聖母・聖美物語 #06【ワインセラーの悪夢!?】 2014.04.07

(聖美)赤ちゃん駄目だった。
(愛美)見つけたのよ昼間の仕事。
(愛美)それでね終わるまで峻のこと預かってほしいんだけど。
(聖美)えっ?
(繁郎)聖母だ。
まさしく聖母の降臨だ。
(聖美)はい。
お待ち遠さま。
熱いから気を付けてね。
よいしょ。
はい。
(峻)いただきます。
(聖美)はい。
(峻)おじちゃん。
(繁郎)うん?
(峻)いただきます。
(繁郎)ああ。
(聖美)はい。
(繁郎)いただきます。
(峻)あっ。
熱い。
(聖美)ああ。
ちゃんとフーフーしなきゃ。
慌てない慌てない。
(繁郎)いいもんだね。
子供がいるって。
(繁郎)おいしいかい?
(峻)ママにも食べさせてあげたい。
優しいんだな。
峻君は。
(聖美)大丈夫よ。
ママの分も作ってあるから。
おふくろそろそろ帰ってくるんじゃない?顔合わせるとまずいんじゃ?その妹さんと。
お能の会の後先生を囲んでお食事会があるんですって。
遅くなるっておっしゃってた。
ああ。
そう。
あれ何?いろんな色のカーテンみたいな。
渡り廊下で病院へ行けるようになってるの。
おじちゃんはねあそこからお出掛けするの。
お幕ってあの布揚げて。
お幕?おじちゃんのお母さんの趣味なんだ。
お能が好きでね能楽堂のまねをしてるんだよ。
能楽堂?能はね歌舞伎より古い日本の古典芸能。
舞台の出入り口に五色の幕が掛かってて。
神様やお化けや奇麗な女の人なんかがみんなそこから出てくるんだ。
お幕って。

(雅楽)
(峻)ふーん。
サラダも食べて峻君。
あっ。
おじちゃんが取ってあげよう。
はいはいはいはい。
たくさん食べるんだよ。
ブロッコリーも。
はい。
どうぞ。
ありがとう。
うん。

(愛美)峻。
どこ?迎えに来たよ。
(峻)あっ。
来た。
(愛美)峻。
峻。
峻!
(峻)ママ!
(愛美)ただいま。
ごめんね遅くなって。
早く帰ろう。
(峻)グラタンおいしいよ。
ママの分もあるって。
(愛美)グラタン?おかえりなさい。
その節はどうも。
上がってちょうだい。
峻君。
そこのスリッパ出してあげて。
(峻)うん。
(峻)おじちゃん。
お幕近くで見てもいい?ああ。
いいよ。
さあ。
おいでおいで。
(峻)お幕。
(愛美)ああ。
すいすいいけちゃう。
ワインってこんなおいしかったっけ?あっ。
私がいたキャバクラさ安いワインごまかして高く売りつけてるって噂だったけどこれホント全然違うわ。
かなり上等なブルゴーニュだから。
(愛美)ほら。
兄さんも飲んで飲んで。
ああ。
僕はもう。
酔うほど飲むとせっかくのワインの味が分からなくなるし。
お酒って酔っぱらうために飲むんじゃないの?峻。
あんたもこんなうちに生まれればよかったね。
広くて奇麗なおうちで毎日たらふくごちそう食べていいお酒飲んでね。
さすがに子供にお酒は。
ものの例えだって。
いちいち細かいな。
ねえ峻。
あんたいっそのことここんちの子にしてもらっちゃいなよ。
フッ。
そっか。
貧乏でもやっぱママがいっか。
(峻)うん。
(愛美)フフフ。
愛美。
新しいお勤めってどんなところ?昼間の仕事ってことは前みたいのじゃなく…。
パチンコ屋。
何か問題でも?だったら峻君を幼稚園へ送ってから仕事に行けるわね。
入園料と保育料。
幼稚園の助成金が出るんですって。
さっき役所へ行って書類をもらってきたの。
なかなか充実してるわよ。
母子家庭は普通より優遇されるみたいだし。
