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東京電力の新体制がスタートした。会長に就いた数土文夫氏は、「古い東電と…
東京電力の新体制がスタートした。会長に就いた数土文夫氏は、「古い東電との決別」を確かなものにしていく指導力が問われる。
最優先課題は、言うまでもなく福島第一原発の安定化と廃炉に向けた着実な前進である。
東電は社内分社化で「福島第一廃炉推進カンパニー」を発足させた。原子力・立地本部から切り離し、1200人規模で福島第一に特化する。
原子炉内の様子は徐々にわかってきたが、溶けた核燃料の取り出しは遠い先だ。今後の技術開発に依存する部分も多い。まずは汚染水問題の解決にめどをつけなければならない。
東電は廃炉会社を「本丸」と位置づけ、優れた人材や技術を集中させる必要がある。柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働準備を両にらみで進めている場合ではない。
新会社での新たな取り組みを、東電ひいては電力業界全体の体質を変えていくきっかけにしてもらいたい。
廃炉会社には、原子炉メーカー3社から副社長が就任した。原子炉や電機関連など設備別になりがちだった従来の管理態勢は、課題解決のためのプロジェクトごとに管理する仕組みに改める。マネジャーの外部登用にも力を入れるという。
受発注の関係を超えた連携で社外の知見を積極的に取り入れることには賛成だ。異なる企業文化の流入を、独占企業としてのおごりや縦割り主義を排することにつなげるべきだ。
何層にもわたる下請け・孫請け企業との関係も、見直しが迫られる。複雑な現場に精通し、応用力の高い作業員を確保するには、福島第一を「働きたい職場」にしていく必要がある。
被曝(ひばく)管理の徹底はもちろんのこと、一人ひとりが作業上で得た経験や意見を組織全体で共有できるような仕組みを設け、作業員の士気を高めていくことが求められる。
政府は原子力損害賠償機構の中に、新たに廃炉を主導する専門組織をつくる法案を今国会に提出している。成立すれば、東電に対し指導・勧告権限をもつ部門が設置される。
国の関与は重要だが、船頭が多いばかりで現場が混乱したり責任を押しつけ合ったりでは本末転倒だ。ここでも、透明で機動的な連携が試される。
世界を見ても、原発は老朽化や採算割れによる廃炉が増え、新たな局面を迎えている。「本丸」がしっかりと力をつけていけば、次の事業展開も見えてくるはずだ。
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