情熱大陸【建築家/安藤忠雄▽信頼関係が中国巨大プロジェクトを築く】 2014.04.06

あの男は72歳を迎えた今も現場を駆け回っていた
(安藤忠雄)なかなかホテルのほうはええん違うかな
今中国で新たな挑戦を始めている
この街は近年空前の建設ラッシュに沸いている
その代表格は2015年に完成予定の超高層ビル
高さはビルとしては世界第2位の632m
爆発的な勢いで力を増していく中国
誰もがその扱いに手を焼く中安藤は10件以上ものプロジェクトを進めている
中国での安藤の人気はすさまじい
上海の名門大学から熱烈のオファーを受けた講演会
楽しいこといっぱいありますよ
建築を志す若者たちで大盛況
立ち見はなんと150人
今も叫ばれ続ける反日の声も安藤には無関係だ
それでも中国での仕事は一筋縄ではいかない
日本との違いに安藤も苦しんでいた
…言うて
安藤忠雄中国と格闘ス
紫禁城や孔子廟といった歴史的建造物が残る観光地の程近くに安藤が進めているプロジェクトがある
建設が始まったのは5年前
クライアントは40代にして20もの会社を率いる…
明の時代から栄えたこの街にふさわしい伝統的な様式を残したホテルと美術館を建てる
この歴史的地区で設計を手がける外国人は安藤が初めてだという
安藤が提案したのは明の時代の瓦屋根を使ったホテルと現代的な美術館を水で包むという計画
水の壁で切り取られた空間は非日常な雰囲気を醸し出す
こちらは去年完成した美術館
更に中国ならではの問題にも直面した
問題となったのは外壁やルーフテラスに使われ作品の重要なテーマとなっていた水
実は北京は慢性的な水不足に悩まされており行政から設計の変更を求められた
2年越しの交渉の末規模を縮小することで折り合いがついたという
しかしこれだけでは終わらないのが中国
オーナーの董氏が現在建設しているホテルの裏の土地を買収
そこにも高級ホテルを建てたいと言いだした
そんな感じやね
増築となれば安藤が設計した敷地全体のトータルバランスが崩れてしまう
だが最初に決めた計画を変更するのは中国では日常茶飯事
更にホテルの施設にも思わぬ変更が…
地下に予定していたスパは設計も終え建設作業に取りかかっていた
にもかかわらずオーナーは急きょミュージアムに変更したいという
ミュージアムを…
クライアントあっての建築家
それは世界中どこで仕事をしても変わらない
とはいえ日本では考えられないオーナーのワンマンぶりにさすがの安藤も…
えっ!?また変わった
結局ホテルのオープンは早くて2年後となってしまった
胃の痛い日々はまだまだ続きそうだ
スパやめてギャラリーに?…と言われてるんですけど
中国で10件以上のプロジェクトを進めてきた安藤が最初に完成させたのが上海のオーロラミュージアム
ここでも中国ならではの思いも寄らない問題に驚かされた
当初予定していたエントランスの池にNGが出た
その理由は風水上ここに水を置くと運気が悪いため
安藤はしかたなく水の代わりに白石を敷き詰め水の輝きを抽象的に表現した
こちらはビルの中にもともとあったミュージアムを安藤が改築したもの
本来安藤は改築の仕事は引き受けない主義なのだが一体どういう風の吹き回しなのか
キーマンとなったのがクライアントの家具メーカー経営者…
自然を取り込むことに定評のある安藤建築にほれ込んでいた彼は知人を介して改築を依頼した
しかし諦めのつかない陳会長はなんと自らの熱意をビデオレターにしたためた
すると後日ついに大阪の安藤事務所に招かれることになった
アハハハハ
地上5階まで吹き抜けのこの建物が安藤の根城だ
ここにもあるこれ
現在進行中のプロジェクトは50を超えその8割が海外の案件
それをわずか30人のスタッフでこなしている
今も毎日安藤自身が全案件の進行状況を欠かさずチェックする
仕事は常に即断即決
それが安藤流
安藤が持ち歩いている手帳を見せてもらった
多い時は一日10件を超える打ち合わせをこなす
毎日が分刻みのスケジュール
すさまじいバイタリティーに驚いていると安藤から「とっておきのものを見せてやろう」と言われた
後日呼び出された場所はなんとボクシングジム
お疲れさまです
ジムのオーナー
この顔に見覚えのある人も多いだろう
日本人ボクサーとして初めて世界2階級制覇を成し遂げた伝説のチャンピオン…
彼のジムで一体何をしようというのか
いつもね…
いつにも増してうれしそうな安藤
あれやともっとええ音するよ原田さんとやったら
建築家を志す前の職業はプロボクサー
リングネームはグレート安藤
戦績13勝3敗7引き分け
昭和30年代共にボクサーの道を歩んだ2人
そして今50年の時を越え2人が同じリングに上がった
ワンツー…ワンツーツーOK!ワンツー連打はいワンツーワンツー…OKOK
往年のチャンピオンに鋭いパンチを打ち込む72歳の建築家
何とも不思議な構図だが…
現役時代の原田との出会いが安藤の人生を大きく変えた
ボクシングに見切りをつけた安藤は独学で建築を学び28歳で大阪に事務所を開く
その名が脚光を浴びたのは住吉の長屋
当時珍しかった打ちっぱなしのコンクリートをメーンに光と風を取り込んだ独創的な空間を造り上げた
その後次々と話題作を発表した安藤は仕事の舞台を海外にも広げる
