「ウチは大した資産がないから、相続税なんて無関係」。こう思っている人は多いだろう。実際、現在(2014年4月)の税制では相続税を申告する必要のある人は全体の4%程度と言われているため、「一握りの資産家の話」と思ってしまうのも無理はない。だが、相続税は2015年1月1日から制度が改変されて増税になり、対象になる人も一気に増える。もはや他人事ではないこの相続問題を、年間1万件もの相談を受け、無料で税理士を紹介している相続コーディネーターの八木美代子さん(株式会社ビスカス代表取締役)に解説してもらった。
2015年1月1日以降の相続では、相続税の対象になる人がどのくらい増えるのでしょうか。
八木美代子(以下八木):業界では4〜5倍と言われていますが、税理士の先生によっては10倍に増えるという方もいらっしゃいます。なぜそうなるかというと、最大のポイントは「相続財産のうち、この額までは相続税がかからない」という額(基礎控除額)が、4割減と大幅に減らされるからです。
現行の基礎控除は「5000万円+相続人の数×1000万円」。8000万円の財産があっても、子供が2人なら7000万円までは相続税がかからず、残った1000万円にだけかかります。これが2015年1月1日以降には「3000万円+相続人の数×600万円」に引き下げられます。子供2人なら基礎控除は4200万円になりますので、前と同じ例でも残りの3800万円に相続税がかかるようになります。
8段階に細分化、最高税率55%に
東京近郊ですと地価が高めなので、面積がそう広くなくても評価額が3000万〜4000万円になることはよくあり、他の資産を加えると基礎控除の範囲には収まらないケースが増えるのです。地価が高めの場所に家がある場合は、今後は「相続税はかかるものだ」と覚悟しておいた方がいいでしょう。
さらには相続税の段階も細かくなって、最高税率も上がります。現在の税率は6段階で、最高税率は50%(3億円超)ですが、2015年以降は8段階で、最高税率は55%(6億円超)になります。