星付いた!さあ面白くなってきた〜。
(真紀)あ〜。
(桜子)どうしたんですか?急に。
(真紀)待たせてるの。
行くわよ。
(真紀)すみませんお待たせしました。
(大川)あなたのためなら100年でも待ちますよ。
(くしゃみ)
(真紀)失礼。
本題に入ります。
結論から申し上げます。
石巻雅夫さんは自殺ではなく事故死です。
当然根拠はおありになるんですよね?もちろん。
少々長くなりますがお付き合いください。
まずは出火原因ですがご指摘のとおりにベンジンへの引火でした。
でも火種はライターじゃなかった。
(大川)フフ「石灰」正式には生石灰です。
その特徴ご存じですか?水と反応すると熱を発しながら消石灰を生成します。
その際の発熱温度は300℃から400℃。
一方ベンジンは約280℃まで上がると自然に火が付きます。
つまり生石灰と水そしてベンジンその3点が揃うと火が付く可能性が大いにある。
事件があった日は大雨でした。
しかも倉庫には雨漏りがあったそうです。
それは元従業員の証言で確認済みです。
雨が火事の原因になるなんて誰も想像しません。
しかし生石灰など鉄工所で使うでしょうか?使っていたのは石巻鉄工所の向かいの果樹園です。
この果樹園では有機栽培を行っていて土に生石灰を混ぜて使用します。
そして火事があった日果樹園の方が留守だったために配送業者が生石灰の入った段ボールを石巻鉄工所に預けたんだそうです。
近所の方が不在のときなどよく石巻雅夫さんは荷物を預かったそうです。
その人の良さがあだとなった。
(大川)フフそんな妄想誰が信じる。
妄想じゃありません。
現場の焼残物から生石灰と水が反応した後に生じる消石灰も検出されました。
次石巻さん自身が掛けたと思われる鍵。
これはね案外簡単な理由でした。
元従業員の方の話では石巻さんは借金の返済に苦しくなり火事の少し前にアパートを引き払ったそうです。
その後あの倉庫に寝泊まりしていたんです。
つまりあの鍵はただの戸締まり。
しかしベンジンを持ち込んだのは石巻さん自身ですよ。
火を付ける以外何の目的があるんだ。
焼け跡で見つけました。
このネックレスから室内で検出されたものと同じベンジンが検出されました。
つまり彼はネックレスを磨いていた。
無理がありますね。
そもそも何で磨く必要があるんですか?娘さんへのプレゼントだったからです。
《ビンゴ》そのリサイクルショップの主人に話を聞きました。
娘さんの誕生日プレゼントを探していると言われこのネックレスを見つけたそうです。
ネックレスは汚れがひどかったそうです。
だからベンジンで磨くことにした。
(真紀)桜子さんあなたの誕生日は?1月30日です。
火事があった日から1週間後ですよ。
それなのにネックレスを贈ることもせず自殺なんてするでしょうか。
自殺の根拠は2つ覆りました。
石巻雅夫さんがベンジンを買った理由は自殺目的ではない。
また火を付けたのは彼自身ではない。
鍵もまた単なる戸締まりである可能性が高い。
じゃあ遺体の向きはどうです?倉庫の入り口から遠い所で発見された。
逃げる意思はなかった…。
確かに逃げようとはしなかった。
でもそれは死を選んだわけではなかったんです。
(雅夫)《あっ…》《あれ?》《あれ?あれ?あれ?》ネックレスが見つかったのは遺体があった場所のすぐ近くだったんです。
そんな話信じられません。
父は遺書を残してたんです!今までの事象を踏まえるとその意味も変わってくる。
(雅夫)《「今できることをするしかない」》《「罪滅ぼしにはほど遠いだろうな」》スモーキング・ガンです。
あの火災は生石灰と雨そしてベンジンが引き起こした事故です。
石巻雅夫さんに自殺の意思はなかった。
むしろ家族のために生きようとしてた。
・
(ドアの開く音)・
(柴崎)お待たせしました〜。
真紀さん裁判の必要書類です。
(真紀)柴崎先生ありがとうございます。
いつの間に。
(真紀)今日の話そちらが不服なら提訴させていただきます。
ただし裁判になった場合そちらのずさんな調査など公になることになりますのでご了承ください。
(真紀)その上で保険金の支払い再度ご検討いただけますか?ねえよかったな。
これで保険金がもらえる。
(桜子)ありがとうございました。
いったい何が気に入らない?君の思いどおりになった。
いまさら誕生日プレゼントなんて何の気まぐれか知らないけど逆にムカつきます。
父のしたことは結局いつもジャイアンリサイタルです。
自己満で迷惑以外何物でもない。
桜のモチーフだったそうだ。
ネックレスの飾り。
えっ?店の主人の話だと君の親父さんはあちこちの店でプレゼントを探してたそうだ。
「お金はないでもいいものをあげたい」「君の二十歳の誕生日だから」「今まで迷惑ばかり掛けてきたから」そう言ってたそうだ。
まっ君にとってはいまさらか。
親父さんは確かに君やお母さんの人生を犠牲にした。
それは君にとってつらい真実だったかもしれない。
しかし同時に親父さんは家族のことを愛してた。
それもまた紛れもない真実だ。
こう誰かが言ってた。
「楽観主義者はドーナツの輪を見る」「悲観主義者は穴を見る」このドーナツをどう見るかそれだけで人生は変わる。
親父さんの気持ち受け入れんのが怖いだけだろ?いまさら許さない。
絶対。
勝手に死にやがって。
よかったのに。
生きてればそれだけで。
(真紀)あんたバカなの?ねえ。
どんだけバカなのよ!取りっぱぐれた報酬幾らだと思ってんの!32万よ32万!ねえ俺のせい?「保険金みんな借金返済に充ててすっからかんだ」ってあの子に言われたんです!出世払い以外どんな方法があんの?うん俺を巻き込むな。
とばっちりはごめんだ。
右に同じ。
お前だけは巻き込めない。
7人きょうだいの面倒見てんだろ?頑張れ。
何なんすか。
俺だけいつも仲間外れにして。
あんたの給料今月分カットよ。
大幅カット!嘘でしょ。
めちゃくちゃだ!
