住人十色 2014.04.09

(ナレーション)「住人十色」。
今日の家は…。
(三船)あら立派なおうちじゃないですか。
お金持ちかしら?
(松尾)いや脱サラしたご主人が退職金をはたいて建てたんですよ。
チャレンジですね〜。
離島でゼロからの再出発ですわ。
お仕事とかどうするんですか?もうそうやいのやいの言うなよ。
なんとかなるねんから。
なんとかすればできるのよ。
脱サラして移住したら年収が5分の1に。
一家が乗り越えた島の暮らしとは?
(宮地)うわ〜風が気持ちいいですね。
おお〜水が掛かった!博多の港からフェリーで10分。
博多湾に浮かぶ人口800人の能古島が今日の舞台です。
(宮地)あっ!手ぇ振ってる方がいらっしゃいますよ。
あっご主人かな?
(伊)どうもこんにちは。
(宮地)こんにちは宮地です。
(伊)ようこそ能古島においでいただきました。
(宮地)すごい所ですね。
すごい景色がいいでしょ?めちゃめちゃよくてびっくり。
どうぞこちらの方に。
島の名産は…。
(伊)ここがのこの市といって島の駅になりますね。
まあ能古のあさりは幻のあさりとも言われててほとんどとれないしスーパーには出回りません。
そのあさりを使ったおにぎりとお弁当が私の方で作って販売してます。
(宮地)えっご主人がですか?
(伊)そうですはい。
(宮地)手作り!
(伊)1つ食べてみてください。
(宮地)うわ〜キレイな色。
うん!おいしいでしょ?最高ですね!これを手作りですか。
すごい。
じゃあご主人はもうずっと島にいらっしゃる方なんですね。
私はねあの〜5年前に横浜から引っ越してきたんですけど。
横浜!?そうです。
伊さんは
(宮地)いやなんか静かですね。
(伊)そうですね。
風が気持ちいいでしょ?
(宮地)すごいですね。
(伊)ここが私の家です。
えっここですか?はいそうです。
(宮地)これ…えっ家!?うわ〜立派ですね。
(伊)ありがとうございます。
立派な石垣と木の風合いが印象的な伊さんの家。
高台にぽつんと立つ島の家です。
(宮地)あっ!
(ひろえ)こんにちは。
(宮地)こんにちは〜。
わあ〜!
(伊)うちの末っ子の4歳の拓です。
(宮地)元気いっぱいな感じが…。
今奥さんが押さえてないともうなんか駆け出しそうな感じ。
猿回しの猿のように。
(宮地)あははっ!奥さんはこの島の出身。
中3小44歳の3人の子どもがいる5人家族です。
(伊)どうぞお入りください。
(ひろえ)どうぞいらっしゃい。
(宮地)門構えが旅館のような…。
なんかもう入り口からすごいですね。
うわっ。
(ひろえ)どうぞどうぞ。
(宮地)すごい。
ええ〜?ほんともうおうちじゃないような。
(伊)自宅です。
(宮地)自宅ですか。
えっ?これあの…。
ん?これどうなってんですか?
(伊)こちらの方は勝手口で。
(ひろえ)勝手口というか内玄関なんですね。
だから家の者はこっちの…。
(宮地)こちらから入る。
(ひろえ)お客様はこちらから。
(宮地)分かれてるんですね。
(伊)どうぞお入りください。
(宮地)ちょっと失礼しま〜す。
中もすごい木のぬくもりが。
(伊)木の香りもするでしょ?
(宮地)しますねすごい。
すごいものが見えましたけど。
ええ〜!?なんですかこの景色!
(伊)向こうは博多になりますね。
(宮地)うわ〜博多!
(伊)はい。
(宮地)思いっ切り目の前に見えるんですね。
(伊)癒やされます毎日が。
(宮地)うわ〜最高の景色が。
うわ〜!
(伊)気持ちがいいですね。
(宮地)最高ですね。
(伊)そうですね能古島は癒やしてくれるしまあ憩いもあるという。
脱サラ移住をして手に入れた絶景。
やめる時には能古島で何をやろうかっていうのは全く決めてなかったんですけど。
ボロボロでしたね。
全てが…。
安定した収入を捨て一家5人で島へ移住するという大きな決断。
家族の絆が無謀にも思えるこの挑戦を後押ししたんです。
伊さんは能古島出身のひろえさんと結婚後横浜に暮らしていました。
当時は大手自動車メーカーに勤めるバリバリの企業戦士。
ところが11年前そんな伊さんに異変が。
(伊)40前後にまあ管理職になりまして部下も持ってまあいわゆる…。
メンタル的な病気うつになりましてね。
約5年間うつで苦しんで。
(ひろえ)お弁当作って一回送るじゃないですか。
帰ってくるんですよ子どもじゃないのに。
(宮地)会社に行かずにそのまま?
