愛知県旧一色町(現西尾市)の産業廃棄物処分場跡地をめぐり、同町が2011年3月、三重県の民間業者が敷地内で実施した土壌検査結果について、「情報を第三者に開示しない」とする「秘密保持契約」を業者側と結んでいた。西尾市への取材でわかった。

 この業者は現在、跡地に新たな廃棄物最終処分場をつくる計画を進めている。この契約は今年初め、業者側が西尾市に解消を申し出てきたことで発覚した。同市担当課はそれまで契約の存在を知らなかったという。

 西尾市によると、契約は一色町との合併前日の11年3月31日付。契約書には当時の都築譲町長の町長印が押されていた。業者は「敷地内からダイオキシン類や鉛の汚染が確認された」などとの報告書を作成していたという。都築元町長は「合併直前にそんな契約を結ぶはずがない」と否定している。

 愛知県が毎年実施している同処分場跡地周辺での水質調査では、基準値を上回る有害物質は検出されていないという。