(風間)
大切な人と訪れたい。
そんなレストランが京都にあります
いらっしゃいませ。
ご案内致します。
舞鶴湾を見下ろす美しい景色
本格的なフランス料理
そして心の込もったサービス
このレストランで働いているのは障害がある人たちです
皆ここで働く事が誇りです
ようこそ私たちの夢のレストランへ
僕たちは皆つらい事悲しい事悔しい事にぶつかり前に進めなくなってしまう時があります。
そんな時見えない壁を壊してくれるのは誰かが言ってくれた何気ないひと言かもしれない。
ある朝ふと思いついた小さな気付きかもしれない。
再び一歩前に踏み出すヒントを探る番組「ブレイクスルー」。
今日の舞台は京都の夢あふれるフレンチレストランです。
毎朝9時。
いつものようにいつもの場所にいつもの仲間が集まります。
(取材者)皆さん座る席は決まってるんですか?いやどこでも。
バラバラ。
バラバラやんな。
うんバラバラ。
どこでも構わへん。
美しいリアス式海岸を望む丘の上に今回の舞台はあります。
予約が取れないと人気のフレンチレストランです。
掃除機を持ってやって来たのは…ほのぼの屋の一日は掃除から始まります。
前日の夕方しっかり掃除した店内を翌朝再び30分かけて磨き上げます。
オープンして12年ずっと続いている日課です。
このレストランで働いている人のほとんどが障害や難病を抱えています。
それぞれの個性を生かした仕事で心の込もったサービスをしています。
精神疾患を患う…周囲に気を遣い過ぎる自分に悩んできました。
ここではきめこまやかな気配りでスタッフのリーダーを任されています。
六田さんの指示でテーブルの配置は毎日換わります。
予約客の要望や人数に合わせた配慮です。
イケメンウエイターとして女性客に人気の…統合失調症を抱えながら働いています。
テーブルセッティングのチーフ下森君子さんは13年前からうつ病を患っています。
責任感が強くきちょうめんな下森さんはテーブルクロスを寸分の狂いなくそろえます。
お客さんが何度も通いたいと思ってくれるレストラン。
ここで働く事はスタッフみんなの誇りです。
ここで働くんが夢だったんです。
(取材者)そうなんですか。
はいそうなんですよ。
お金もらえる事。
貯金。
(取材者)貯金?本当に全員いい顔してるなっていうのが。
今見てて思う事なんですけどいかがでしたか安藤さん。
プロフェッショナルの集団というか特にあのトイレの掃除のしかた。
どこの主婦にも負けないぐらいの。
あんなに一生懸命。
完全にしっかり手着いてこう拭いてましたもんね。
グワ〜ッて。
何より楽しそうじゃないですか。
こんなにね本当に今見ててもきめの細かいサービスをあんなに生き生きと楽しそうにやってVTR見てるだけでちょっと楽しくなってくる感じですもんね。
あんなに毎日楽しく仕事ができてる人がどれだけいるのかっていう。
できてるかな〜…。
シェフの…三重の有名ホテルの副料理長を務めるなど引く手あまたの料理人でしたが7年前この店に移ってきました。
午前11時半。
ランチ営業が始まります。
コースの料金は1,800円から。
手頃な値段で本格的なフランス料理を楽しめます。
結婚式場としても人気です。
店の自慢のサービスを支えているのは接客のスタッフだけではありません。
店の裏側ではテーブルクロスやナプキンの洗濯アイロンがけに大忙し。
一枚一枚手作業です。
この店ではクリーニングを業者に頼まず全て店のスタッフだけで行っています。
小さなしわ一つ見逃しません。
任された仕事への責任感は常に人一倍です。
みんなと離れた場所で一人黙々と仕事をしている女性がいます。
立山さんは中学生の時発達障害と診断されました。
集団行動が苦手ですが決められたルールは誰よりも真面目に守り手を抜く事はありません。
(取材者)そのタオルは何に使うタオルなんですか?高校卒業後ほのぼの屋で働き始めた立山さん。
しかし集団行動についていけず何度もパニックを起こしました。
「自分は駄目な人間だ」。
毎日のように「仕事を辞めたい」と口にしていました。
そんな立山さんを変えてくれたのは店のスタッフがかけてくれたある言葉でした。
(取材者)「辞めるのはやめましょう」って言われたんですか?スタジオにはVTRに登場した立山景子さん近久学さんそして総支配人の西澤心さんにお越し頂いてます。
よろしくお願いします。
(一同)よろしくお願いします。
いや〜今のVTRの中で立山さんが「ほのぼの屋辞めるのやめましょう」って言われてこう気持ちが変わったっていうお話をしてたんですけどそれまでってちょっと辞めたいなとかつらいなっていう気持ちがあったんですか?はいいっぱいありました。
