文部科学省は8日、戦前の修身教育の指針となった「教育勅語」の原本とみられる文書が見つかったと発表した。所在が確認されたのは50年ぶり。下村博文文科相は同日の記者会見で勅語について、「至極まともなことが書かれていると思う。軍国主義教育の推進の象徴のように使われたのが問題だった」と述べた。

 文書はB4ほどの大きさの2枚紙1組。変色し激しく劣化しているが、中のページを撮影したとみられる以前の写真が省内で見つかり、明治天皇の御名(署名)と御璽(ぎょじ、公印)が確認できるという。2012年秋、東京国立博物館(東京都台東区)にある文科省の保管庫で木箱に入れられた状態で発見。1962年の公開から所在不明になっていたもので、発見後の調査から原本とみている。劣化は関東大震災時の損傷が要因という。

 教育勅語は1890年に道徳と教育の理念を示すものとして発布、小学校で暗唱するなどされた。このほか、初代文部大臣の森有礼が省の責任を示した「自警」の原本など20点も近く国立公文書館に移される。