「リジェクトしないでくれ!」Apple米国本社に乗り込んだ。うんちに人生をかけた男が挑戦するアプリ「ウンログ」は20万ダウンロード間近。

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ウンログというユニークなアプリの作者さんにインタビューをしてきました。
名前の通り、うんちを記録していく健康アプリです。

開発者のじぶんラボ株式会社の田口さん。
堂々とカフェでコーヒーを飲んでいました。
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この摩訶不思議なアプリ、ダウンロードされているのか?一体儲かっているのか?どんなビジネスモデルなのか?いろいろ話を聞いてきました。

以下、インタビューをお送りします。

ウンログについて

ウンログができたのはいつ?

リリースは2012年7月です、そのときは会社員をやりながら、趣味でアプリ開発をしていました。
実はウンログは1本目の練習アプリだったのですが、
ユニークな切り口がうけたのかユーザーが増えてアップデートがいそがしくなってきて。

サラリーマンやりながらのほうが収入も安定するし良いのですが、
本気で切り替えたいなともおもっていて、

当時、29歳だったこともあり、
20代で独立したいとおもって独立しました。

ウンログ(iOS/Android
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アプリは自分でつくった?

そうですね、プログラムは社会人になってからスクールでおぼえました、
独立したかったというのもあって、アプリはつくれたほうが良いなと思いまして。

成功しているベンチャーの経営者は、皆エンジニア出身でしたし、じぶんのつくりたいものを思いのまま作れるようになって、チャレンジしたいと思いました。

なぜウンログをつくろうと思ったの?

アプリをつくるならライフログをやりたいと思っていました、
ライフログなら毎日使ってもらえるし、ビジネスになりやすいのではないかと。
ゲームもそうですが、ツール系もすごいレッドオーシャンで、良いアプリも既にいっぱいある。

そこでライフログアプリをとにかく色々使ってみているうちに、
ある日「うんち記録アプリってあんまりないよな・・・」と考えて、
うんち記録アプリのレビューをリストアップしてみたんです。

そしたら、不満が出てくる出てくる、
この不満を全部解決したら、いけるんじゃないかと考えたのが始まりです。

小学生の時の宝物がうんちだったって本当?

10歳くらいのときに書いたものです。Facebookで「ウンログだしたよ」って書いたら、
地元の友だちが「昔こんなこと書いてたよね」って送ってきてくれて。

昔からうんちが大好きだったようです。
まさか大人になっても、うんちに関する仕事をしているとは。

(↓田口さんが小学生の時に書いたもの。本田圭佑も卒業文集にセリエAにいくって書いてましたね。)
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ダウンロードとユーザーの増え方

ダウンロード数はどのくらい?

約20万ダウンロードになりました。
DAUは約2万(デイリーのアクティブユーザー)、MAUだと約4万(マンスリーのアクティブユーザー)。

Androidは開発ができなくて、
外注してつくった初期のバージョンがありますが、現状は放置しています。

リリース当初から順調に伸びていた?

いまリリースして、1年7~8ヶ月くらいですが、
最初の1年で10万DLくらいまでいきました。

ドンと伸びる感じではなくて、ずっと一定の数増えていく感じで、
無料ヘルスケアのランキングの30-40位あたりを、さまよっています。

(リリースから17万DLまでの推移)
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雑誌に取り上げられた回数が多いですね。

女性誌は多いですね、DLにはほとんど影響はないんですが。笑
anan(アンアン)は効果ありましたけど、数十人が一時的にDLしてくれる程度かなと。

夏場は特にダイエット系で多く取り上げられます、雑誌の編集者の方から声をかけてくださることがほとんどで、見つけてくれてありがとうという気持ちでいっぱいです。

ユーザーの95%が女性なので、モデルさんや健康に感心があるライターさんが使ってくれて、色んなところで口コミで紹介してくれているみたいで。

(※ウンログのメディア掲載実績、尖っていると多くのメディアの目にとまる)
magazines

衝撃のジャパニーズゴースト作戦、そしてApple本社へ直談判。

他に似たようなアプリは多いのですか?

実はうんち記録アプリって参入障壁が高いんですよ。
どういうことかというとリジェクトされちゃうんです。

真正面から「うんち」って書くと絶対Appleの審査が通らない。
ぼくがリリースしてから2~3本はリジェクトされているアプリを目にしている。
なので、そもそもリングに上げることに参入障壁があるんです。

ウンログは、なぜ審査とおったの?

