国民全員に番号を振って個人情報を管理する「共通番号(マイナンバー)制度」について、政府税制調査会(首相の諮問機関)の分科会は8日、「預金口座も対象とすべきだ」という提言をまとめた。政府は具体的な検討に入るが、実現に向けては課題も多い。

 「マイナンバー」は、個人の所得や医療費についての情報を政府が一元的に管理する制度。2016年1月に運用が始まる予定だが、今の法律では政府が預金口座の情報を把握することはできない。政府税調では、口座を通じて個人の所得や資産を正確につかめれば、脱税を防ぎやすくなり、本当に助けが必要な人だけを対象にした行政サービスを提供できる、といった効果を期待している。

 ただ、個人の預金口座数は10億以上あるとされ、番号管理は金融機関の負担が大きい。政府による個人情報の管理が強まることへの国民の不安も根強い。(庄司将晃)