11日から広島市で開かれる核軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)の外相会合で、議長を務める岸田文雄外相が7日、外務省で朝日新聞の単独インタビューに応じた。岸田外相は「世界の政治指導者が被爆の実相に触れることが大切だ」と指摘。米国やロシアなど核保有国を含む国のリーダーに被爆地訪問を求める文言をNPDIの共同宣言に盛り込む考えを示した。

 核兵器を持たない12カ国からなるNPDIの公式文書にこうしたメッセージが入るのは初めて。日本初のNPDI外相会合が広島で開かれることに「核兵器のない世界への国際的機運を盛り上げる意味で重要」と述べたうえで、「核兵器の非人道性について世代や国境を超えて広める議論をしたい」と語った。(岡本玄、武田肇)

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 《核軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)》 核兵器のリスクが低い世界をめざし、核兵器を保有していない日本、豪州、ドイツ、オランダ、ポーランド、カナダ、メキシコ、チリ、ナイジェリア、トルコ、フィリピン、UAE(アラブ首長国連邦)の計12カ国の外相らが議論する枠組み。2010年9月に米ニューヨークで第1回会合が開催された。核廃絶への行動計画の着実な実施を核不拡散条約(NPT)の加盟国に求める「作業文書」を作り、NPT再検討会議の準備委員会に提出している。