ウンログが審査とおったのは、
「これはジャパニーズゴーストだ」って言い張って通したんですよ。笑

アップルの人が見てたら怒られるかもしれませんけど、「うんちじゃない。ゴーストバスターズみたいな日本のゴーストなんだ」って。ねじこみました。

(↓ウンログのキャラ。ジャパニーズゴーストと主張し通した。)
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すごい荒業ですね、すると今後リジェクトされる可能性もある?

実は、先週アメリカのスタンフォード大学でうんちのビッグデータに関する講演をしてきたときに、Appleの本社のヘルスケアマネージャーの方とアポイントがとれて、「頼むからリジェクトしないでくれ」って直談判しにいったんですよ。(※リジェクトとはAppStoreの審査に落とされること)

そしたら「わかった。おれがリジェクトされたときに面倒みる」と言ってくれて、
その代わりこれは遊びのアプリじゃなくて、医学的な根拠があるということを送ってくれといわれた。ほぼそれでリジェクトのリスクはなくなったのではと思います。

英語版もリジェクトされてずっとだせなかったんですけど、
ようやく海外にも挑戦できそうです。

アップルのヘルスケアマネージャーにアポとるには何したらいいの?

うちの役員の知り合いにお医者さんがいて、
そのお医者さんがアップルのマネージャーと知り合いだったので、強引にアポをセッティングしました。

海外展開やビジネスモデルの可能性について。

20万ダウンロードのうち、海外ユーザーはどのくらい?

ほとんどいないです、5%以内です。
海外に住んでいる日本人かもしれません。

日本とアメリカの違いでいうと、
SXSW(アメリカの音楽や映像の有名イベント)に行った時に感じたのが、

日本人ってかわいいものって20代でも40代でもつかってくれるけど、
アメリカだと「かわいい」は子どもっぽい見え方になってしまって大人が使ってくれない。

アメリカはプロフェッショナル・専門性をアピールするとつかってくれる。
ウンログも、もうちょっと医学アプリ的なブランディングをしていかないと、
子どもの遊びのように見られちゃうので、進出の仕方は日本と違う形でやろうとおもっている。

海外でもチャンスはありそうでしょうか?

チャンスとしてはアメリカでは、
健康な人の腸内細菌を使った治療法や実証実験も進んでいる。

食べ物を消化する時に、腸内細菌が分解を助けたりするんですけど、
鼻からチューブで健康な人のうんちを体内に入れる治療があったり。

やせているラットの腸内細菌を、
太っているラットに入れたらやせたという実験もある。

今後、「腸内細菌カプセル」みたいなものも普及するでしょうし、
腸内細菌の分析アプリという切り口はおもしろいかもしれない。

もっとウェラブル端末が進化していくと、トイレに直接センサーつけて分析したり、体内にセンサー入れたりとかもでてくるんですかね?

既にトイレメーカでは、トイレ側で分析装置を開発していると聞いた事があります。その話でいうと、一番やっていて課題に感じるのが、技術が整っても「それが健康にどう良くなるのか」が伝わらないと使ってくれない。

某大手キャリアも「スマホで健康管理しよう」というのを、
テレビCMでバンバンうっているんですけど、データをとることで、どう健康に良いのかが、みんな理解出来ていなくて。だから、ユーザーが増えないんだと思う。

例えば、効果ではなく予防。データを蓄積すると「こんな病気の予防が可能になる」とかは良いかも?

そうですね。うんちの場合は、女性の死因の第一位は大腸がんで、
大腸がんって早期発見すれば治せるんですけど発見が遅れる病気の代表格なんですよ。

でも、そもそもみんな検査をしたがらないんですね、
体の中に内視鏡入れるの嫌じゃないですか。

実はこれは毎日うんちをチェックしてたら、
大腸がんの初期段階であっても便に異変がでてくることがあるんですよ。

周期がおかしくなったり、形が変わったり。
そういう病気チェックや病気予防もウンログで絡めていけたらと考えています。

マネタイズとしては先のほうで考えている?