(くるみ)ただいま。
(真紀)おかえり。
学校の帰りに会ったの。
よく来たね。
やっぱ払え。
今すぐ全額払え!はい?えっ言っている意味が全然です。
(真紀)ほっときなさい。
無駄にうるさい置物だと思っとけばいいわよ。
みんなちょっと聞いて。
この子雇うことにしたから。
(縁・田坂・松井)はっ?人のこと散々怒鳴り散らしたのに?これはビジネスよ。
この子の給料から毎月未払いの鑑定料を天引きする。
仕事は甘くないわ覚悟しなさい。
はい。
よろしくお願いします。
後悔しない?ここ変な人ばっかりだけど。
大丈夫。
心配ない。
相変わらず人がいい。
くるみ引き取って田坂さんに小宮山さんで俺だろ。
おまけにあの子まで。
(真紀)あなたもでしょ。
あの子の依頼やり通した。
俺は別に。
(真紀)真実をつかめない苦しみを誰よりも知ってる。
だからいつも調査を途中でやめられない。
エミリのことは関係ない。
どうかな〜。
人は概して自分が分かっていない。
もう自分を責めるのはやめなさい。
(エミリ)《「愛する」の花言葉は赤いアネモネ》《紫は意味が違うよ》《そうなの?》《縁肝心なとこ抜けてる》《じゃ紫のアネモネは?花言葉》《紫のアネモネはね…》《「あなたを信じて待つ」》《あなたを信じて待つと永遠に誓う》
(井川)あの男ですか。
(柏木)ああ。
永友エミリの恋人で…。
(柏木)彼女の遺体と一緒に発見された。
(柏木)そのときまでの12時間記憶が消えているらしい。
2014/04/09(水) 22:00〜23:09
関西テレビ1
[新]SMOKING GUN〜決定的証拠〜 #01[字]
我が社がお売りするのは決定的証拠です!依頼人のために最新科学捜査と人の想いで弱者救う民間科捜研!香取慎吾 西内まりや 中山優馬 鈴木保奈美 谷原章介
詳細情報
番組内容
2011年。とある教会。流田縁(香取慎吾)は、永友エミリ(倉科カナ)にスターチスと紫のアネモネの花束を捧げてプロポーズ。しかし、数日後、縁は暗闇の中で目を覚ます。なぜか傷だらけの縁の視界に入ってきたのは、倒れているエミリの姿。なぜ自分とエミリがそんな場所にいるのか?縁は理解できずにいる。そこに、刑事たちが飛び込んできて…。
2014年。満員のエレベーターで石巻桜子(西内まりや)が痴漢に遭う。
番組内容2
エレベーターの扉が開くと、桜子は隣に立っていた鹿戸澄夫(菊池均也)の腕をつかんで痴漢だと叫んだ。澄夫は無実を訴えるが、駆けつけた警備員に連れて行かれそうになる。そこに、もじゃもじゃ頭の男が現れ、無実なら証明すると告げて名刺を差し出した…縁だ。縁は千代田科学捜査研究所という民間の科捜研で働いている。わらにもすがる思いの澄夫に捜査を依頼された縁は、桜子のスカートに残された指紋から無実を証明して見せ、
番組内容3
真犯人も突き止めた。しかし、報酬をもらうはずの澄夫はいつの間にかいなくなってしまう。
科捜研に戻った縁は、所長の千代田真紀(鈴木保奈美)に報酬を取れなかったことを叱咤(しった)される。真紀の怒りは松井丈太朗(中山優馬)、小宮山祥子(安藤玉恵)、田坂繁(イッセー尾形)たち所員にも飛び火した。
次の日、桜子が科捜研を訪ねて来た。桜子は、父が亡くなった火事の原因を突き止めて欲しいと縁たちに依頼する。
出演者
香取慎吾
西内まりや
中山優馬
安藤玉恵
濱田ここね
・
鈴木保奈美
・
倉科カナ
イッセー尾形
・
谷原章介
他
スタッフ
【原作】
横幕智裕
竹谷州史「Smoking Gun 民間科捜研調査員 流田縁」(集英社「グランドジャンプ」連載)
【脚本】
酒井雅秋
【音楽】