人間関係がうまくいかなかったりやっぱりこの仕事が掃除をしたりアイロンしたりしなきゃいけないので一日中せわしすぎてそれで仕事についていけなくて辞めようっていう事も考えていました。
自分は必要とされてるんだって思えたってさっき言ってくれててだからそれまでってもしかしたらちょっとここにいていいのかなとかっていう気持ちがあったのかなって思うんですけどどうですかね?10%ぐらいはあったと思います。
(西澤)すごく丁寧な仕事をするんですよね。
ホントに完璧な仕事ができるようになってきて一緒に働いてる人たちからの評価がすごい。
だから単なる言葉で「ここにいてもらわなきゃ困るんだ」っていう事だけじゃなくて本当にここにいてもらうだけの「あなたいい仕事してるよ」っていう事を周りが彼女に伝えていったんだと思うんですね。
どうですか?近久さんは働いてて周りの仲間を見ててすてきだなって思う瞬間っていうのは多いですか?やっぱり優しい言葉のかけ合いですかね。
例えばちょっとしんどかったら「大丈夫か」とか「いやでも僕は頑張るよ」って言えるし逆にしんどそうな人がいたら「大丈夫か。
30分休憩してきたら」とか言えるようになったしそういう気持ちも分かるんでお互い助け合っていられる所なんで。
これやってやったって思った瞬間って最近ありました?例えばウエディングの披露宴だとか人がいない中だとかそういう時とかみんなで力を合わせればできるなってそういうのは達成感っていうのは感じた時はものすごいあります。
特にウエディングの時とかそういう大きな。
いつもと違う事をしててしかもその人たちの人生に一度の事だから絶対失敗したくないですよね。
(近久)はい。
でもそういう時の達成感ってやっぱりすごいですか?すごいです。
多分誰にも負けないと思います。
本当にすてきなレストランだなって思うんですけど西澤さんどうして障害のある方々と一緒にほのぼの屋をやろうって思われたんですか?1997年の頃だったと思うんですけれどもそれまでの共同作業所が手狭になってどこかに新しい箱を作らないともう通う場所がないっていうタイミングでその時通ってきてた80名全員にアンケートをお願いしたんですね。
一つはそのころお支払いしていました給料が多い人で2万円ぐらい。
月額ですよ。
「1か月いくらぐらいの給料があったらやっていけますか」っていうのが1つ目の質問でその中でグループホームといいまして障害のある方たちが5人共同生活をしてるそのグループホームから共同作業所に通ってきてる2人が4万か5万って書いてあったんですね。
一番最初レストランの前に古本屋をみんなで立ち上げていきましてその古本屋のオープンから半年が経過した頃に週5日6時間仕事してる人の平均の給料が初めて5万円支払えるようになったんですよね。
その5万円以前の頃っていうのは飲みに行く時は必ず僕に「飲みに連れてってえな」って言ってた人たちがね「飲みに連れてってえな」「連れていく」という関係においては支払いは全部私なんですね。
ところが5万〜6万の給料になってきますと今までは涙目で訴えるように「心さん飲みに連れてってえな」って言うてた人たちが給料が上がりますとね「心さん飲みに行こか」。
かっこいい。
「行こか」「行こか」で行きましてね割り勘なんです。
古本屋で手応えをつかんだ西澤さんは次にレストランをオープン。
以前からみんながやってみたいと希望していた仕事でした。
この地域では珍しいフレンチレストランは大ヒット。
店は連日大忙しとなりました。
我々職員っていうのは本来うちで働く障害のある人たちを支えるサポートするっていうのが我々の役目なんですけども全くもってその役割が果たせなかったんですね。
店を回すのが精いっぱいっていうか。
そんな状況が何か月も続いていく中で本当にサポートっていうか支援らしい支援というのが全くできなかった。
でも結果的にそこがよかってみんなうちで働く人たちがそれぞれ考えるんですよ。
何考えたかと言いますと「今何したらええんやろう」「次何したらええんやろう」っていうのをそれぞれのペースですけれどもそれぞれ考えてそれぞれがめいめい実行に移していったんですね。
実行に移していった瞬間からレストランにとってなくてはならん戦力に変わっていく訳ですよ。
…で1年が経過した頃なんですけどもそのうちの働いている一人が「今までいろんな仕事をやってきたんやけど生まれて初めて自分の仕事に誇りが持てる」っていうふうに言うてくれたんですね。