これだけ安くなるんだったら利用しない手はない。
もっと早く気付けばよかったね。
面倒なんだ?峻預かるのが。
ここにいたら邪魔だからうっとうしいから早く幼稚園へやれっていうんでしょ?違うわ。
だって幼稚園が終わった後だって一人にしておくわけにはいかないし。
お迎えは私が行ったって。
だいたいあなたさっき今日だけでいいからって無理やり峻君を置いてったのよ。
それが何で毎日預かるのが当然みたいな。
(愛美)やっぱり迷惑だったんだ。
甘かったよ。
あんたに頼ろうなんて。
私はね愛美。
あんたのためを思って言ってるの。
峻君のためを思って言ってるのよ。
毎日一人じゃかわいそう。
幼稚園行けばお友達もできるし峻君だってきっと行きたいって。
私に言わせりゃぜいたく品なんだよお友達なんて。
私がいた施設にだって自分と似たような年の子はいくらもいた。
だけど心を許せるような相手は一人もいなかった。
みんなうたぐり深くて腹探り合って隙さえあれば人の足を引っ張ろうとする。
殴られたりぶたれたりそういう分かりやすいいじめの方がよっぽどましだった。
大人たちは弱い者の言うことなんかに耳も貸してくれない。
それどころかだんだんいやらしい目を向けるようになってきて。
施設を抜け出してからもずっとそう。
親切な男はいつだって体だけが目当てだった。
命からがら逃げ出して年ごまかして働いて。
やっとやっと心から信じられるって思える相手に出会えたのに。
その人が峻君のお父さん?
(愛美)ねえお兄さん。
2人のなれ初め聞かせてよ。
確かこの病院で出会ったんだよね?お姉さんが星川先生のお使いで患者さんのお見舞いに来てそこでばったり。
その一瞬で病院の院長先生と恋が芽生えちゃうなんてすごいな。
一瞬っていうわけじゃ。
星川先生さぞびっくりしただろうね。
まさか自分がそんなきっかけつくっちゃうなんて。
もういいでしょそのくらいで。
結婚して夫婦になってしまえば恋のきっかけなんて気恥ずかしいだけよ。
(愛美)フッ。
新婚さんが渋いこと言っちゃって。
普通子供ができてからでしょ。
男と女が本当の夫婦らしくなれるのは。
お母さんの呪いかもしれない。
だから赤ちゃんができないのかも。
だって私はちゃんと峻を授かったのに同じ親から生まれた姉さんは不妊治療で他人の手を借りなきゃ赤ちゃんが産めないなんて。
死んでも消えないお母さんの恨み。
よっぽど根が深いんだろうな。
やめて。
《あっ…》やめて。
(愛美)偽善者。
いいかげんいい子ぶるのやめたらどうなの?この偽善者。
あんたがどうやってお母さんのことを追い詰めたのか。
(愛美)星川先生をどうやって傷つけたのかお兄さんの前でホントのことを…。
(愛美)どこ行ったの?2人とも。
(峻)すごいねおじちゃん。
ヘヘヘ。
おじちゃんの宝物。
峻君が初めてだな。
自分から誰かをここへ招き入れたのは。
奇麗だろ?ワインは瓶に詰められたときはまだ赤ちゃん。
ゆっくり時間をかけて熟成されて少しずつ大人になっていくんだよ。
生きてるの?ああ。
生きてるさ。
峻君やおじちゃんと同じように静かに呼吸をしながら飲みごろになる日を待ってるんだ。
(愛美)どうして逃げるんですか?人が大事な話してるのに。
えっ?
(愛美)だらしない男。
やめなさい愛美。
繁郎さんは峻君のこと気遣って…。
出てってくれないか。
ここは神聖な部屋なんだ。
(愛美)ただの酒蔵でしょこんなもん。
飲めば消えちゃうものをもったいぶって。
やめろ。
触るな。
手あかをつけるな!
