東北発☆未来塾「映像のチカラ ドキュメンタリー編 戻らない日常を描く」 2014.04.07

(但野)誰かお願いです。
私たちの話を聞いて下さい。
子供の訴えを無視しないで下さい!福島の高校生が震災後に作った舞台。
震災の苦しみを訴えたこの舞台は全国で公演され反響を呼びました。
こんな今に未来なんて持てる訳ないじゃない!彼女たちは高校卒業を前にもう一度震災と向き合い福島の現状を伝えたいと考えました。
今度は映像というツールに思いを託して。
経験したくせに何も考えないで止まってヘラヘラ生きていくのは嫌なので。
今回彼女たちに映像作りを教えてくれるのが映画監督の是枝裕和さんです。
是枝さんは去年カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞。
今や世界中から注目される映画監督の一人です。
生徒たちにとって本格的な映像作りは今回が初めて。
是枝さんが取材から編集までのノウハウを徹底的に教えます。
(是枝)それはウソだからね。
映像には見た人の心を動かす「チカラ」がある!是枝監督による映像塾開講です!321!「東北発☆未来塾」。
どうも「東北発☆未来塾」。
応援団長のサンドウィッチマン。
どうも。
4月は「映像のチカラ」がテーマです。
これまで映画やドキュメンタリー作品を数多く手がけてきた是枝裕和さんが講師です。
取材から編集まで映像作りのウハウハを学ぶという。
ノウハウ。
取材のウハウハって何ですか?ノウハウ?取材のノウハウを学びたいと思います。
今回は福島県相馬市が舞台です。
ここは津波や原発事故でまだ避難生活をしている人が多い所ですよね。
大変な地域でございますけども。
震災はまだ終わってないという事なんですね。
この状況の中で映像が何を伝えられるのか考えていきましょう。
今年2月是枝さんは福島県立相馬高校を訪れました。
実は是枝さんは震災のあとにこの高校を訪れ当時の生徒に映像作りを教えた事があります。
今回は3年ぶりの訪問。
部活動の一つ放送局に所属する生徒たちを訪ねました。
こんにちは。
(生徒たち)おはようございます。
映画監督の是枝といいます。
よろしくお願いします。
(生徒たち)よろしくお願いします。
今回映像作りに挑むのは卒業を控えた3年生の3人。
それを下級生が手伝います。
3年生の但野仁美さんはドキュメンタリーを作ります。
すごい本当に唐突なんだけど…。
震災で変わってしまった日常をテーマに撮影しています。
自宅の近くに設置された放射線量を計るモニタリングポストです。
但野さんはこれまで震災をテーマにした舞台の主役を務めるなど震災を伝える活動を続けてきました。
望美のように死ぬほど苦しんでいる人がいる事を忘れないで下さい!高校卒業を控え但野さんには伝えたい事があるといいます。
高校に入学するっていう手前の時に震災を体験してその複雑な気持ちのままに高校入学して何かみんな本当に高校生独特の普通の悩みだけで生きてこれたはずなのに余計なものもいろいろ背負ってみんなきっと生きてるなって思った時に自分たちの住んでる背景っていうのを…。
但野さんは撮影も編集も今回が初めて。
ひとまず編集したものを是枝さんに見てもらいました。
すみません。
タイトルは模索した結果まだつけられてないです。
模索したいくつかのタイトルはどんなタイトルですか?その辺り似たような言葉をウロウロしてたんですけど。
撮る前にタイトルが決まってる必要はないんですよ。
ただどんな思いで撮り始めたのかなっていうのがちょっと聞いておきたかっただけなんで。
じゃあ見ましょうか。
10分ほどのVTRにまとめたものがこちらです。
(但野)「3月11日。
あの日私たちの日常は私たちのふるさと福島は大きく変わってしまった。
でもその変化は日々が過ぎるごとにまた日常へと戻っていった」。
(但野)「まだ続いているっていう感覚はある?素直に」。
「相馬に住んでるからそれはあるよ。
原発の事が流れれば気になるし一番は原発かな」。
(但野)「私の家の周りのあちこちに黒い袋が最近目立つようになってきた。
この袋は除染で出たゴミが詰められた袋だ。
たくさんの事が変わってしまった。
でも私たちは私たちのままだ。
これからも苦しむかもしれない。
でも苦しかった分これから私たちは自分の足で幸せに向かって歩いていくんだ」。
ただラストがねあれよ。
そう見えました?うん。
覚悟として自分の気持ちを語るのも時には必要かもしれませんけれども3年前に来た時にちょっと気になったのは見せていただいたものがまだ震災からそんなに月日がたっていないのに結構何かね突然エンディングに来て前向きなんだよ。
急に笑顔で終わってたりする。
「私たちはこれを乗り越えていきたい」みたいなまとめ方をしていて。
すごい反省したの。
3年前に来た時にこれは絶対大人が放送という場所でこういうものを作ってき続けちゃったからそういうものに触れた皆さんがドキュメンタリーっていうのはこうやってまとめるもんだってすり込まれたんだろうと思って。
それは本当にいかんと思ったんですよ。
特にNHKが。
但野さんには友人を取材する時いつも悩んでいる事があります。
どうしようかなと思った事があって。
やっぱりカメラを向けるとちょっと高校生ってすごく敏感なんですよ。
相手が?はい。
何かありますか?コツとか。
自然…う〜ん。
ドキュメンタリーが撮れるのってカメラがそこに入って変わってしまった状況しか撮れないんですよ。
それは前提として受け入れざるをえないというかそういうものとしてドキュメンタリーって成立してるんだというふうに見る側も作る側も思ったほうがいい。
撮る側と撮られる側の関係に根ざしたしかもカメラが入って変質してしまった非日常しか基本的には撮れない。