(ひろえ)行けずに帰ってきちゃう。
もう会社をやめたい…。
奥さんに恐る恐る打ち明けると意外な反応が。
「やめぇ!やめよう!」って。
あはははっ。
(ひろえ)あはははっ。
もっと人間らしくって言ったらあれですけどそういうこう自然の中で暮らす方がいいっちゃないやって。
一家は能古島への移住を決断。
奥さんの実家が持っていた土地に退職金をはたいて家を建てました。
安定した収入を捨て島で再スタートを切る事にしたのです。
まあ年収は1000万ほどもらってましたけど…。
そういったなかでもこんなに楽しい仕事はないですね。
伊さんが笑顔を取り戻した海の見える家。
島で始めた仕事に欠かせないスペースが。
(ひろえ)こちらキッチンでございます。
(宮地)失礼しま〜す。
うわっ広っ。
広いですね。
えっ!5人家族には広すぎるおよそ8畳のキッチン。
大きめのシンクが2つもあるのには理由があるんです。
ここはお総菜の営業許可を取っててあさりのおにぎりとかここで作ってます家族みんなで。
ここで作ってるんですね。
伊さんは島の主力商品は地元でとれたあさりで作るおにぎりと甘夏みかんを使ったぽんずです。
従業員は家族だけ。
子どもたちも毎朝5時半に起きて学校へ行くまでの1時間半おにぎりを作ります。
(宮地)キッチンからもいい景色が見れますね。
(ひろえ)はい。
キッチンにいちばんいるんで家の中で。
(宮地)じゃあここから見る海がいちばん…。
(ひろえ)私は好きですよ。
(宮地)ああ〜なるほど。
(伊)
(伊)逆に
(一同)あはははっ。
福岡市能古島の高台に建つ伊さんの家。
続いては2階へ。
あっあら。
(ひろえ)娘のえみの部屋です。
(宮地)こんにちは〜。
えみちゃんこんにちは。
こんにちは。
(宮地)でも子ども部屋は海側じゃなくて山側というか。
(ひろえ)落ち着いた感じで。
長男の一慎の部屋でございます。
(伊)こっちは海が見えるように。
(宮地)ここのこんな素敵な景色で勉強集中できる?
(宮地)気にしない?なんてぜいたくな。
(ひろえ)まあそんなもんですよ。
(宮地)もう見慣れてるみたいな。
野球少年の一慎くん。
生まれ育った横浜を離れる時には大勢の友だちとの別れがありました。
横浜の家を引き払って羽田空港に向かう車の途中で…。
「行きたくない」と。
その時
(伊)行くわけですし。
そんな子どもたちに元気を取り戻させたのがな〜んにもないリビング。
(ひろえ)通称
(宮地)あっなんか確かにこの木の感じとか。
(ひろえ)ドッジボールしたり。
(宮地)ドッジボールするんですか?ここで?
(ひろえ)ここで。
外で遊べない日でも家の中でドッジボール。
(ひろえ)さあ来い!あはははっ!
(宮地)めっちゃ速い!床板は地元・九州の高千穂杉。
柔らかい木なのでご覧のとおり傷だらけです。
(ひろえ)若干柔らかいんですよ。
傷にもなりやすいんですけど子どもたちがおっきくなっていけば一旦…。
なるほど。
床が傷だらけなのは子どもたちが元気な証拠。
子どもたちが大きくなるまでここに家具は置けません。
いいな〜。
素敵な家族ですね〜。
もうほんとに病気なってそれきっかけに奥さんがね…。
まあ1000万円って結構なね高給取りじゃないですか。
それをね「やめぇ!やめぇ!」ってね。
もうこれですよ。
「やめたらいいいい」。
「よか!よか!」。
すごいよな。
すばらしい奥様ですね。
いやほんと。
長男くんはね地元の生まれ育ったなじみ深い横浜離れるの寂しかったと思うけど今となったらねぇ。
(高井)今はもう伸び伸び野球部に入って頑張ってるそうなんです。
まあ大学ば卒業したらねまた横浜ば行って…。
(高井)ふふふっ。
旧交を温めるちゃろもん。
「ちゃろもん」って言うんですか?いや知りません。
でたらめです私の言ってる事は。
(高井)雰囲気ですね?はい雰囲気です。
さあこの能古島なんですけれどもお父さんをこんな劇的に変えた島。
はい場所はといいますと姪浜港という所からフェリーでだいたい10分なんです。
もうあっちゅう間ですよ。
私も行きましたがね。
(高井)松尾さん?もう10年ぐらい前ですかね。
風光明美で穏やかな場所でねいいですよ。
素敵。
行った事あるんですって。
(高井)なんか地元の方もほんとに日帰りで…これからねいい季節ですけれどもバーベキューをしたりとか海水浴をしたりとかっていって人気の島なんだそうです。
そうですよ。
自然の中で育つってほんとに羨ましいなと思いますよ。
あんな景色見ながらね。
うん。
ドッジボール家の中でできてね。
ちょっとテレビ心配だったけどね。
あっそうですね。
そんなん大丈夫ですよ。
(高井)でもなんといってもご主人ほんとに仕事を全部…。
もう全く…一からというよりゼロからのスタートですから。
家も売っちゃったわけでしょ?横浜のマンションもね。
だからお仕事はなかなか大変だったんですね。
さあそれでは一体どんなお仕事ぶりなのかそのあたりもご覧いただきましょう。
福岡市能古島に移住した伊さん。
家族総出であさりのおむすびを作って販売しています。
あさりは地元の漁師さんから仕入れる貴重な天然物。
とれる量が少ないため地元・福岡でも幻のあさりと呼ばれています。
(宮地)いっぱい入ってる。
(伊)ねっ。
これが能古島のあさりです。
おっきいでしょ?