はい、いまはユーザーを増やしていくことに専念しています。

ちなみに全然儲かっていないですよ。バナー広告やアフィリエイト広告いれたりしていますが、
20万DLではほとんど収益にならないですね、僕一人でほとんどやっているから成り立っています。
ただ、ポテンシャルはすごく高いと思う。

今後は蓄積したライフログデータをお金に変えていけるサービスをはじめる予定です。
「腸内細菌診断」という感じで、検便キットを調査機関に送ると診断結果がくるような有料サービスもつくっていきたいですね。

いろいろ聞いてみた。

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他にユーザー増やしたり、認知度あげるためにやっていることは?

とにかくアプリの改善を繰り返している。
経験的にはユーザーの声を反映すると、ユーザーがやっぱり喜んでくれる。

自分がお願いしたことが反映されたら嬉しいし、
使い続けてくれる理由になるし、その人が友だちに広めてくれたりする。

改善を繰り返すのが、良いユーザーを集めるベストなマーケティングだとおもっています。

ユーザーの声はどうやって拾っている?

AppStoreのレビュー欄と、「要望があればこっから送ってね」みたいなアプリ内のフォームから、
月50~60件くらいは意見や要望が送られてきますね。

「ウンログがわたしのこと心配してくれるのが嬉しい」っていう口コミを見たんですけど、これはどういうこと?

アプリを3日間起動していない場合に、
プッシュ通知を送るようにプログラムしてある。

5日とか1週間とか出ない人も多いんです、
その間にウンログのことを忘れられちゃうと嫌だなとおもって。

「心配してくれて嬉しい」という捉えられ方になっているのは、
キャラクターがしゃべっている風にプッシュ通知を送っているからでしょうね。

アプリ内でもキャラクターが褒めてくれたり、
「いつもあなたと一緒だよ」みたいなことをいったり愛着をわかせるようにしています。

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他にこだわっていることは?

どんどんアップデートを繰り返すと複雑になっていっちゃう。

機能を追加した時には、逆に削れるものはないかなって、シンプルにしようと心がけています。
例えばユーザーが慣れてきたタイミングで、はてな(ヘルプ)ボタンを消したリ、じゃまくさいUIを消したり。

ニッチな誰もせめて来ないジャンルを、深く掘り下げていくアプリというのはやってみてどう?

超ニッチなアプリはオススメしますよ。
経験からいえるのは、100万本以上もあるアプリに埋もれないようにするにはエッヂがきいていないといけない。

ただ、市場の大きさやポテンシャルは考えないといけないし、
生活の一部にとけ込んでもらえるアプリでないと使い続けてもらうのは難しい。

スマホとプラットフォームが世界共通になった今、ニッチで成立するようになったビジネスってたくさんあるように思う。

「ニッチをグローバルで」というのは成立すると思いますね。
日本人の豊かな表現力、おもてなし力は世界からの評価は高い、

クールジャパンの渡辺謙一さんという人が言っていたのですが、
盆栽が欧米で大ブレイクして、ここ数年で市場が10倍くらいにふくれあがったらしいんです。
盆栽って日本人はほとんどやらないじゃないですか。

あと剣道とか柔道って、もはや日本よりも海外プレイヤーが多くて、
彼らは安い中国製の竹刀よりも、日本の山奥にいる本場の職人がつくった竹刀が欲しいらしい。

これはあくまで一例ですけど、
全世界の人口の70億人のうちの、ほんの一部のお金持ちを相手にすればビジネスとして成立することもたくさんある。

これから「アプリで起業したい」という人にアドバイスするとしたら?

できるだけ、自分でデザインや開発を出来るようにした方がいい。
自分でやることで、他のアプリをたくさん触ってみたり、デザインをくらべてみたり、
その繰り返しでセンスが磨かれていくと思う。

あとは自分の趣味をつきつめるのが良いとおもいます。
失敗しても納得いくだろうし。

一番失敗するよくないパターンは、
アイディアだけあって、それを形にするのをほぼ他人にやってもらうパターン
です。

Androidはウンログも外注していた?

