2014年4月10日00時38分
東京電力福島第一原発の事故後、入院していた双葉病院(福島県大熊町)から行方不明となり、失踪宣告を受けた女性(当時88)の家族が、東電に計4400万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴していたことが分かった。第1回口頭弁論が9日にあり、東電は請求の棄却を求めて争う姿勢を示した。
訴状によると、女性は認知症で同病院に入院。2011年3月12日に原発事故に伴う避難指示が出た後、停電した病院内で14日までは生存が確認されていたが、16日に最後の患者が救助された際には姿がなく、その後の捜索でも見つからなかった。家族が申し立てた失踪宣告が13年9月に認められ、法律上の死亡が確定。家族7人が「事故と失踪には因果関係がある」として、原子力損害賠償法に基づいて慰謝料などの支払いを求めている。
同病院には原発事故当時、約340人が入院していた。政府事故調査・検証委員会や病院側によると、事故後、院内で4人、搬送中に15人が死亡。その後の避難などに伴って11年3月中にさらに21人が亡くなった。昨年6月、避難中や避難後に死亡した患者4人の遺族が賠償を求めて東電を提訴し、争っている。
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