(愛美)峻。
こっちに来な。
こんなのと一緒にいたらうじ虫がうつっちゃう。
うじ虫?がきのころからずっとおふくろさんに守られてきたんでしょう?一人で手に負えないって分かったら泣いて「ママ」って逃げ出して。
そういううじうじした男だからこういう欲ったかりの女に目を付けられるんだよ。
何で君にそんなことを。
もしかして赤ちゃんができないのこの人のせいなんじゃない?不妊はたいてい女のせいっていわれるけどそうじゃないことも多いらしいよ。
ちゃんと調べてもらった方がいいんじゃない?僕は…。
僕は…。
・「泣き虫毛虫はさんで捨てろ泣き虫毛虫はさんで捨てろ」ほら。
峻も歌ってやんな。
・「うじ虫毛虫はさんで捨てろ」
(峻)ママ。
もう帰ろう。
帰ろう。
(愛美)分かったよ。
あなた。
繁郎さん。
出てってくれ!一人にしてくれ。
汚い。
汚い。
空気が汚れちまった。
あんな恐ろしい女が世の中にいるなんて。
みんな怖かったろ。
ごめんよ。
すぐに奇麗な空気に戻してあげる。
温度も下げてあげるからね。
ハァー。
もう大丈夫だ。
さあみんな。
ゆっくり休みなさい。
・「ねむれねむれ母のむねに」もう大丈夫だ。
もう大丈夫だよ。
うじ虫…。

(波津子)やれやれ。
なかなかタクシーがつかまらなくて。
おかえりなさい。
(波津子)ただいま。
お土産におまんじゅう頂いたの。
お茶入れてちょうだい。
はい。
いかがでした?今日のお能は。
(波津子)それがね聖美さん。
聞いてちょうだい。
とにかく素晴らしくてびっくりしたの。
今夜はね『梅』っていうおシテをなさったのうちの先生。
梅って…。
だから梅よ。
梅の花の精。
で最後にねこんなふうにする型があったの。
・「花咲き実を結び」って。
こうやってこう。
ねっ。
まるで赤ちゃんを身ごもったみたいでしょ?赤ちゃんを?それでね最後に先生に伺ったらホントにそうなんですって。
ええ。
おっしゃるとおり。
懐胎を示唆する心で務めますって。
お能にあるんですか?そんな赤ちゃんを身ごもるなんて。
私だって初めて見たもの。
もうおったまげたわよ。
予兆よこれは。
予兆?次の体外受精できっと赤ちゃんを授かる。
間違いないわよ。
聖美さん。
うん。
繁郎ちゃんどこ?繁郎。
お茶入りましたよ。
ああー。
チキショー。
バカにしやがって。
ハァー。
俺はうじ虫なんかじゃない。
チキショー。
ああっ。
ちょっと。
やめて。
やめ…。
ちょっと。
やめて。
嫌!ああ。
びっくりした。
下にいるんだとばっかり。
下にいるって?俺はお前の下だってことか?何の話?私はあなたはワインセラーにいるんだろうって。
見下してんだろう。
妹と同じようにお前も俺を。
うじ虫毛虫ってバカにしてるんだ。
真に受けてどうすんの。
あんなたわ言。
酔ってんのね。
大して飲めないくせにどうして。
女に分かってたまるか!嫌!ちょっと。
嫌。
嫌。
嫌。
嫌。
嫌。
嫌!いいわ。
好きなようにして。
無理やりでも何でもいい。
押し込んで解き放ったらいいのよ鬱憤を。
その一撃で私に子供を授けてくれるなら。
私にとってのセックスはそういうもの。
子供を得るためのものなのよ。
あなたの方こそ何にも分かってない。
おやすみなさい。
あっ。
聖美。
君の妹何で星川さんのこと知ってんだ?そうか。
みんな待っててくれたのか。
最初からお前たちとここで寝てればよかったよ。
ハァー。
(波津子)・「花咲き実を結び」花は雄しべと雌しべが出合って実を結ぶ。
繁郎と聖美さんは弘明の顕微鏡の下で。
ああ。
待ち遠しいわね。
次の体外受精。
しっかり体調整えときなさいよ。
(くしゃみ)
(波津子)あら。
おはよう繁郎。
何?風邪でもひいた?院長が風邪っぴきじゃしゃれにもならないわね。
瑞穂さんに言って注射打ってもらいなさいよ。
いってきます。
食べないの?お幕はしなさいよ。
病院はあなたのお舞台。
しゃきっとして出掛けないと。
お幕。
どうしたのかしらあの子。
あっ。
後でおにぎりでも持っていきます。
あったかいお味噌汁も添えて。
ハァー。
あの子ね私のおなかから出てくるときにお幕って言ったのよ。
いや。
私にはそう聞こえたの。
お幕って。
でその瞬間にね助産婦さんが「頭が見えてきましたよ」って。
あの子は自分で人生のお幕を揚げて私の中から飛び出した。
思い出しちゃったわ。
あの子が生まれたあのときのこと。
何とも言えない神聖なあったかい気持ちだった。
あなたもこれからその喜びを体験できる。
ちょっとうらやましいわ。
(くしゃみ)
(弘明)何ですか?聞きたいことって。
僕にもあるのか?
