<8%消費税>100円商法 苦渋と忍耐
たこ焼きにラーメン、バス――。県内に「価格100円」を売りにする業者がある。ところが、消費税率引き上げで、100円維持派と値上げ派に対応が分かれた。ぎりぎりの経営努力で〈ワンコイン〉にこだわってきた業者にとって、「8%」は数字以上の衝撃を与えている。(大谷雄一)
■ワンコイン
県内を中心にディスカウントスーパー「ディオ」「ラ・ムー」などを展開する「大黒天物産」(倉敷市)は、全国のスーパー88店中77店で、100円でたこ焼きやかき氷などを販売するファストフード店「パクパク」を併設している。
同社は「『ワンコイン』で食べられるのが店の売り」とし、4月以降も値上げはせず、たこ焼き6個入り100円を維持。従来から客が少ない時間帯の店員の数を減らして効率化を進めてきたほか、閉店後にたこ焼きは併設するスーパーの総菜売り場で販売しており、増税後も収益を上げられるという。
倉敷市堀南の店でたこ焼きを購入した、同市帯高の会社員倉田あすかさん(22)は「週に1回は買いに来ている。家計の味方です」と話していた。
■他部門でカバー
岡山市内で運賃100円の循環バス「めぐりん」を運行する「八晃運輸」(岡山市中区)は、国へ値上げを申請しなかった。運行数の削減もせず、同社バス事業部岡山営業所は「バス料金は10円単位でしか値上げできない。3%の税率増で110円に値上げすると、7%分は便乗値上げになる。3%分はタクシー部門の売り上げで補うことになるだろう」とする。ただ、税率が10%に上がった時に運賃を値上げするかは未定という。
■10%への増税控え
県内でレストランやパン店計7店を展開する「夢ぞのグループ」は、「ちゃちゃっと食堂大安寺店」(岡山市北区大安寺南町)や「夢や花尻店」(同区川入)で「100円ラーメン」を提供していたが、3月20日から110円に値上げした。
グループを率いる「小野田商店」の小野田利徳会長(76)は「なんとか続けたかったが、円安による小麦の高騰などで、ギリギリの状態だったところにとどめを刺された形。この先10%への増税も控えるとなると、値上げせざるを得なかった」と説明。「うちの看板メニューだったので、原材料の価格が下がった時には、ぜひ復活させたい」としている。
■「価格に転嫁無理」
硬貨を投入してハンドルを回すと、カプセルに入った玩具やフィギュアが出てくる販売機「ガチャガチャ」。岡山市北区今保の「夢コロ」は、ガチャガチャが約1000台並ぶ専門店だ。
価格は100円単位で100~400円。価格を据え置く。経営する「ドリームハウス」の長谷部元美社長(58)は「お釣りが出せる仕組みではないし、100円玉と10円玉を入れるタイプの販売機もあるが、入れ替える予算がない」と苦い表情。
メーカーからの玩具の卸値には消費税が上乗せされるといい、長谷部社長は「人件費を減らすことになるだろう。税率が10%になっても状況は同じ」とし、「増税分を簡単に価格に転嫁できない業種もあることを、国の偉い人にはわかってほしい」と訴える。
2014年04月01日
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