STAP細胞:小保方氏「不安な気持ちでいっぱいです」
毎日新聞 2014年04月08日 11時38分(最終更新 04月08日 12時41分)
新たな万能細胞「STAP細胞」の論文不正問題で、理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)が8日午後、理研に対し、調査委員会メンバー(6人)の一部を入れ替えた上での再調査と、「捏造(ねつぞう)・改ざん」との結論の撤回を求めて不服申し立てをする。理研調査委が申し立て内容を審査し、再調査する場合は原則50日以内に結論を出す。
小保方氏は9日午後、大阪市内で自ら調査委への反論の記者会見に臨む。代理人を務める三木秀夫弁護士によると、8日午前、小保方氏は電話で「不安な気持ちでいっぱいです。支えてください」と話した。声が震えているようで、三木弁護士が「頑張ろうね」と声をかけると「頑張ります」と答えた。
小保方氏は論文不正疑惑の浮上後、精神状態が不安定になり、7日に大阪府内の病院に入院した。三木弁護士によると、日常生活に支障が生じるほど心身が弱っており、医師は当初、会見出席に難色を示したという。だが、小保方氏は「きちっと私の口から説明します」と言い切った。会見に出席しないことで社会的な批判を受けた場合の精神的ダメージを考慮し、医師も同意したという。
会見するホテル宴会場には250の記者席が設けられる予定。ホテル代は本人が負担し、プロジェクターを使って主張を説明する。入院先から会見場に向かい、終了後は病院に戻る。
小保方氏は「うまく説明できるだろうか」と不安を漏らしたり、気持ちが高ぶったりしていたが、入院後は落ち着いた様子という。「今後も理研で研究生活を続けたい」とも話しており、理研が最終報告書を発表した今月1日付で雇用契約も更新した。
不服申立書はA4判約20ページ。捏造・改ざんと判断された画像2点は理研の規定上、研究不正に該当しない「悪意のない間違いだ」などと主張する。電子メールに添付し、理研の監査・コンプライアンス室に送信する。三木弁護士は「不服を審査するのが同じ調査委メンバーでは予断を持ってしまう」と指摘。申立書で司法関係者のメンバーを増やすよう求める。
【吉田卓矢、畠山哲郎】