キガリ=杉山正
2014年4月8日01時21分
1994年にアフリカ中部ルワンダで民族対立による大虐殺が起きてから7日で20年となり、首都キガリの競技場で追悼式典が開かれた。約3万人の市民らが詰めかけて、黙禱(もくとう)。カガメ大統領は「犠牲は新しいルワンダの種となった。どんな不快なことでも、真実は語り続けられなければならない」と語った。
虐殺は多数派のフツ族の大統領が乗った飛行機が撃墜されたことを機に始まった。政府軍や民兵らによって少数派のツチ族住民が主に殺害され、約100日の間に80万から100万人が犠牲になった。以来、民族融和のため、対話集会が継続的に開かれているほか、民族分離を示唆する発言自体も法律で禁じられている。
当時、国連は予兆を伝えられながら、行動を起こさなかったために被害が拡大した経緯がある。潘基文(パンギムン)事務総長も式典に出席し、「国際社会は沈黙した。我々はもっとできた。もっとすべきだった」と語った。
式典には、ほかにも各国の首脳ら多くの来賓が集まった。しかし、式典に先立ち、フランスが当時、フツ族主導の政府を支援していたことなどを背景に、カガメ大統領が「虐殺の準備に直接加担した」などと仏を非難。AFP通信によると、仏は本国からの代表団を送るのを見送ったうえ、代わりの駐ルワンダ仏大使の出席が拒否されるなど摩擦が生じている。(キガリ=杉山正)
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朝日新聞国際報道部
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