生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
きょうのテーマです。
担当は今井純子解説委員です。
以前この番組でも何度も取り上げていますが今井さんお年寄りの被害が多いわけですね。
多いですし、また増えてもいます。
こちらは全国の消費生活センターに寄せられている相談件数の推移です。
この中には架空請求やインターネットのトラブルといったさまざまな相談が含まれているんですが、全体的に見ますと5年間で19%減っているんです。
少し減っているんですね。
ただこのうち65歳以上の方からの相談件数を見てみますと35%増えているんです。
ただこの相談も被害に遭った方のほんの一部とみられています。
というのも中には被害に遭ったというのは恥で、誰にも知られたくないと言って泣き寝入りする方特にお年寄りの中には被害に遭ったことにすら気付いていない方もたくさんいらっしゃるとみられているからなんです。
この相談件数は氷山のほんの一角かもしれませんね。
特にお年寄りにどういう被害が増えているんでしょうか?特徴的なもの2つ挙げたいと思います。
1つは、二次被害と呼ばれる被害です。
こちらにありますように、例えば昔、価値のない山林や土地を買わされて損をしてしまったという原野商法の被害者に土地を買いたい人が出てきましたよただその前に木を切ったり、道を作ったりする整地の費用が必要だという電話がかかってきてお金をだまし取られてしまうとかあるいは価値のない未公開株や社債を買わされて損をした人が国の被害救済制度で被害の回復ができるようになりましたただ10%の手数料が必要だと言われてまたお金をだまし取られてしまった。
このように昔の被害を取り戻しますよと言われて新たにお金をだまし取られる被害のことなんです。
一度損した人が狙われているというわけですね。
少しでもその損を取り戻したいという思いにつけ込む非常に悪質ですね。
被害が増えている2つ目は?次々販売と呼ばれる被害です。
同じ人のところに何度も何度も事業者が来て必要のない羽根布団や健康食品それに床下換気扇を次々買わせる被害です。
中には大量の布団を数百万円分買わされたという被害や遠く離れている家族が気付いたら金庫の中、預金の口座が空っぽになっていたというケースもあるんです。
この次々販売と先ほどの二次被害同じ人が繰り返し狙われているわけですね。
中には同じ人が別の事業者から次々被害に遭うというケースもあるんです。
どうして同じ人を狙うんでしょうか。
一度被害に遭った人の中には被害を取り戻したいという思いがあったり、判断力が不十分な人あるいは強く言われると断りきれないこういう人たちも結構いるということで、悪質事業者側から見てみると効率的にお金をだまし取ることができる対象ということになるんです。
カモリストとも呼ばれる被害者の名簿が作られて悪質事業者などの間で売り買いされているんです。
被害者の名簿まであるんですね。
これはなんとかならないんでしょうか。
逆に考えるとこうしたリストをもとに、このリストに載っている人たちを重点的に地域で見守っていけば、効率的に被害を防ぐことができる、そういう可能性もあるんです。
ただこうしたリスト、プライバシーに関わる重要な個人情報ですよね。
これまでは個人情報保護法の高い壁があってこうした情報を地域で活用することができなかったんです。
それを今回、地域全体で一歩踏み込んでこうしたリストをもとに対象となる一部のお年寄りを地域全体で見守る、そういう取り組みをしていこうということで、今消費者安全法という法律の改正案が国会で審議されているんです。
その取り組みは、どういう仕組みになるんですか?地域の消費生活センターが中心になって警察とか介護事業者、民生委員それに民間の企業などが連携をして地域協議会という組織を作るんです。
そしてその中で一定の守秘義務を課したうえで、さまざまな個人情報を共有してみんなで一部のお年寄りを重点的に見守って、被害を防ごうそういう取り組みです。
この共有する個人情報を主に2つ挙げます。
1つ目は先ほどの被害者のリストですか?そうですね。
今、警察や消費者庁が悪質事業者から回収した被害者リストが大量にあるんです。
地域協議会ではこうしたリストなどをもとに重点的に見守りをしたほうがよい人のリスト見守りリストを作って、例えば対象に挙がったお年寄りとふだんから接している介護のヘルパーさんや、民生委員の方に情報を提供します。
そうすることでそのお年寄りを訪問したときにこんな手口の悪質商法がはやっているから注意をしてとさりげなくでも頻繁に呼びかけをしたり被害に遭っていないか特に注意して見守ったりすることができるようになるということです。
ふだん接している人から言ってもらうということですね。
そこがポイントです。
もう1つは?被害に遭っているかもしれないケースを見守りの人が見つけたときの情報です。
これまでも地域によってはヘルパーさんが訪問先でたくさんの布団などを見つけた場合、消費生活センターに相談するよう促す取り組みをしているところもあるんです。
例えば先進的に取り組んでいる静岡市ではこうした見守り活動によって年間40件ほどの被害を見つけているということなんです。
ただこれまでは契約した本人が自分は被害に遭っていないと言って、同意をしない場合見守りする側が独自の判断で消費生活センターなどに知らせることが、これも個人情報保護法の関係でできなかったんです。
今回の法改正ではこうした場合も情報の共有ということで通報することができるようになるということなんです。
地域協議会の宅配事業者と金融機関は何をするんでしょうか。
例えば宅配事業者が特定のお年寄りのお宅に急に高額の健康食品などが次々送られてくるケースを見つけた。
一歩踏み込んで聞いてみると注文したかどうか覚えていないんだけれども、お金を払えと請求されている。
こういう場合、これも本人が被害に遭っていないと言っても見守り者が直接消費生活センターなどに連絡することができるようになるんです。
このほかに例えば、金融機関の場合は、急に大金を引き出すようになったお年寄りのお客さんがいる。
これも一歩踏み込んで聞いてみると、次々と布団を買わされているというケース。
こうしたケースでも独自の判断で消費生活センターに通報することができるようになるんです。
被害が分かれば、お金が戻ってくるんですか?こうしたことで消費生活センターが直接本人と連絡を取って専門的な立場からアドバイスをすることで、本人が納得すればクーリングオフをして全額お金が戻ってきたり、あるいは消費生活センターが事業者と解約の交渉をして、一部でも被害を取り戻せる可能性が出てきます。
この取り組みは今後進んでいくんでしょうか。
消費者庁は法案が成立したあと2年後の施行を目指して、全国の自治体に取り組みを促していく方針です。
ただ実際に取り組むかどうかは地域の判断にかかってくるわけです。
今後の課題を見てみますと例えば被害者本人が知られたくないと思っているかもしれない個人情報をどういった形で、どの範囲の人たちと共有するのか、また地域の人や民間事業者の協力をどれだけ得られるか、難しい課題はたくさん残っています。
ただここまでやらないと増え続けている1人暮らしのお年寄りを守ることができなくなっていくというのも事実です。
こうした地域の見守り活動が強化されていくと振り込め詐欺のような犯罪の防止にもつながっていきます。
ですから地域のお年寄りが地域全体で守るんだという意識で地域の自治体が積極的に取り組んでくれるよう期待したいと思います。
(テーマ音楽)2014/04/09(水) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「地域で防ごう お年寄りの悪質商法被害」[字]
NHK解説委員…今井純子,【司会】岩渕梢
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出演者
【出演】NHK解説委員…今井純子,【司会】岩渕梢
ジャンル :
ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
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