(宮地)おっきい。
(伊)1キロ3150円です。
(宮地)えっ!?
(伊)アワビもそうですしカキもそうですけどへえ〜。
(伊)山からの恵み栄養分が海に流れ込むからおいしいんです。
魅力的な商品を開発するには島の人たちの協力が欠かせません。
この甘夏みかんもその一つです。
(宮地)うわっ今とってらっしゃるんですね。
いちばんおいしいみかんはやっぱり太陽をいっぱい浴びてるからゴツゴツして。
こういうふうに身がしっかりしてるでしょ?
(宮地)ほんとだ!うん!
(明石)ぷりぷりしてるでしょ?ひと粒ひと粒がなんかはじける感じですね。
(伊)シミそばかすがあるでしょ。
これはもう出荷できないんです。
(明石)中身は全然関係はない。
(宮地)外側がちょっと…。
(伊)そう見た目が悪いだけ。
甘夏の収穫の中で約10%ぐらいは捨てられてるんです。
品質は問題ないのに捨てられていた甘夏みかんに目を付けぽんずに加工して売り出しました。
この「甘夏ぽんず」東京や名古屋の百貨店にも出張販売して今や
(明石)最初はもっといっぱい取ってもらえるもんかなとは思ってたけどたった10キロ。
(宮地)たった10キロ。
最初たった10キロ。
でももう
(宮地)桁が違う。
10キロから…。
(伊)10トンですから。
(明石)またそれは助かってますけどね。
うわっ!あっあらら。
ああ〜おいしい!最高!最高ですね。
伊さんの家の2階にはとっておきの部屋があります。
うわっ!あっあらら。
ここなんですか?えっ?
(伊)セカンドリビングですね。
(宮地)セカンドリビング。
集成材を一枚板のように加工した本格的なカウンターバー。
お酒好きの夫婦念願のスペースです。
(宮地)うわっお店みたいほんとに。
(ひろえ)いらっしゃいませ。
(宮地)あっ!バー伊。
(伊)グラスも冷えてます。
(宮地)うわ〜いいですね。
マスター。
マスターいただきます。
いただきま〜す。
(ひろえ)ふふふふっおいしそう。
(三船・スタジオ)心の叫び。
カウンターバーの隣には絶景のウッドデッキ。
うわ〜!こっち側も海ですか!
(伊)そうです。
こちらは街を見る海ですね。
昼は昼でいいんですが夜はあれが夜景に変わるとすごいキレイです。
(宮地)また全然違う景色が。
伊さんの家。
「もう帰りたくない!」と言いだすお客さんがほとんどだそうです。
最高なバーありましたね。
バーあったね。
あそこでね…自分とこで買ってきたお酒飲んで安上がりじゃないですか。
1回3000円使うところをね1000円で収まるやん。
ってことは3日に1回ぐらい行ってたとしたら月に2万円ぐらい浮くやん。
年間24万円浮いて5年であのカウンターバー元取れますよ。
すばらしい計算。
(高井)ご夫婦ともに飲むのがお好きなんだそうです。
いいですね。
(高井)もうお店みたいですよね。
店にすべきですよ。
(高井)そもそもこちらのおうちお玄関もなんかもう宿みたいな感じでしたよね。
家を建てる時にやっぱり仕事がないのでお店をもしかしたらする事も考えてという造りにはしたそうなんです。
融通が利くように。
(高井)そうですそうです。
でも今はおにぎりとあのぽんずでようやく黒字に転換してきたのでそっちで頑張っていこうという。
でもご近所の人とも…こうやって手伝っていただいて交流もできて子どもたちは伸び伸び育って言う事なしですね。
(高井)そうですね。
では伊さんのお宅。
かなり立派なおうちなんですが建築価格はいくらだったかといいますと3500万円でした。
これだけ立派な造りで3500万円お勉強価格じゃないんでしょうか。
(高井)そうですね。
土地をね幸いご両親が持ってらしたという事でそこはありがたくちょうだいして。
ねえ〜。
そんな伊さんのお宅からの問題です。
さあ博多湾が一望できる伊さんのお宅なんですけども景色を遮ってしまうにもかかわらずこちらの木ありますよね。
この木の伐採を一旦は考えたんですがご主人はやめました。
さあその理由は一体何なんでしょうか。
なんだろう?日よけ。
(高井)ああ〜暑すぎて?なんかこう海風とかもぶわ〜って下からね上がってきたりとかあと日ざしも結構強かった時に。
あっなるほど。
これ南側ですかね?
