単位不足の選手は対外試合出場や練習参加は禁止――。早稲田大学は7日、新年度から44ある体育部の2400人を対象に、4年間できちんと卒業できるように修学を支援する「早稲田アスリートプログラム(WAP)」を導入すると発表した。高いレベルで文武両道を実践し、大学スポーツの新たなモデルを目指すという。
WAPは、「修学支援」と「教育プログラム」の2本立て。
「修学支援」では大学の競技スポーツセンターが、春・秋学期末ごとに全体育部員の登録科目と取得単位数、GPA(成績評価値)を把握。2学期連続で「最低基準単位」に達しなかった部員は、基準を満たすまで練習や対外試合の参加・出場を禁止する。
最低基準はクリアしたが「要指導単位」レベルの部員にも注意を喚起。体育部OBの教職員や大学院生をアカデミックアドバイザーに起用し、単位取得の助言や学習支援を行うほか、成績上位の部や個人を表彰する。
「教育プログラム」では、アスリートとしての教養教育やキャリア形成、ボランティア・地域貢献、国際交流のプログラムを専用テキストやインターネットを通して提供する。
早稲田大によると、体育部の学生の留年率は、20%を超す一般学生より低いが、それでも十数%。ラグビー蹴球部の後藤禎和監督は「安易に単位を落とし卒業に5、6年も掛かるようでは社会の印象も悪い。WAPは早稲田スポーツの価値を高める」と話している。
米国では、全米大学体育協会(NCAA)が学生が在学中に体育会に所属し続けるために必要な取得単位数やGPAの基準を定めているが、日本では学生アスリートの勉学に対する組織的・体系的な指導や支援は出遅れている。
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