是枝といいます。
今日はついていきます。
ではどうすれば相手の気持ちを自然に引き出せるのか。
是枝さんも取材に同行し一緒に考えます。
最近仮設住宅から引っ越したという友人のお宅です。
ディレクターはここで。
事前に用意した質問項目をチェック。
3年間の高校生活について話を聞きます。
入学式から振り返ってみてどうだった?今まで。
(村田)振り返ってみて3年間すごい早かったなあって思って。
私ずっと仮設住宅に住んでたから…。
ちょっとごめんなさい。
今のなしでいいですか。
(但野)いいよいいよそのまま続けて。
不安じゃなかった?あの当時。
(村田)いやもう不安でしたね。
物はないしみんなみたいにいろんな物をそろえられなくて。
いつもしゃべる口調でいいんだよ。
本当に?「ありましたね」とか言うから。
やだもう…。
なかなか緊張がほぐれないまま15分が経過。
卒業式はどう?泣きそう?
(村田)泣き顔見せると…。
ありがとう。
本当に?何かろくな事言ってないよね。
う〜ん。
全然。
すみません。
いきなり来た東京の変な人がいきなり質問する事じゃないかもしれませんが…。
いやいや。
震災の時に携帯だけ持って家を出たってさっき話されてたけど…。
いや2階に置いてあります。
その時の携帯?その時の携帯です。
何か愛着あって。
すごいいっぱい入ってる。
見せて。
すごい今と違う。
(村田)ほら。
眼鏡かけちゃってるよ。
懐かしい。
携帯ある?見せてもらえるなら。
これいつ撮った?避難所ずっとジャージ生活だったなと思ったら出てきちゃった。
携帯電話を見始めてから友人自ら進んで話すようになりました。
やめてよ。
別に好きで着てる訳じゃないんだけど。
2人で話してる時涙流した。
(村田)泣いちゃった。
(母親)子供たちやっぱりかわいそうでね。
本当今こうやって生活できてますけども本当にそれまではもう出ていこうかなと思った事正直何回もあったし。
でも子供たちの姿を見ててね投げ出せない事がいっぱいあって。
子供たちに助けられた。
たった一つの携帯電話で相手の気持ちを深く知る事ができるんですね。
あの携帯の話は思い出させたくないなという何だろうな。
優しさから躊躇するかもしれないけれどもやっぱりそれだけを持って家を出たっていう非常に貴重な話が彼女から出てきてるから直後に聞かなくてもいいけれどもどっかでやっぱり…。
やっぱりそれを聞いて持ってきてくれたところで彼女が開いたらやっぱりそばに行きやすいじゃない。
取材者は。
それは友達だから行く訳ではなくてあのアイテムは…。
インタビューする時に大事な事とは。
一番大事なところはね。
難しいんだけど用意した質問を順番に聞いていくという事は一度やめたほうがいいと思う。
(但野)やめたほうがいい。
うんやめたほうがいい。
1問目の質問は用意して構わない。
用意しておいてもいいんだけど1問目の質問を聞いて何かしら答えが返ってきた時に…。
そうするとキャッチボールになっていって対話になってくるんだけど。
え〜っと2つ目の質問ですってやっていくと1つ目の答えが2つ目の質問に生かされなくなるから。
ありがとうございます。
「映像のチカラ」ゴールデンルール。
今回の取材を受けて但野さんは映像のストーリーを再検討します。
最初は震災で変わってしまった風景に自分の思いを乗せて描こうとしていましたが。
今日のインタビューとかあとお母さんの話をやっぱり聞いてもう一回ちゃんと構成から何から考えなきゃなと思って。
ここにもう当てはめられないって私は思いました。
正しいと思いますよ。
でも構成ってそういうもんだからね。
それは必要な作業なので頑張ってやってみて下さい。
頑張ります。
なるほどね。
でもせっかく作った話の流れを大きく変えるのって難しいでしょ。
そらそうだよ。
頭抱えてる。
そりゃ悩みますよ。
我々サンドウィッチマンも悩みながらネタ作ってます。
ネタ作ってんのほぼ俺じゃねえか。
まあそういう事にしとこう。
お前か作ってるのは。
さて次回はもう一人すごく悩みながら友人を取材している生徒が登場します。
確かに難しいよね。
そこで是枝さんが取材相手とどう向き合うのかアドバイスしてくれます。
「東北発☆未来塾」。
次回も見てね。
2014/04/07(月) 23:00〜23:20
NHKEテレ1大阪
東北発☆未来塾「映像のチカラ ドキュメンタリー編 戻らない日常を描く」[解][字]

世界から注目される映画監督・是枝裕和さんから「映像のチカラ」を学ぶ。舞台は福島県立相馬高校。震災で変わってしまった日常をどう描くのか?【ナレーター】川島海荷

詳細情報
番組内容
カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞し、今や日本を代表する映画監督の一人・是枝裕和さん。高校卒業を控え、もう一度震災と向き合って、福島の現状を伝えたい3人の女子高校生に「映像のチカラ」を伝える。本格的な映像づくりは初めてという3人に、是枝さんが教える取材から編集までのノウハウとは? 見た人の心を動かす映像の作り方とは? インタビューの心構えとは? 是枝映像塾スタート! 【応援団長】サンドウィッチマン
出演者
【出演】映画監督…是枝裕和,サンドウィッチマン,【語り】川島海荷

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
趣味/教育 – 大学生・受験
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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