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渡辺喜美代表辞任 みんなの声に屈す

代表辞任の記者会見を終え、引き揚げるみんなの党の渡辺代表(共同)
代表辞任の記者会見を終え、引き揚げるみんなの党の渡辺代表(共同)

 みんなの党の渡辺喜美氏(62)は7日、国会内で会見し、DHC吉田嘉明会長からの8億円借り入れ問題で党に迷惑を掛けたとして、代表辞任を電撃発表した。党内で拡大する辞任要求の声に、追い詰められた形だ。未返済だった約5億5000万円はこの日、吉田氏に全額返済した。

 渡辺氏は7日夕、急きょ会見を設定した。「私1人の責任でやろうとしたことが、(報道され)裏目に出た。党に迷惑を掛けた責任は、全て私にある」と述べ、代表辞任を表明した。体調不良を理由に国会に姿を見せず、公の場は11日ぶりだった。

 「地位に恋々とすることはない」と述べたが、強気だった先月27日の会見以降、辞任要求は地方組織にまで拡大。「いろんな人がいろんなことを言い出した。今日がタイムリミット」。渡辺氏の進退が焦点となる8日の党役員会前日に先手を打った。

 1人で党を立ち上げた強い自負を持つ渡辺氏だったが、追い詰められた末の「白旗辞任」だ。「諦めるしかない」と2度述べ、悔しさもにじませた。

 8億円のうち未返済だった5億5000万円は7日、金利を加えて吉田氏に返済。電話はつながらなかったという。原資は、手元に保管していた個人財産以外の約5億円と、足りない分は親類や知人に借りた。「落ち目の三度がさになると、なかなか融通してくれる人がいない」とぼやいた。

 「熊手」以外の使い道については「党勢拡大や政策立案のための情報収集など」と、あいまいなまま。「1年に1000万円は使っていた」というが、「政治家がポケットマネーで政治活動をする場合、収支を報告する制度はない。法的に何ら問題はない」。法制度の「抜け道」を盾に、疑惑への説明はなかった。

 今後は「一兵卒で活動する」と述べ、離党や議員辞職は否定。衆院政治倫理審査会での説明にも消極的だ。説明が遅れ、党への不信感も拡大した。次の代表は浅尾慶一郎幹事長を軸に調整されるが、党の空中分解危機に変わりはない。

 [2014年4月8日9時44分 紙面から]

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