STAP細胞:小保方氏申し立て・要旨

毎日新聞 2014年04月08日 21時45分(最終更新 04月09日 01時04分)

 <申し立ての趣旨>

 理研の調査報告書のうち(1)STAP細胞を証明する電気泳動実験の画像の切り張り(改ざんと認定)(2)小保方氏の博士論文(2011年)と酷似した画像がある(捏造<ねつぞう>と認定)−−について再調査を求める。

 (1)(2)について研究不正を行っていないとの認定と報告を求める。

 <申し立ての理由>

・理研調査報告書について

 研究不正とは「悪意のない間違い及び意見の相違は含まない」としている。報告書はこの定義とは別次元で研究不正と結論づけていて妥当ではない。

 「STAP細胞を証明する電気泳動実験の画像の切り張り」は「研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工する」という行為はなく、「改ざん」が疑われる事案ではない。論文への掲載方法が適切か否かの問題にすぎない。

 「博士論文と酷似した画像」についても「存在しないデータや研究結果を作り上げた」行為はなく、「捏造」が疑われる事案ではない。論文に掲載する時点で、誤った画像を掲載してしまったという問題にすぎない。

・手続きの保証

 調査報告書において「研究不正」と判断されたならば、申立人は多大な不利益を受ける。調査委の判断は合理的理由に基づかねばならず、恣意(しい)的判断は許されない。

 「博士論文と酷似した画像」についての認定・判断は、重要な証拠を看過してなされ、経験則に反するものである。

・弁解機会

 不利益を受ける者に対しては、弁解と防御の機会が十分に与えられなければならない。本件は申立人への聴取が不十分だったことは明らかだ。(中間報告後は)申立人に1回の聞き取りがあっただけである。その結果、調査委は自らの検証や解析を妄信して、判断を誤ったものと考えられる。

・再調査の必要性

 調査結果は国内はもちろん国外からも注目されている。不十分な調査では結論を断ずることは許されない。

 本件は、科学的紛争に見えるが、現実には研究不正があったか否かの認定が中心である。そのため新たに調査委員を選任するにあたっては、少なくとも半数は、法的思考に熟練した者(元裁判官、元検察官、弁護士)が適任と思料する。また、STAP細胞発見と利害関係のある研究者などは排除されなければならない。

 理研内部の研究者が入るならば、派閥争いやトカゲのしっぽ切りなど、さまざまな臆測が生じることから、全構成員は外部委員に委ねるのが妥当だ。

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