(弘明)うん?僕にも問題があるのか?聖美が妊娠しないのは。
(弘明)ああ。
そのこと。
正直言ってないこともないですね。
そうなの?
(弘明)あまり元気がないんですよ精子の動きに。
数も多いとはいえないし。
やっぱり。
ずっと気になってたんだ。
聖美一人のせいじゃないんじゃないかって。
どうして言ってくれなかったんだよもっと早く。
(弘明)必要以上に傷つくでしょ。
兄さんはそういうこと。
それが分かっててコンプレックスを刺激するようなこと同じ男として言えませんよ。
医者としてじゃなくてね。
コンプレックス?何だったら念のため精巣生検してみましょうか?製造器がどれぐらいちゃんと精子をつくっているのか徹底的に。
うん…。
でもそれでもし駄目って烙印押されたら。
一度はちゃんと受精したんです。
兄さん自身の精子の力で。
何も気に病むことありませんって。
むなしいんだよ何だか。
むなしい?安っぽい女の裸の写真見ながら搾りだした液体が自分を父親にするんだと思うとさ。
それが男ってもんです。
事これに関しては男は使役ですから。
妊娠出産は女が主役。
カマキリがいい例だ。
カマキリ?知ってるでしょ。
カマキリの雄は交尾の真っ最中や終わった直後雌にバリバリ食われちまうって。
それでも罪悪感があるんなら今度はエロ本なんか使うのやめて姉さんの麗しい裸でも思い浮かべて採取したらいいじゃないですか。
まっ。
頑張って。
(チャイム)はーい。
ただ今。
よく来られたわね。
昨日の今日で。
2014/04/07(月) 13:30〜14:00
関西テレビ1
聖母・聖美物語 #06[字][デ]【ワインセラーの悪夢!?】

聖美(東風万智子)は、妹・愛美(三輪ひとみ)の息子の面倒を見ることを姑に認められ、繁郎(原田龍二)と本当の家族のように過ごす。さらに、待望の妊娠が判明するが…。

詳細情報
番組内容
 聖美(東風万智子)は、愛美(三輪ひとみ)から無理やり押し付けられた峻(大硲真陽)の面倒をみることになる。幸い、波津子(丘みつ子)が出かけていたこともあり、繁郎(原田龍二)と三人で夕食を取っていると、まるで本当の家族のような温かさに包まれる。
 そこに仕事を終えた愛美が峻を迎えにやって来る。柳沢家に居座り、繁郎自慢のワインをがぶ飲みした愛美は悪酔いしたかと思ったら、聖美にねちねちと絡み出す。
番組内容2
大人たちの醜態を峻に見せたくない繁郎は峻を、自慢のワインセラーに連れて行く。
 繁郎と峻はワインセラーで楽しく話をしていたが、愛美が現れてその場の雰囲気が一変する。酔いに任せ、繁郎を罵倒する愛美を峻が悲しげな表情で見つめ…。
出演者
柳沢聖美:東風万智子
森尾愛美:三輪ひとみ
柳沢繁郎:原田龍二
柳沢弘明:金子昇
柳沢波津子:丘みつ子
星川真輔:風間トオル ほか
スタッフ
企画:横田誠(東海テレビ)
原作・脚本:いずみ玲演
演出:藤木靖之
プロデュース:西本淳一(東海テレビ)
中頭千廣(TSP)
神戸將光(TSP)
齋藤頼照(TSP)
音楽:辻陽
主題歌:「炎の花」ハルカ ハミングバード(ユニバーサル ミュージック)
制作著作:TSP
制作:東海テレビ
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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