建物全体が水面に映り込みまるで水の上を歩いているかのようなフォートワース現代美術館をはじめ安藤の作品は世界で高い評価を受け建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞も受賞した
安藤の建築にはずっと変わることのない哲学がある
それは無駄を作ること
その1つの例が安藤の手がけた幼稚園にある
通常の倍以上の広さを持つこの廊下
本来廊下には人が移動できるだけのスペースがあればいい
だがそれをうんと広くすれば移動する以外に何ができるか子供たちが自分の頭で考えるようになる
東京・表参道ヒルズにも商業施設の常識を覆す無駄がある
ここでは巨大な吹き抜けを取り囲むように店が並んでいるため向かいの店に行くにはこのスロープをぐるりと回らなければならない
まさに無駄足
だが実はこのスロープ表参道の坂道と同じ傾斜
建物の中をあえて歩かせることで街を散策する感覚を味わってもらおうという安藤の遊び心
そして…
学生たちを待ち受けるのは全長100mにも及ぶその名も「考える壁」
「人生には乗り越えなければならない壁がある」
一見無駄にしか見えないこの壁には建築によって人に考えるきっかけを与える安藤イズムが注ぎ込まれていた
上海市内から車で1時間
進行中の巨大プロジェクトでも安藤はその哲学を実践しようとしていた
2009年から始まった上海市が進める都市開発計画
わずか6年で10km四方の街を造るという
安藤が設計したのは街のシンボルとなるオペラハウス
そういう割には意外にも劇場を手がけるのは初めて
無駄を作るという安藤の哲学は中国でもうまく表現されているのか
出迎えてくれたのはこの日の視察の案内役
クライアントの統括責任者である…
安藤の設計を忠実に再現すべくチームを引っ張っている
期待と不安が入り交じる中まずは舞台と客席を視察
あぁ上ね…OKOK
ここが半年後には1500人の観客で埋め尽くされる
だがこのオペラハウスの真骨頂は他にある
設計者自ら目を丸くしてカメラを向ける
建物の正面に開いたいびつな穴
これこそ安藤が最もこだわったデザイン
100m四方に及ぶ巨大なオペラハウス
実は先ほど訪れた舞台は全体の4分の1ほどしかない
そして周りのスペースを埋めるのは大きさの違う円筒
さまざまな方向から突き通された3つの円筒は巨大な通路
単なる導線ではなく観客が自分自身を表現できる舞台と化す
ここは円筒が縦に突き抜けたエントランス
すごいなすばらしいな
壮大な空間
天井からこぼれ落ちる光はそこに立つ者をまるでオペラの主役のように演出してくれる
そして2本の円筒の交差点
違う大きさの円が斜めに入り込むこの建物で最も複雑多様な空間
その断面が作り出す穴は自然の光を取り込む巨大な窓
不思議な形に切り取られたダイナミックなパノラマ
人が驚き考え成長できる建築
そして心を豊かにする空間
それが安藤の考える無駄という贅沢だ
その哲学は中国の現場にも着実に受け継がれ始めている
OK?OK?
安藤の新しいプロジェクトが動き始めていた
あ〜どうもこんにちは間に合わへんでそんなもん…アホやから全然間に合わへんで
今回依頼されたのは周りを住宅に囲まれたわずか112坪の敷地
そこに地上2階地下1階の小さな教会を造るという
建築家・安藤忠雄72歳
この男には無理難題がよく似合う
こんなこと言うの初めてだから…いいんですかねカメラ前でこんなこと言っちゃって
人間の威信を懸けコンピューターに挑む
2014/04/06(日) 23:15〜23:45
MBS毎日放送
情熱大陸[字]【建築家/安藤忠雄▽信頼関係が中国巨大プロジェクトを築く】

建築家/安藤忠雄▽北京そして上海…言葉、文化を越える「信頼関係」が、巨大プロジェクトを築く!▽世界的建築家に密着

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番組内容
1998年、2010年に続き、みたび建築家・安藤忠雄に焦点を当てる。現在、手掛けているプロジェクトは国内外を問わず50か所にも及ぶ。その中でも“大きなスケール”と表現する中国の北京と上海を舞台とする2つの作品は、壮大なプロジェクトだ。作品の完成に向けて現場の人間たちと“信頼関係”を築き、前進していく安藤。中国という未知の世界で様々な困難に立ち向かい、信念を貫き続ける世界的建築家の姿に密着する。
出演者
【プロフィール】
安藤忠雄
建築家。1941年大阪府生まれ。独学で建築を学び、1969年に安藤忠雄建築研究所を設立。1979年に「住吉の長屋」で日本建築学会賞を受賞。その後も内外で数多くの賞を受賞。現進行中の建築計画は、アジア、欧米、中東の各地で50か所に及ぶ。建築家にとって必要なものは“体力”と“知的体力”だという安藤は、工事現場の階段を7階まで一気に駆け上がるほどパワフルな72歳だ。
制作
【製作著作】MBS(毎日放送)
【制作協力】ホールマン

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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