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2014.04.09

■4月某日 STAP細胞の論文改ざん、ねつ造問題で話題の小保方晴子ユニットリーダが、論文発表以来、初めて公の場で謝罪と弁明の記者会見を開いた。本人の弁明を聞かずに、理化学研究所の調査委員会は、論文の取り下げの方向性を打ち出している。しかも、共同研究者たちは無罪放免で、小保方氏一人をトカゲの尻尾切りにする方針のようだ。理研側としては組織防衛の為に、小保方本人を表に出さずに「処理」しようという魂胆が透けて見える。しかし、小保方氏は理研が説明してきたような人前に出られないほどの精神の不安は見られず、いくらか痩せた感じはしたが、話も理路整然としており、ミスに対しては、率直に自分の研究者としての未熟さを認めてお詫びした。小保方氏の記者会見で明らかになったのは、「STAP細胞は200回以上成功している」「論文じたいを取り下げることは考えていない」と語り、理研側との間の認識のズレの大きさが判明した。小保方氏は、これからも研究者として理研で働きたいという希望も語っており、理研側の官僚体質に関しては踏み込んだ批判はしなかったが、内心では忸怩たる思いもあったのではないか。

 この件は不服申し立てに続いて、いずれ裁判で争われることになるだろうが、STAP細胞を200回以上成功させたという小保方氏を研究チームに一切関与させないという理研側の姿勢はいかがなものか。小保方氏も出身のハーバード大学や米国の先端科学研究機関で、再チャレンジする途もあるのではないか。筆者は小保方氏の研究じたいに関する真贋の分析はできないが、寄ってたかって潰そうとする理研やメディア、テレビの御用コメンたーたちを見ていると、負けるな小保方晴子と声援を送りたくなる。

 それはともかく、みんなの党の渡辺喜美代表が、8億円の借金の残りをDHC会長に返済し、代表を辞任した。今後の捜査の進展ぶりが注目されるが、法的にお咎めなしという事にはならないだろうとの判断があったのだろう。渡辺辞任でガッカリしているのは、安倍総理だろう。一時は、自民党への合流の方向性も見せていただけに、集団的自衛権確立を狙う自民党にとっては、慎重論を取る公明党側も独自路線をさらに強めるのではないか。みんなの党の代表後任は浅尾慶一郎幹事長になる予定だが、自民党離れ、野党再編につながるかどうかが、注目される。それにしても、女帝に牛耳られてきた渡辺善美氏は政治家生命も失うことになるのではないか。日本維新の会の橋下徹代表も失言と失政で、石原慎太郎グループとの決別も時間の問題だろう。

 一強多弱という政界事情の中で、タカ派の政策を矢次ぎ早に展開してきた安倍政権にも陰りが見え始めてきた。増税した消費税により今後の景気動向が見えなくなったこともある。増税で個人消費が落ち込んでいるのは事実だが、これが、景気上昇につながるのはいつの日になるのか。黒田日銀総裁は相変わらず強気な読みをしているが、その根拠は示されていない。さらに、気になるのは外交問題だ。米国が仲介に入っても、韓国や中国との関係に良化のきざしは見られない。はっきりしていることは、米国としては、日韓、日中で緊張感を作り出すような、安倍政権の靖国参拝などに、強い懸念を示していることだ。クリミヤ編入のウクライナ問題でも、ロシアと欧米の間で日本は右往左往状態。内政においても数々の問題を抱えている日本だが、外交においても日本の独断行為に大きな縛りがかけられている状況だ。持病の潰瘍性大腸炎は大丈夫なのか。

岡留安則
元『噂の眞相』編集長・発行人。独自の政治・経済分析がある。

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