Androidは外注、オフショア開発でつくったのですが、クオリティがめちゃくちゃ低かった。
10万円くらいでつくってくれたので文句は言えないんですけど。

「iPhone版のウンログをコピーしてAndroidアプリにしてくれ」っていう依頼をしたのですが、
何がひどいかって、「コピーしてくれ」っていって素材も渡すじゃないですか。

普通に考えたらAndroid用に新しく画面をつくり直すかと思いきや、
その人はiPhone版の画面をそのままキャプチャしてはりつけたんですよ。笑
やっぱりやるならちゃんとお金をかけないと、良いものはつくれない。

その、帽子はどうやってつくるの?

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キャラクターの画像をおくると、帽子にしてくれる京都の職人さんがいて、
1つ7,000円くらいでつくれます。

帽子かぶってると子どもと女性から人気が出ます、
写真をツイートしてくれたりもするので良いですよ。

本来、グロテスクで臭くて汚いものですが、
キャラクター化することでかわいいとさえ言ってもらえる。

いままでやってきて意外だったことは?

女性が95%ということで、ここまで使ってくれるというのはやってみないとわからない気づきでした。アプリのデザインも、リリース後に徐々に女性向けにアレンジしていきました。

女性は、元々生理周期や体温を記録する習慣がある。
世の中的にみてライフログをつかうのはほとんど女性だとおもう。

男性はゲームとかギャンブルとか、
その瞬間の欲求を満たしたいがために使うことが多い。

今後、ウンログでやりたいことは?

お医者さんに相談できる仕組みを実装中で6月くらいにはリリース予定です。

食事記録のアプリでウンログを連携して、
食べたものを記録すると「こんなうんちがでる」と予測される。

それで、このままのうんちだとあんまり健康によくないから、
「もっと食物繊維の多いものをとろう」とか、「乳酸菌いれるとしっかりするよ」とか、
うんちというアウトプットをもとに、より具体的なアドバイスができるようにしたい。

結局、ひとによってそれが有効な場合もあれば効かない場合もあるので
自分のアウトプットを見て、良いアウトプットがでたときは良い食生活だと、逆算で考えた方が正確。腸内細菌を整えることが大事。

腸内細菌って普段あまり親しみがない言葉ですね。

腸内細菌っておもしろいんですよ。

例えば、芋ばかり食べて生きているパプワニューギニア人は、芋からいろいろな栄養素をとれる腸内細菌がいる。肉ばかり食べるアイヌ人も肉から栄養をとれる腸内細菌をもっている。

日本人にしかない腸内細菌はワカメを分解する腸内細菌。
外人がワカメをたべると実はそのまま消化されずにでちゃう。
日本人は消化してそこからカロリーをとることができる。

ワカメって0カロリーとかの商品がありますけど、
外人にとってはそうなんですが、日本人にとっては0カロリーじゃない。

もっとみんな米とお味噌汁と魚をたべたら健康になりますよ。
ただ、見渡せば牛丼やイタリアンの店だらけですし、かなり意識しないと難しいですよね、
大戸屋とかは食物繊維が豊富なメニューが多いのでおすすめです。

最後に告知などがあればお願いします。

今度、食事記録アプリをだしますのでつかってみてください。
あと、ウンログのキャラクター今度LINEスタンプでだします、うんちをもっと身近なものに感じてもらいたいです。

それから、学会やセミナーでうんちの話をするのは好きなので、
もし講演など呼んでいただける機会があれば声をかけてもらえたら嬉しく思います。

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取材協力:じぶんラボ株式会社

編集後記

奇をてらっていると思いきや、ウンログの目指しているところはとてもまじめでした…。
開発者の格好はふざけていましたが、アプリはとても真面目です。

iOSだけで20万ダウンロードという現状に加えて、ノンプロモーションで1つのアプリをほぼ一人で育てていると考えると、けっこうスゴイことだと思いました。そして、まだまだ単純にAndroidの分だけでも伸びしろもある。

女性ユーザーが90%以上という意味では、
女性向けアプリを作っている人にも参考になるところもあったのではないでしょうか。

今後の活躍にも注目したいアプリですね。

unlog_iconウンログ(iOS/Android

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アプリマーケティング研究所編集部

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アプリマーケティング研究所編集部です。 「マックピープル」(雑誌)や「アスキーiPhonePLUS」(WEB)の外部メディアでも連載を書いています。 広告掲載、一般的なお問い合わせなどはコチラまで。ご相談、情報提供、ニュースリリースなどは「news@appmarketinglabo.net」(代表:鶴谷宛)にお願いいたします。
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