鈴木洋和
2014年4月8日13時31分
公務員による公金横領事件で、監督責任を問われた上司が多額の賠償金を求められる事例がある。法律に基づき、不祥事を起こした公務員から回収できない分の負担を迫られたものだが、「過失はなく、納得できない」として訴訟も起きている。
大阪府大阪狭山市では、保険年金グループの元職員(47)が2001~07年に市から約1億6700万円をだまし取った。市は地方自治法に基づき、時効分を除き未返済の6500万円余りを歴代の上司5人から回収することを決めた。
地方自治法では、現金を管理する職員が故意または重大な過失で被害を出した場合、損害を賠償しなければならないと定めている。歴代の上司は自分の名義で口座を作り、市からお金の振り込みを受け、現金を管理していた。通帳や印鑑の管理がずさんだったことが賠償の理由となった。
ただ、賠償額は元職員の上司にあたる課長を務めた期間に応じて47万円から4861万円と開きがある。同市の本山清八(せいはち)市民部長は「2年7カ月の在職期間中に多額の詐取をされ被害の拡大を招いた。1人で4861万円は多いと思うが、当然のこと」と話す。
同僚職員が「支援する会」を結成してカンパを募ったが、5人のうち2人は「不正に気づけなかったのは、課長個人ではなく組織全体の責任」としてカンパを受け取らず、賠償命令取り消しを求める訴訟を大阪地裁に起こした。昨年8月の判決で、1人は全額、もう1人は一部の賠償が取り消された。市は判決を不服として大阪高裁へ控訴。なお係争が続いている。
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朝日新聞社会部
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