ちょっと振り返って見てみるとその彼は先ほどの古本屋でも機嫌ように仕事してたんですよ。
でもそこは誇りが持てない。
でもレストランは誇りが持てる。
何が違うのかなって考えてみたらひょっとしたら前の仕事っていうのはあてがわれてる仕事させられてる仕事やったかもしれん。
機嫌ようにやってるかのように見えて。
でもレストランの方は誰も何にも教えてくれない。
我々の支援はない。
自分で考えないといけない。
だから自分の仕事だから誇りが持てる。
足元気を付けて下さい。
ウエイターとして働く近久学さんです。
(取材者)きれいな所ですね。
ありがとうございます。
近久さんは障害がある人たちのためのグループホームで暮らしています。
うわ〜きれいな部屋ですね。
完璧に整理整頓されています。
自慢のエレキギターの腕前を披露してくれました。
近久さんは16歳の時上京。
プロのギタリストになってステージに立つのが夢でした。
しかし慣れない大都会での一人暮らし。
バイト先で叱られてばかりの毎日に近久さんは追い詰められていきました。
故郷の舞鶴に戻り統合失調症と診断された近久さん。
友人の紹介でほのぼの屋で働き始めました。
しかし幻聴や幻覚が治まる事はなくたまらず職場を離れる事が続きました。
仕事を続ける事ができなくなった近久さんは精神科に入院し2か月間治療を受けました。
退院後店に復帰した近久さん。
しかしミュージシャンの夢が破れた挫折感から仕事にやりがいが感じられませんでした。
そんな近久さんを変えたのはお客さんからのひと言でした。
僕は今ずっと憧れていたステージに立っている。
僕が本当にしたかったのはお客さんに喜んでもらう仕事。
近久さんはウエイターの仕事も夢の舞台だと気付いたのです。
本当にすばらしい言葉だなって思うんですけれどもそれからは全然見える世界が違うって感じですか?そう気付けてからは。
(近久)そうですねはい。
今日はこういう舞台だとか今日はこういうお客さんだから自分が主人公というかそんな気持ちなんですか?例えば60名だとか満席のお客さんの時は今日は日本武道館やなとか。
(2人)おお〜。
(近久)そんなんですかね。
どんな薬や治療よりも人の言葉かけられたひと言がその人の心に響いて病状がよくなったりするっていうのはそれもそうですよね。
やっぱりね薬より人間関係でしょうね。
コミュニケーションだと思います僕は。
本当に2007年の映像の近久さんのお顔と今のお顔だと本当に今のお顔すっごくすてきな顔してるなっていうのが本当によく分かるなと思って。
ありがとうございます。
ある意味別人ですね。
ありがとうございます。
何か大変身でイケメン代表で。
よく冷やかされますイケメン。
舞台作りっていうのは本当にね結果的になんですけどできたんだろうなって。
そこは一生懸命かなり頑張ったんだけどでも実際にそこで我々も一スタッフとして関わっている訳ですけれどもでも実際に演奏している人たちっていうのはうちの障害のある人たちがほとんどじゃないですか。
そこがすごいみんな力量を勝手につけていった。
勝手にブレイクスルー。
だから我々にしてみたら振り向けばブレイクスルー。
そんな感じなんですよね。
2014/04/07(月) 20:00〜20:30
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV ブレイクスルー「file1 僕らの夢のレストラン 京都」[字]
ハートネットTVの新企画ブレイクスルー。初回は京都のフレンチレストラン。店で働く障害者たちの幸せのカタチを見つめる。出演:風間俊介・安藤桃子、音楽:若旦那
詳細情報
番組内容
ハートネットTVの新企画「ブレイクスルー」。壁にぶつかって悩んだとき、一歩前に進むためのヒントを探る。初回の舞台は、京都にあるフレンチレストラン「ほのぼの屋」。障害のあるスタッフたちが、ほかでは味わえない心のこもったサービスを生みだし、予約の絶えない人気店となっている。メンバーが働くことを通して見つけた、かけがえのない夢とは…。【出演】風間俊介(タレント)、安藤桃子(映画監督)【テーマ音楽】若旦那
出演者
【出演】風間俊介,映画監督…安藤桃子
ジャンル :
福祉 – その他
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
福祉 – 障害者
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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