(高井)これは南です。
はい。
夏は葉っぱが茂って日陰になるように。
冬の間は葉っぱが落ちて日光がさんさんとっていう事はもくろんでない?う〜ん。
でもないんですね。
この木自体をなんか使うねや。
(高井)木自体を?あっ!海の景色を遮るこの木を切らなかった訳とは?
(宮地)ご主人あの木はなんですか?
(宮地)桐の木。
へえ〜。
(伊)実は見晴らしがいいように切ろうかなと思ったんですけど桐の木なので…。
(宮地)なるほど。
まあ桐だんすといえば嫁入り道具みたいな感じありますけど。
そうやって言ってるけどどう?
(えみ)
(宮地)言ってなかった?言ってなかったんだ。
なんて言ってたの?前は。
(えみ)なんか大事だからって。
(宮地)へえ〜。
(ひろえ)そういう意味で大事やったんやね。
この木を切る時見晴らしはよくなりますがご主人はちょっと寂しくなるんでしょうね。
拓ちゃんそこにもある。
夕食の準備。
庭に自生するよもぎを摘みます。
今日のメニューはよもぎと能古島のあさりのかき揚げ。
そして天然あさりがたっぷり入ったチヂミです。
(伊)じゃあかんぱ〜い!
(ひろえ・宮地)かんぱ〜い!
(伊)ようこそいらっしゃいました。
ああ〜おいしい。
(ひろえ)ああ〜おいしいね。
どうぞお召し上がりください。
(宮地)うわ〜ごちそうですね。
あさりのかき揚げ私初めてかもしれないですね。
(ひろえ)どうぞ。
んん〜!
(ひろえ)おいしかろ?あはははっ。
あさりすっごくおいしいですね。
でも今どう?こっちに引っ越してきて。
うんまあ島に来て5年。
生活が成り立つまでには紆余曲折がありました。
まあ横浜から能古島に移ってきて起業してちっちゃいながらも自分が社長っていう事で全て自己責任の中で自分の思いを込めて取り組めるし…。
(拓)ねえ
(伊)イカおかわり?はい。
そしてあの〜成功する事もあれば失敗する事もある。
それはもう…。
(拓)あっ
(宮地)自由!そういったところが…。
とにかく楽しいです毎日が。
(ひろえ)あはははっ。
楽しいですね。
もちろん失敗も…。
さっき話したように失敗だらけですよ今までは。
(宮地)ははははっ。
でもあの〜させてみようと思ったんです。
お金がすっからかんになるまでさせろと。
(宮地)はあ〜。
あはははっ。
それですっからかんになってそっからまた始めればいいかな。
すっからかんになるには度胸が必要です。
その覚悟があれば何度でも起き上がって再スタートする事ができるのです。
すばらしい。
もちろんね元気なくなった人は人それぞれで治し方もあるでしょうしね難しい事もいろいろあるんでしょうけどやっぱり旦那さんにはこれがいちばんいいんだって奥さんがすごく理解してそういう道を選ばれたっていう事でしょうからねベストカップルなんでしょう。
場所的にもやっぱりこの島すごいパワーがありそうだから…。
自然が残ってるしこういう奥様を育てた生み落とした島っていうのがやっぱりね。
また旦那さんも優しそうですもんね。
すごい優しくて責任感がすごくありそうな頑張り屋さんって感じがする。
そやから拓は自由やねんな。
(高井)そうなんです。
「イカおかわり」「やっぱごちそうさま」。
あははっ。
(高井)で奥さんが横でケラケラ笑ってらっしゃる。
かわいい。
面白いね。
2014/04/09(水) 10:25〜10:54
MBS毎日放送
住人十色[再][字]

「脱サラして一家で移住! 博多湾に浮かぶ「能古島」の家」

詳細情報
お知らせ
この番組は2013年7月13日に放送されたものです。
番組内容
福岡県の能古島にある家を紹介する。住人(アルジ)は伊