アフリカ・ガーナの駐日大使(55)名義で賃借された東京・渋谷のビルの一室で闇カジノが開かれていた事件で、大使が店側から報酬を受け取っていた疑いがあることが、捜査関係者への取材でわかった。警視庁は大使が闇カジノとして使われることを知りながら、金銭目当てで部屋を転貸していた疑いがあると判断。外務省を通じて任意聴取を要請している。

 捜査関係者によると、闇カジノがあったのは渋谷の中心部にある雑居ビルの6階。部屋は2012年9月に前ガーナ駐日大使が外交官の身分証を示して賃借し、昨年3月に賃借人の名義が現大使に変更された。名目上は大使から店側に転貸された形だったが、入り口には大使の名前を記したプレートが掲げられ、カジノであることは隠されていた。一方、大家に対する月約50万円の家賃は店側が負担していたという。

 この部屋で客にトランプを使ったバカラ賭博をさせていたとして、警視庁は先月、店の日本人従業員10人を賭博開帳図利の疑いで逮捕。調べに対して、一部の従業員が「大使もカジノに出入りしていた」「大使には毎月、仲介役を通じて売り上げの一部を現金で手渡ししていた」と供述したという。

 店は12年10月の開店から今年3月までに約800人の客を相手に約2億円を売り上げていたという。

 大使ら外交官には国際条約で定められた「外交特権」があり、住居や身体、通信などは不可侵とされ、捜査機関は家宅捜索や逮捕ができない。この部屋については大使館側から届け出がなかったことなどから、外務省は外交特権が及ばないと判断。警視庁が摘発に踏み切った。

 大使は摘発直後の先月24日に本国に帰国。「捜査に協力するかどうか本国で協議する」と回答したという。大使が事情聴取に応じない場合、外務省がガーナ側にこの大使を「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物)として通告し、本国への召還か解任を求める可能性がある。

 朝日新聞は今月7日にガーナ在日大使館に大使の関与の有無などについて取材を申し込んだが、10日朝の時点で回答はない。