月刊都市対抗:球宴なるほドリ 元プロが社会人に入るには?=回答・倉岡一樹

毎日新聞 2014年04月08日 東京朝刊

 ◇届け出制、選手は3人以内

 なるほドリ 社会人野球で、元プロ野球の選手や監督が活躍しているね。

 記者 選手では浜松市・ヤマハの佐藤二朗内野手(元ヤクルト)や門真市・パナソニックの梶原康司内野手(元阪神)ら、チームの主力を務める選手も多いです。監督では、今季から初芝清氏(元ロッテ)がセガサミー(東京都)で指揮を執ります。かつてはヤクルトで日本一になった後、調布市・シダックス(廃部)を率いて2003年都市対抗で準優勝した野村克也さんも有名ですね。

 Q 元プロの選手が社会人野球のチームに入る時のルールはあるの?

 A 届け出制です。監督とコーチに人数制限はないのですが、選手は1チーム3人以内と決められています。日本各地の独立リーグも同じルールが適用されます。学生野球はプロ側と学生側が主催する講習会を受講すれば指導者になれる制度が昨年始まりましたので、違いがあります。

 Q なぜ社会人のルールの方が厳しくないの?

 A 1961年に社会人選手をプロ球団が引き抜いたことで騒動になり、アマチュア球界全体がプロと関係を断ちました。ただプロ側の協議再開の申し入れに、社会人側は早く応じてきた経緯があり、73年に短期間の指導を認め、78年に監督・コーチに限って登録を容認。97年には選手受け入れ、と段階的に雪解けが進みました。

 Q 今年はプロ野球出身の監督が、大記録に挑むね!

 A JX−ENEOS(横浜市)の大久保秀昭監督(元近鉄など)ですね。昨年の都市対抗で51年ぶりの2連覇を達成し、今年は1950〜52年の全鐘紡(大阪市)以来となる史上2チーム目の3連覇を狙います。優勝すれば監督として4勝目で、大会史上最多記録です。夏が待ち遠しいですね。

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