●河野談話は見直さない。第一次安倍内閣で閣議決定された答弁書にあるように河野談話を継承するという方針には全く変わりはない。
●今回検証するのは、河野談話作成過程で日韓でどのような摺合せがあったのか、政府間の交渉の内容。
元慰安婦の証言の事実関係は非公開と言う韓国との約束がある。これは守らなければならない。だから行わない。
●軍が強制連行したという事実がなかった事は、第一次安倍内閣の答弁書に書いてあるとおり。
元慰安婦16人の聞き取り調査については、絶対非公開が韓国との約束なのでこれを公開するなら、「彼女たちに対してハラを切っておわびしないといけない」とまで石原元副官房長官はおっしゃっていました。
このことは、”河野談話 聞き取り調査の再調査非公開の壁 「公開するならハラを切ってお詫びしなければならない」と石原元副官房長官2014年02月23日”
でとりあげました。しかし、この2/23の記事内でも書きましたが、朝鮮日報などは社説で、
【社説】安倍政権下で形骸化進む「河野談話継承」
2014/02/22 09:36 朝鮮日報日本語版
旧日本軍による従軍慰安婦の強制動員を認めた「河野談話」について、日本政府の菅義偉官房長官は20日、衆議院で「(再検証を)検討したい」と証言した。(中略)1993年に日本政府による証言の収集に応じた16人の元慰安婦たちは、若い頃に性的にじゅうりんされたという自らの尊厳にかかわる問題についても、公開の席でその惨状について証言した。
これらの証言が元となり、従軍慰安婦問題は世界的に広まっていった。(以下略)
と書いています。「公開の席」で証言したからそれがもとになって、世界的に広まったと言っているのです。
韓国では問題の16人の証言内容は実質的に「公開」扱いになっているのでは?と疑問がわきます。
さらに、秦郁彦氏の「慰安婦と戦場の性」によれば、
聞き取り調査の元慰安婦16人は、ほぼ全員が以下の著書(韓国語版の出版は1993年2月)に体験記を掲載している19人から選ばれていた、とあります。
証言 強制連行された朝鮮人軍慰安婦たち [単行本]
明石書店
全面非公開を貫くために、もしも公開するなら石原氏がハラを切らなきゃいけない程のものなのでしょうか。
それとも、体験記をよせた19人と、日本政府の聞き取り調査の16人は全く別人であることが後になって分かった、つまり「慰安婦と戦場の性」に書かれてあることが間違いなのでしょうか。
秦氏は、日本政府の聞き取り調査の対象者のほぼ全員が「証言 強制連行された朝鮮人軍慰安婦たち」に体験記を寄せた人であったため、新たな情報は期待できなかった。そこで、
私は一人も名乗り出ていない韓国人業者を韓国政府に頼んで探し、ヒアリングすべきだと担当官に進言した。
業者、なかでも女衒なら、募集に始まる全プロセス数十人規模で熟知しているはずだから、真相究明には最適のはずと考えたからだが、「そんな話を持ち出してもケンもホロロですよ」と乗ってもらえなかった。
立会人として同行したいという私の希望も拒まれた。「ああ、これはセレモニ-なんだな」と直感したしだいだ。
と書かれています。業者を調べることはすごく重要だったはずなのですが、残念です。
ともあれ、16人ほぼ全員の体験記が「証言 強制連行された朝鮮人軍慰安婦たち」に載っているのでしたら、この内容を検証することも無意味ではないと思います。
当然、体験記の内容=証言のはずですから。
追記:以下の産経新聞の記事でも日本政府が「秘匿」を固持することに疑義を呈しています。
元慰安婦報告書-論理的ではない河野氏の言葉
2013.10.17 12:12 産経新聞
日本での慰安婦賠償訴訟の原告が5人いる。日本の新聞のインタビューを受けて連載記事で取り上げられた人も、安秉直(アン・ビョンジク)ソウル大教授(当時)ら韓国側が行った聞き取り調査に応じ、元慰安婦の「証言集」に収録されている人もいた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131017/plc13101712140014-n1.htm
証言集=「証言 強制連行された朝鮮人軍慰安婦たち」か?